『炎の人事考課制度』のメカニズムー1

最近特に、人事考課制度(評価制度)に関する相談事が増えてきました。本ブログで再三にわたり主張していますが、本来、人事考課制度などというものは存在しないほうがいい…。僕はそう考えています。

しかし、人間は「承認欲求」と「自己実現欲求」を併せ持つ動物です。承認…つまり、周りから認められた時に大きな喜びを感じるし、自己実現…何かを成し遂げた時に、高揚感を覚えるものです。

中小企業経営における最大で唯一の経営資源「ヒト=人財」。その人財を育て、活躍してもらう環境を整えるための、ひとつのツールとして、人事考課制度が必要だと考えています。

人事考課制度に関する相談事は、大きくふたつに分かれます。

ひとつは。そもそも人事考課制度そのものがないから、制度を創りたい。もうひとつが、今までの制度が使えない…あるいは、自社の実態と合わない。そのため、もう一度創り直したい…。という相談です。

人事考課制度の失敗あるある…。そのひとつに、人事コンサル会社に丸投げして制度を作ってもらうこと。これは絶対にやめたほうがいい。魂や志がこもっていない制度は、早晩使われなくなるのです。何百万円もかけて創ってもらった制度が、全く使えないものならば悲劇です。

ですので、人事考課制度を作る場合は、社内プロジェクトチームを編成して策定していきましょう。その際、中小企業診断士などの専門家を入れたほうがベターです。社会保険労務士もいい。ですが、専門家のセレクトに関してはしっかりと吟味しましょう。

 

投稿日: 2023年5月22日 | 6:10 am

安けりゃいいってものじゃない!

中小企業経営にとって大きな課題のひとつに、価格戦略というものがあります。価格というのは厄介なファクターであり、その会社でも頭を悩ませる課題です。安売りをしてしまうと、売上は上がっていきます。低価格設定(安さ)を追求してしまうと、もっとも重要な「売上総利益(粗利)」に多大な影響を与え、スカスカな(中身のない)財務状況を招いてしまうのです。

中小企業経営の最大のタブーは、価格競争である…。このことは再三主張しているのですが、まだまだ浸透していないし、”安くなけりゃ売れない”という妄想を抱いている経営者も少なくない。

中小企業経営は、価格で勝負するのでなく、価値で勝負すべきです。お客様が本当に欲しいと思うような商品を創り出し(仕入れ)、ブラッシュアップして価値を上げて提供する…。すると、価格競争に巻き込まれて困窮することはありません。

そして、消費者(ターゲット層)は、思ったより安さを求めていることはないのです。「安かろう悪かろう」は、顧客満足度を著しく下げて、リピートを実現できません。

いつの時代も、顧客戦略というのは重要であり、顧客はリピーターのことです。リピーターは、御社の本当の価値を認めてくれる人たちです。

弛まぬ企業努力によってブランディングを推進して行き、価値を高めていけば、顧客がついてきます。その顧客を徹底的に大切にしていきましょう。

安けりゃいいってものじゃないんだよ…。って思いますよね。

投稿日: 2023年5月15日 | 8:10 am

コンサルティングは具体的現実助言である…。

経営コンサルティングの基本的方向性は、「個別具体的な経営課題を、個別具体的な手法で、個別具体的に解決すること」です。ですから、助言(アドバイス)は個別具体的でなければなりません。

稼げない、収入を上げることができない経営コンサルタント(中小企業診断士)のコンサルティング内容を時々目にすることがあります。彼らの助言は実に抽象的で現実性に欠ける…。とても残念なことです。

また、彼らのコンサルティングは「クライアント任せ」の内容が多い。

例えば、小売店の顧客囲い込み戦略を議論していた時のこと。ある診断士が「Tポイントカードを導入しましょう。もっとも有名で使われているポイントカードです。次回までに調べといてくださいね。」これでは、クライアントの心には刺さりません。

これは拙いと思い、小職が失礼ながら助言し直しました。

「Tポイントカードでなく、自社独自のポイントカードを作りましょう。アナログでいいのです。1000円お買い上げごとにポイントをつけます。20000円分貯まったら500円のクーポンとして活用してもらいましょう。次回、いいデザイン素案を一緒に考えませんか?」

