【人間的魅力あふれる診断士像】〜AI時代を生き残る唯一の条件〜

最近、診断士仲間との会話でこんな言葉を聞きました。

「もう書類作成だけのコンサルタントは、AIに全部持っていかれるよな…」

まさにその通りだと思います。いや、それ以前に、AIに淘汰されていく診断士像がすでにハッキリしています。

それは――
①クライアントに寄り添えない診断士。
②補助金や書類策定に特化してるだけの診断士。
③現場に足を運ばない診断士。
④オンラインに依存しすぎる診断士。
⑤そして、話せない・プレゼンできない診断士。

これらすべて、AIの“餌食”です。

いま求められているのは、人間味あふれる中小企業診断士。AIでは提供できない“感情”と“共感”を武器にした、プロフェッショナルです。

中小企業の経営は、数字だけでは語れません。
経営者の葛藤、社員の悩み、現場の空気…。それらすべてを五感で受け止め、経営の道筋を共に描いていく――そんな診断士こそ、これからの時代に価値を発揮します。

経営は人の営みです。ヒトの声に耳を傾け、ヒトの想いに寄り添い、ヒトの未来を応援できる存在こそが、真の経営コンサルタントではないでしょうか。

「寄り添う力」「話す力」「現場に立つ力」――それらを磨き続けることが、AIに奪われない、唯一の“診断士力”だと僕は確信しています。

資格を持っているだけでは、通用しない時代。
人間的魅力こそが、最大の武器となる時代です。

あなたは「どんな診断士で在りたい」と思いますか?

投稿日: 2025年6月6日 | 11:33 pm

緊急提言! 『生成AI時代の中小企業診断士像を考える』―1

Chat GPTに代表される生成A Iの発達は止まることを知らず…。

この先、中小企業診断士(経営コンサルタント)としての仕事を、今一度見直し、進むべき方向性を決める時だと思う今日この頃です。

仲間の診断士からもときどき…「この先、我々の立ち位置はどうなるのでしょう?」などという相談を受けます。

生成AIがいくら発展しても、数ある士業の中でも中小企業診断士は残る…。

そんなことが言われた時もありました。実際に、生き残りやすい士業であることは間違いないと思います。

しかし、それは条件付きです。

最近は「AIエージェント」が自動的に動き、必要なタスクを実行する…という動きも出ています。

そんな中…我々中小企業診断士(経営コンサルタント)もパラダイムシフトをし、行動を根本的に変えなければ生き残れない。

今回は、生き残りが難しくなる診断士像と題して、その筆頭に挙げられるモデルを考察します。

「オンライン依存型コンサルタント(中小企業診断士)」

中小企業診断士の生命線は、現場確認にあります。常に経営現場に“足を運び”、発生している現象を確認。その真の原因を仮説立てする…。

ここから全てが始める訳です。

したがって、現場に赴かず事実確認(もどき)をするような横着コンサルタントは、たちまちAIの餌食でしょう。

何よりも「裏付け」が薄くなるのです。

確たる裏付けがなく、仮説立てして、その解決策を提案し実行したとしましょう。

その際のリスクたるや、本当に怖い。財務体力に乏しい中小企業にとっては、死活問題となりかねません。

国家資格ホルダーである我々(中小企業診断士)は、その気概と誇りをもって“地を這うような現場型”コンサルティングを遺憾なく提供しましょう。

そこは、まだまだA Iが立ち入れない領域。

地を這うようなコンサルティングを展開していくためには、中小企業診断士の人間力(人格力)が決定だとなるでしょう。

いくらスキルが高くても、いくら高学歴でも、いくらクリエイトスキルが高くても、熱意に裏付けされた人間の持つ魅力には敵わない。

なぜなら、人間力こそ双方向コミュニケーションの源泉であり、信用・信頼獲得の核となる部分だからです。

コンサルティングは信用・信頼が大前提。そのうえに成立するもの。

したがって、三現(現場・現物・現時)主義に基づいた、泥臭いコンサルティング実行スキルが、今後の活躍を左右すると言っても過言ではないのです。

投稿日: 2025年5月12日 | 7:36 am

研究開発部門を設置・運用する

中小零細企業が大企業と渡り合っていくためには、オンリーワン戦略が不可欠であることに間違いはありません。

オンリーワンの社風、オンリーワンの人財…。オンリーワンの商品、ノウハウ。徹底的にオリジナリティにこだわっていきましょう。

資金に制限のある中小零細企業にあるのは、「知恵」(叡智)です。徹底的に知恵を絞り、施策をトライアンドエラーでしていく。これしか発展の道はない。

躍進して発展し、大企業へと成長した優良企業は、徹底的にオリジナルにこだわってきた証左なのです。

では、どのようにオリジナリティにこだわり、創出すればいいでしょうか?

