経営会議をイノベーションする

経営会議(経営戦略会議)を実施している会社は多いと思います。

いまどき、“会議なし”という会社(ムダ会議はない方がいいですが)は、ほとんどうまくいかないのではないでしょうか?

この会議体系と会議の雰囲気を変えるだけでも、経営は変わります。会議は、単に情報共有や経営者から指示命令を通達する場ではありません。

それは、会議とは呼べない。

会議は雰囲気が大切です。終わった瞬間、参加メンバーがやる気をみなぎらせてモチベーションを上げる内容でないと意味がない。

したがって、オンラインでの会議など不可能。ただの意見交換会になります。

重要なアクションプランを議論して共有。決定事項を履行するための時間なのです。

経営者の皆様。自社の経営会議はいかがですか?社長が現状打破を吠えまくり、社員を叱咤するばかりの自己満足会議になっていませんか?

これでは、しっかりとした検証や改善議論ができません。なかなか会議を変えることができない…。そうお悩みの経営者の方。

外部の手を借りるのもひとつです。外部支援者(コンサルタント)のファシリテートスキルをうまく活用し、会議をイノベーションしてください。

それだけでも、業績寄与できる組織構築のきっかけになりますよ。

理想の会議は?

「発言しやすい雰囲気に溢れている」「経営者が参加者(社員)の意見を聴く姿勢を持っている」「議事録が明確に記録されている」「前回会議の決定事項に関する履行検証ができる」「できない理由より、できる方策を考える雰囲気がある」「活発な議論が展開されている」…。