経営コンサルタントの助言は、このように具体的・現実的でなければならない。こうでないと、お金の取れる経営コンサルティングは成立しないのです。

このクライアントは、独自のポイントカードを制作して現在でも活用中です。

「個別具体的な経営課題を、個別具体的な手法で、個別具体的に解決する…」とはこういうことを言うのです。

投稿日: 2023年5月10日 | 8:00 am

コンサルティングは化学反応である…。

経営コンサルティングとは何ぞや?…。この質問に的確答えられる「経営コンサルタント」はどれくらいいるでしょうか?意外と難しい質問だと思います。同業者(中小企業診断士)向けのセミナーなどで登壇し、この質問を投げかけても、的確な答えは返って来ないのが実状です。

経営コンサルタントが、「経営コンサルティングってどんな仕事ですか?」という質問に答えられないとは…。なかなか恥ずかしい話だと思いませんか?

消去法でいくと…

経営コンサルティングとは、補助金・助成金の申請書策定代行ではありません。

経営コンサルティングとは、経営改善計画書策定のプロでもありません。

経営コンサルティングとは、調査業務を請け負い、報告書を策定・提出することでもありません。

これからは全て、補助的補完業務として”ごく一部”の仕事なのです。

表題にあるように、経営コンサルティングとは「化学反応」であることに間違いはありません。

化学反応ですから、劇的な変化(もちろん良い方向に向けた)を実現することです。もっと言うならば、「価値と価値を掛け合わせて、新しい価値を創る」こと…。これを経営局面で実現すること。これを経営コンサルティングと呼びます。

ところが実状を見ると、先ほど羅列した補助的補完業務に特化している経営コンサルタント(中小企業診断士)が多すぎる。

イノベーション(革新)を起こせずに、困っている中小企業は無限にあります。もっと我々が現場に入り込み、革新施策立案・実行支援をしなければ…。そう思うこの頃です。

投稿日: 2023年5月8日 | 8:30 am

コンサルティングは投資である…。

経営コンサルティングというサービスの深さを、最近特に考えるようになりました。きっかけは、他県(佐賀県以外)の診断士仲間が増え、交流ができ、共に繁栄していくための活動をしていきたい…そんな想いに駆られているからです。

中小企業診断士の価値を上げる!国家資格ホルダーとして、他の士業よりももっと「面白く」「喜ばれ」「稼げる」仕事として認知されるため尽力していく覚悟です。

さておき、僕は経営コンサルティングを「投資」だと認識しています。勘定科目でいうと、コンサルティング支援料金は「販管費」に計上されるでしょう。しかしながら、その真意を考えると「未来型経費=投資」として位置付ける必要があります。

未来型経費は「研究開発費」「教育費」「広告宣伝費」そして「人件費」などを指します。

過去型経費の「地代家賃」「水道光熱費」「接待交際費」などとは根本的に違う考え方なのです。

経営コンサルティングを「投資」だと認識した場合、プロコンであるならば「費用対効果」を意識するする必要があります。時々「業績責任を負います」などというコンサルタントがいますが、そんな輩は怪しい。

経営コンサルタントのもたらす効果はひとつ…「いい会社へのイノベーション(革新)」です。いい会社に変貌したら(近づいたら)、結果的に業績は上がっていくからです。

僕は経営コンサルティング契約をする際、「業績責任は負いません。ただし、いい会社になる(近づく)責任は負います。いい会社になれば、結果的に業績は上がりますよ」と言っています。その共感と宣言こそが、自らへのプレッシャーとなり、そのプレッシャーは心地いいほどの充実感となっていくのです。

投稿日: 2023年4月27日 | 5:59 am

コンサルティングはビジネスである…。

経営コンサルティングは、目に見えないサービス業です。目に見えない分、その価値が伝わりにくい…そんな宿命にあります。経営者の中には、経営コンサルタントからの得られる情報は「見えないからタダ」とか「利用してナンボ」とかいう、失礼極まりない認識をなさっている方もおられます。これは非常に困ったものです。