そんなところでしょうか…。

投稿日: 2024年8月5日 | 8:05 am

中小企業診断士が独立するとき…

中小企業診断士として活動する以上、独立開業することはひとつの目標だと思います。

中小企業診断士を取得した人の中で「独立などしたくない…」「全く考えたこともない…」という方は皆無でしょう。

一度は「できれば独立開業の道を…」と考えた方がほとんどだと思います。

時々、診断士の方々向けのセミナーで、「独立開業した時の状況」について質問を受けます。

内容として多いのが「独立した時のクライアント獲得方法」「独立時の収入について」の2点です。当然ですね…笑。

このような質問に関しては、できるだけ赤裸々に答えるようにしています。

まず、クライアントの獲得方法ですが…。会計事務所から独立した小職にとって、最初から4社ほどの顧問先があったことはラッキーでした。

収入として、毎月25万円ほど…でした。年間300万円の収入です。

当然ですが、それだけでは安定した生活の収入にはなりません。

その他、佐賀県中小企業診断協会から「経営改善計画書策定」の仕事をいただき、セミナー講師などを経て、1年目の収入が400万円(売上ベース)でした。

このころは収入的に本当にきつかった。

毎日のように仕事はないわけです。週2日間ほどの稼働だったと記憶しています。

日々、クライアント様との接点開発に明け暮れました。

会計事務所に連絡し、セミナー講師の企画書を提出したり、無料セミナーも担当しました。

展示会や物産展に出かけて、見込み先になりそうな企業に取材の申し込みをしました。

商工会議所や商工会にセミナー企画を持ち込みましたし、専門家派遣も積極的に取り組みました。

あのころ(10年前です)を思い出すと…本当に懐かしい。

また、収入的にはきつかったですが、とてつもなく愉しい時期でもありました。

何せ、未来しかありませんでしたから…。

少しづつ上がっていく収入。セミナーをきっかけにして初めて顧問契約をしてくれたクライアント様…。

「また、次回の会議も楽しみにしています」と言ってくれるクライアントとのご縁…。

それを呼び寄せたのは、やはり「覚悟」だったと思っています。

覚悟を持って努力していれば、その努力は必ず報われる…。

独立を目指す診断士の仲間には、最初にお伝えしたい言葉です。

投稿日: 2024年7月22日 | 7:49 am

経営者のミッション

経営者のミッションはいくつかあるのですが、未だに勘違いをなさっている経営者がいらっしゃいます。

経営者のミッションはいくつかある…。恩師・坂本光司先生は、社長の5つの仕事とは、

1つは、会社の方向を明示すること

2つは、決断をすること

3つは、社員のモチベーションを高めること

4つは、先頭に立って社内で最も働く人であること

5つは、後継者を育てること…である。

と主張されています。主張を具現化して解釈することが重要なのですが、今回は「社員のモチベーションを高める」ということについて見解を書きます。

モチベーションを高めることを「給料を上げる」「賞与を弾む」などと勘違いされている経営者が、未だに多い。

社員がモチベーションを上げるのは、定量的報酬(給料や賞与)ではありません。

一時凌ぎでモチベーションが上がっても、それはやがて普通になり、さらに増額を要求してくるもの。

したがって、定性的報酬(公平な考課に基づく昇格や昇進)によるものが大きい。人間(特に日本人)は、恩を感じて、恩返しを美徳とする民族です。

「こんなに大切な仕事を任せてくれた、社長の期待に応えたい!」そう思われるような、振る舞いを経営者には求めたいですね。

人間的魅力を兼ね備えた人格者は、常に周囲(特にメンバーや社員)に対する感謝の気持ちを伝えます。

それこそ、彼ら彼女たちのモチベーションをマックスにする、経営者の器と呼ぶべきでしょう。

投稿日: 2024年6月3日 | 4:44 pm

経営コンサルタントとして大切なマインド

経営コンサルタント(中小企業診断士)にとって最も大切なスキルは何でしょうか。コンサルタントの究極のミッションは「クライアント企業を”元気”にすること」ですよね。

ここが会計系の士業(税理士や公認会計士)と中小企業診断士の大きな違いである…と、小生は考えています。彼らはどうしても、結果現象である業績について注力していきます。

売上がどうか?利益は出ているか?投資は健全か?…などなど。それも、大切なポイントであることには間違いはないのです。

しかし、経営コンサルタントである中小企業診断士は、クライアントが”いい会社”であるかどうか…に注目すべきです。

以前のメルマガにも書きましたが「業績がいいからといって”いい会社”とは限らない、”いい会社”だから業績がいいのだ」ということです。

クライアントを元気するために、必要なファクターは何でしょうか?

特別なノウハウでしょうか?

豊富な知識や経験でしょうか?どれも、一番大切なファクターではありません。

中小企業診断士にとって最も大切なファクターは、マインドにあります。

”明るさとポジティブシンキング、そして不屈(あきらめない)の思考力”であると言えます。

日々死活問題として、経営に向き合っている中小企業の経営者。尊敬すべき人たちに、向き合い対峙する時にノウハウや技術は二の次です。

「あんたといると何か元気が出てくるよ…」と言ってもらえる人格と人間的魅力が必要なのです。

投稿日: 2024年5月27日 | 8:52 am

幹部を育てる…幹部に任せる…

経営の趨勢は、幹部の育成にかかっている…。これは以前から、小職が提唱している主張です。中小企業の場合、社員数が10名を超えたあたりから、しっかりとした幹部を育てていく必要があります。

代表(社長)だけで、10人以上の社員をマネジメントしていくには、限界があります。

幹部を育てる?って…。外部講師に依頼して、研修でもするか…。安易に考えがちですが、これでは効果が薄い。まずは、経営者(社長)がしっかりと幹部の育成に向き合うことが重要です。