しかしながら、このような責任論は「困った経営者」に帰属するものではありません。我々、プロコン側にその責任があると思っています。つまり、自らの経営コンサルティングスキルを「安売り」し、安価または無料で奉仕せざるをえない状況をつくっていること…。このようなプロコンが非常に多いためです。

ブログやメルマガで再三主張していることですが、経営コンサルタントの仕事は「喜ばれ」「愉しく」そして「稼げる」仕事です。特に国家資格を持っている中小企業診断士なら、なおさら…です。

中小企業診断士の中には、絶対的に不足しているスキルは「営業力だ!」と主張する方もおられます。それはそれで課題でしょう。しかし、本質はそこではありません。その方に「具体的に言うと、中小企業診断士の営業力とは何ですか?」と尋ねてみてください。

おそらく、「トーク力」とか「顧客開拓力」とは抽象的で曖昧な答えが返ってきますよ。

僕が提唱する、経営コンサルタントの営業力はひとつ「クライアントとの接点開発力」です。つまり、見込みクライアントとの接点をどれだけ創出できるか?が課題なのです。

自らのコンサルティング・クオリティを磨き上げ、クライアント見込み先をどれだけ接点開発できるか…。

まだまだ稼げていないないな…と振り返る同志には、是非とも深考していただきたい課題です。

投稿日: 2023年4月26日 | 5:44 am

将来(これから)の人財育成プラン

最近特に社会を賑わせている、対話型AI「ChatGPT」。もう試しましたか?初めて世に出てから半年も経たないうちに、そのスペックはバージョンアップしました。最新版は「4.0」で、そのスペックは初期型の500倍という情報量・精度の高さを誇ります。

当然ながら有料版。僕もインストールしました。月額20$(2600円〜2700円)ほどの投資です。

すごい!のひとこと。スピードや品質…格段に上がっています。

このような人工知能(AI)の発展は、さまざまな規制も叫ばれていますが、進化を止めることはできないでしょう。

ではどうするか?

特に人本経営を理想とする中小企業経営において、人財育成(教育)プランのイノベーションが重要となります。

従来型の研修内容では、AIに太刀打ちできません。これまでの研修は完全に「問題解決型」でした。

これからは、経営上の問題解決はAIが答えを出してくれる時代です。では、試されるのは「課題設定」「解決実行力」です。

また、集合研修のような汎用の高い研修は価値が薄れます。これからの社員育成システムは…。

① 課題設定型、課題構築型研修…自ら課題を見つけ出し、課題解決のための方策を立案できるスキルを磨く。

② 解決行動力醸成型研修…行動計画を立案し、PDCAを実直に回していくスキルを磨く。

③ 対人対話・共感・チーム力構築型研修…人を大切にし、人を敬い、チーム力を構築・発揮できるスキルを磨く。

このようなタイプの人財育成の仕組みを、自社オリジナルで構築・創出していきましょう。

会社も個人も、個性が重視される時代。AIの発達によって、それがますます加速していくでしょう。

投稿日: 2023年4月24日 | 5:23 am

ブランディング経営の本質ー8「ブランディング経営の果実」

僕がこのブログやメルマガで提唱している「ブランディング経営」。

ブランディング経営は、中小企業にとって絶対に必要な戦略であり、その実践によって得られる「果実」は、人財が育ち且つ。価値の高い商品が生まれることです。

なぜブランディング経営が中小企業にとって絶対に必要なのでしょうか。

それは、中小企業が大企業と競争する上で、ブランディング経営が持つ独自性や差別化が強力な武器となるからです。

大企業が価格や規模で圧倒する中、中小企業が生き残るためには、顧客にとって魅力的なブランド価値を持つことが不可欠です。ブランディング経営を通じて、中小企業は自社の強みや特色を最大限に活かし、顧客心理に訴えかけることができます。

ブランディング経営がもたらす「果実」について見ていきましょう。ブランディング経営がうまく機能すると、人材と商品という2つの経営資源の価値が同時に高まります。

魅力的なブランドを持つ企業は、自然と優秀な人材を引き寄せる効果があります。ブランドが評価されることで、メンバー(社員)も誇りを持ち、意欲的に働くことができる環境が整います。また、社員自身がブランド価値の向上に貢献できることを意識することで、スキルの向上や知識の習得に励むことになり、結果的に人財が育ちます。

一方、商品に関しては、ブランディング経営を実践することで、顧客に認められた価値の高い商品が生まれることが期待できます。また、ブランド価値が高まることで、商品に対する顧客の信頼や満足感も向上し、プレミアムな価格設定が可能になることもあります。これにより、企業の収益性が向上し、さらなる成長へとつながります。

このように、ブランディング経営は中小企業にとって絶対に必要な戦略であり、その果実として人材の育成と価値の高い商品の創出が期待できるのです。ブランディング経営を実践することで、企業は持続的な成長を実現し、競争力のある市場での存在感を高めることができます。

 

投稿日: 2023年4月20日 | 5:43 am

始めることは易し…。

何事もそうですが、物事を始めるという行為は簡単です。中小企業診断士として活動していると、このことにつくづく気付かされます。例えば、中小企業診断士の中にも「思う様な活動ができていない」と思う方々がいます。誠に不本意ですが、「補助金の申請代行」や「協会からの受託業務」に紐づいた業務ばかりしている診断士…。

中小企業診断士の本分は、「クライアントに寄り添って、新しい価値を創造する」ことです。その本分を達成しようとすれば、自分でご縁を開拓したクライアントに顧問として入り込み、次々と立ち塞がる経営課題を解決することが重要になります。

クライアントに個別契約を実現するならば、自らのコンサルティング・マインドとコンサルティングUSPを情報発信していく必要があります。

思った様に稼げないという診断士に限って、ブログやSNSなどを使った情報発信を怠っている傾向が見られるのです。

何事も「始めるは易し、続けるのは難し」ということでしょう。診断士のホームページを見ると、ブログ投稿が2年以上も止まっているのを見ます。まだ見ぬクライアントが、そのような診断士にお仕事を依頼するでしょうか?

診断士は、クライアントに「自分でやっていないこと、やれないことを」を助言することはできません。まずは、自分が試して継続し、結果を残してこそ信頼を得ることができます。

継続は力なり…子供の頃に習ったこの名言は、大人になってからこそ価値があるな…そんなことを考えた1日でした。

投稿日: 2023年4月19日 | 5:04 am

友との語らい…時間を忘れるひととき

先日金曜日。同志でもあり、仲間でもある診断士・山根くんとその友人、濱本さんと語らうひとときがありました。兵庫県西宮市から、毎月佐賀のクライアントに来ている山根くん。彼は僕がリスペクトする数少ない診断士のひとり。

彼の一本木でブレない熱意。毎日欠かさずブログを執筆し、アップさせる継続力。経営コンサルタントとしてのスキル、マインドもさることながら、選ばれる人気ぶりは尊敬に値します。

ポジティブで建設的思考の持ち主との会話。これは、自分にとっても刺激になりますし、参考にもなる。また小職よりも10歳若いというアドバンテージ。ライバルというのは、彼の様な存在を言うのです。

一次会から二次会にかけての、飲みながらの語らいはあっという間の2時間でした。

一次会は、山根くんが佐賀ですっかり常連になった焼肉屋さん。ここは、ネットで1か5の評価をつけられる、徹底してこだわったお店。その品質はさすがの一言。

マスターの肉に対するこだわりと、やき方のレクチャー。本当に手入れされて出された美味しい肉というのは、甘くてジューシー、そしてヘルシーです。

二次会は駅前のジンギスカン焼肉を囲んで、閉店間際まで語らいました。いや〜本当に愉しかった。

引き寄せの法則…。この仕事をしていると、そんな法則が存在していると思うことがよくあります。類は友を呼ぶ…これはきっと真理なのでしょう。

山根くんも小職も、新しい事業を考案中。良きライバルは自分を高めてくれますね。山根くん、ありがとう。

投稿日: 2023年4月17日 | 5:45 am