冒頭も書きましたが「経営参画」が有効。幹部に自ら考えさせ、自ら行動するような仕組みを導入するのです。

当然、覚悟が必要となります。「任せる」という行為は、必ずストレスが伴うもの。ただし、人間は「任せ」ないと成長しません。

ついつい口を出したくなりますが、ここは将来の事業の柱となる幹部を育てるという意識を強めて、任せてみましょう。

社長が口を出すとすれば「経営理念」に反する言動があったときです。それ以外は、しっかりと任せたほうがいい。

「下手に任せたら上手くいかないし、機会損失になる…」そう思ってるから、いつまで経っても理想の右腕左腕が育たないのです。

ここは企業繁栄の分水嶺です。信頼できる人財を幹部に育て、任せてみましょう。中長期的にみると、企業業績に大きく貢献すること間違いなしです。

投稿日: 2024年4月27日 | 4:48 pm

貸借対照表、損益計算書の本当の意味

3月が決算という企業は、割と多いような気がします。そこで、1年間の決算書から導いた申告書を、税務署に提出する義務があります。

決算書といえば、一般的に財務諸表を指します。

代表的な財務諸表は「貸借対照表(B/S)」と「損益計算書(P/L)」を指しますね。

現在では、キャッシュフロー計算書というものも重視され、より安全性を担保する経営が望まれている気がします。

さておき…。

経営者の皆様は、この二つの財務諸表の意義をご存知でしょうか?

損益計算書(P/L)…一定の会計期間における経営成績を表す計算書類。

貸借対照表(B/L)…一定期間における企業の財務状態を明らかにするために作成された書類。

一般的に認識されているのは、こんなところでしょう。小職の(勝手な)定義をお知らせしましょう。笑。

損益計算書…一定期間における企業の“定量的な”成績表。

貸借対照表…その時点での企業の“定量的な”健康状態を表す表。

お分かりのように、「定量的な」という文言を入れています。

物事には「定量的情報(数字で表される情報)」と「定性的情報(数字で表せられない情報)」があります。

経営を観察するとき、小職はむしろ「定性的情報」にこそ、スポットを当てなければならない…そう思っています。

定性的な情報の代表が、社員のモチベーションや外注先・取引先からの評判や評価。また、地域での評判。お客様満足度などということになります。

この定性的情報の向上に対して、継続して向き合った結果が、定量的情報ということになりますから。

過ぎ去った過去を表した「定量的情報」ではなく、今と未来に向けた努力を表す「定性的情報」にこそ、経営者は目を向けたいですね。

投稿日: 2024年3月22日 | 10:55 am

目標管理コンサルティングへの警鐘

人事考課制度は、ある一定の規模に会社が成長した時、是非とも取り入れたい制度です。

小職のメルマガでも、何度も主張しているところですが、社員数が10人を超えたあたりから導入の必要性は高まると考えています。

先日、クライアントの社長がこんな話をしてきました。

「知り合いのコンサルタントに、人事考課制度(評価制度と言ったようです)の参考になるようなものはないか聞いたら、“目標管理制度(MBO)”を出してきたんだよね。戸惑ったよ」(概略)

う〜ん。目標管理制度は、大手のコンサルティングファームを中心として一時期流行した制度です。

ところが、一向に定着しない。なぜか?

それは、人本経営(人財を大切にする経営)を基本とする中小企業経営には、そぐわないからであると小職は考えています。

基本的には、できるだけ高い目標を設定して、そこに向き合い、企業側(上司)が管理して達成を目指す…という手法(ドラッガーが最初に提唱したMBOとは、違う内容で普及しているのが残念ですが…)。

ここには、人財のモチベーションという発想が抜けています。

そもそも、目標って管理するものですか?

目標は、達成の愉しみを味わい、次に成長するためのマイルストーンであるべき。

人間は「できなかったことができるようになった」「目指していたものが、少しだけクリアできた」…という達成感でモチベーションを上げます。

最初から無理な目標を設定し、できるだけ肉薄するよう管理していくMBO(目標管理制度)は、中小企業経営には不向きであることを警鐘しておきます。

投稿日: 2024年1月29日 | 9:05 am

書籍戦略がもたらす効果と成果

先日のこと。運転中でしたが、携帯電話が鳴りました。スピーカに切り替え、表示を見ると全く知らない電話番号が…。

いつもの営業電話か…そんなことを考えつつ、電話を取りました。

「○○市にある、○○株式会社を経営しているものですが…。貴方の書籍を読みました。とても感銘を受けています。つきましては、ぜひ相談したいことがある。よかったら、お時間を頂戴できませんか?」(概略)

と、このような内容での問い合わせ電話でした。

新しいご縁というものは、プロコンにとって、とても喜ばしいものです。

早速、訪問面談のアポイントを取り付けました。

ブログにしろ、メルマガにしろ、ホームページにしろ、情報発信は中小企業診断士(経営コンサルタント)にとってマスト戦略と心得ています。

経営に関する考え方は、プロコンの間でも千差万別。実に多様です。その中で、自らの価値観に合う経営者と出会い、伴走型で支援していくためにも、執筆による情報発信が必須でしょう。

特に推奨するのが、書籍の出版戦略です。

現在は、インターネットを活用した電子書籍出版もあります。それだけで、プロコンとしての価値が数倍にも上がるはず。

ちなみに小職は、出版社を通じた商業出版で『選ばれる会社になる!ブランディング経営』(あさ出版)を出しました。

また、AmazonKDPという印刷出版方式を使って、小説『彼方なる南十字星』を出しています。

この2冊は、本当に自信になりましたし、自らのコンサルティング・ブランドを高めることができたと自負しています。

「文章を書く」ということは、中小企業診断士にとってマストスキルと心得て、日々研鑽していきましょう。

「とにかく書く。書いて発信する」これしかスキルアップの方法はありません。

投稿日: 2023年12月12日 | 11:52 pm

商品開発は現場を巻き込んで実行すべし!

ブランディング経営を実行していくにあたり、もっとも機会(チャンス)を創出できる戦略として、「新商品(サービス)開発戦略」があります。

この戦略は、とても重要かつ有益な経営イノベーション(革新的)戦略として、小職は以前から推奨しているものです。ただし…。決して簡単な戦略ではありません。

「魂のこもった商品(サービス)」というのは、価値の塊であり、容易に開発・軌道化できるものではないのです。

とても手間暇かかりますし、面倒です。覚悟も必要です。じっくりと取り組まないと即結果が出るものでもありません。なぜなら、商品開発こそ「現場(最前線にいるスタッフ)」を巻き込んで行うべき戦略だからです。

大企業は違います。「商品開発部」が機能しますから。

中小企業は、価値経営です。価値を創造していくためには、叡智(優れた知恵)が重要。知恵を出すのは、人財以外にありません。

中小企業の商品開発は、現場を知るスタッフにしっかりと参画してもらい、知恵を出し合いながら進めていきましょう。よくあるパターンですが、現場が望まない(あるいは望めない)ような商品が開発され、結果として業績に繋がらないパターン。

経営者が独断で商品開発を実行するときに、よく現れる現象です。

いつの時代でも、「答えは現場にある」のですから、三現主義(現場、現物、現時)に基づいた商品開発が求められるのです。

投稿日: 2023年11月11日 | 8:36 am

ブランディングのコア・ファクター(核となる要素)

相変わらず、書店に並ぶ「見せ方」や「伝え方」に特化した、ブランディング・テクニックの書籍たち…。

自らのコンサルティング感性を磨くために、眺め読みはしますが、購入までには至りません。デザイニングに代表される「見せ方」やコピーライティングに代表される「伝え方」。

これらの要素で完結するほど、中小企業のブランディング経営は甘いものではありません。

ブランディング経営のコアファクター(要素)は、「品質(クオリティ)」であること。

これを認識することが重要です。

 

デザイナーやコピーライターが「ブランディングに成功!」などと言うことがあれば(これ自体を否定はしていませんよ…念のため)、それは本物の価値創造局面から携わったときに限られます。

できあがった価値を「美しく見せ」「刺さるように伝える」こと。

これがプロのデザイナー、プロのコピーライターのミッションです。

 

ブランディングのコアファクター(品質)を創造し、磨きあること…。これは中小企業自らの役割である…。このように認識しましょう。

そのためには、中期的(3年以内)なプランを立てて、しっかりと取り組むこと。

品質が伴わないブランディングは、お客様からすぐに見透かされ、チャンスがたちまちリスクに変わってしまいます。

ひいては、「客離れ」というもっとも恐ろしい結果を招きかねないのです。

投稿日: 2023年10月28日 | 7:26 am