ひとつの方策として、研究開発部門の設置があります。

「うちの会社は少数だから、そのような部門設置はできない…」

そんな声が聞こえてきそうですね…。笑

部門というから大袈裟かもしれません。つまりは、研究開発への取り組みを発動し継続する…ということです。

これは少数でもできる。

「うちはメーカーでもない。卸、小売企業だから、研究開発などピンとこない…」

それもナンセンス。PB商品の研究や開発は、販社でもできますよ。

サービス業もしかり。サービス業が、形になるPB商品を開発した事例は、枚挙にいとまがありません。

研究開発ができない業種業態など、ありえないのです。

要は本気でオリジナリティを追求するかどうか?向き合えるかどうか?それだけが問われるのです。

投稿日: 2025年4月22日 | 11:06 pm

消極戦略vs積極戦略

中小企業における消極戦略とは、「コスト削減」「投資抑制」「低価格政策」…などが特徴でしょう。

外部環境が、インフレに振っている今日。この消極戦略は、早晩持たなくなると予言します。

コスト削減は、絶対に無理。原材料をはじめとした物価高は、中小企業の固定費を直撃しています。

投資抑制は、企業の体力を削いでいくでしょう。結果として、明るい未来を描けなくなります。

最大の投資は人件費です。今こそ、人件費を上げるための施策を講じましょう。

低価格政策は、もっとも愚策といえます。

低価格、全方位的品揃え、浮動客志向は、大企業の戦略です。

中小企業が低価格政策を取ると、最初は売れるかもしれませんが、時間の経過とともに敗戦色が深まります。

これまた未来が描けなくなります。

昨今の経済状況にこそ「積極戦略」を取るべきです。

具体的には「投資型経営」「高付加価値政策」です。最低賃金をはじめとした、人件費UPが必定な昨今。人件費を上げるための各種施策を実施する覚悟が重要です。

人件費は、最大の未来型経費(投資)です。

中小企業経営は人本経営であるが故、高い給料を払う企業として業界を席巻するくらいの覚悟を持ちたいものです。

高付加価値経営は、まさにブランディング。

我々中小企業診断士(経営コンサルタント)は、安易な低価格戦略やコスト削減による利益確保…を推奨提案してはいけません。

我々が担うのは、あくまでも中小企業体質強化。

それは、積極戦略による価値向上を推奨し、高付加価値経営を実現することです。企業は永続発展こそ真価なのですから。

投稿日: 2025年4月9日 | 8:43 am

協力企業(パートナー企業)の存在価値

中小企業経営は、支えられる経営です。さまざまな関係者、関係事業者に支えられること…。企業繁栄の秘訣です。

支えられる経営をしていると、人が集ってきます。協力企業(外注先、仕入れ先)が協力してくれます。

それだけ、協力会社の存在はありがたい。協力会社は、社外社員として接しましょう。

そして心から大切にしていただきたい。

協力会社と対等で有効な関係性を築いていれば、自社のことを口コミで宣伝してくれます。

つまり敵ができないのです。

関わる全ての人たちが幸せになる経営。とりわけ、自社社員とその家族の幸せを追求していく経営を実践する会社が繁栄していきます。

何度も言います。中小企業経営は「支えられる経営」です。協力会社に対する、納期圧力、価格圧力…。絶対にタブーです。

もっというと、正しい経営をしている協力会社と付き合っていったほうがいい。

この会社は「安いから」とか「わがまま聞いてくれるから」とか…。損得勘定でお付き合いしないこと。

我が社の理念に共感し、優良有益な提案をしてくれるか?

そのような基準で、協力会社との関係性を築いていきましょう。

投稿日: 2025年2月22日 | 10:13 pm

中小企業診断士として事業承継問題に真っ向から立ち向かう!

小職のクライアント経営者とランチの時に、彼が言った発言。

「事業承継問題っていうけど。これって結局は、儲かっていない会社がものすごく多い…っていうことですよね」

この発言は、真理だと思っています。小職もメルマガやブログで、この問題について発言していますが、まったく共感できます。

彼の発言は続きます。

「しっかりと利益を出し、儲かっているような会社であれば、ご子息であれ親族であれ、社員であれ、継承する者が現れるのではないかと思うんです」

その通り…なのです。

事業承継問題というと、あたかも承継する経営者の絶対数が不足しているような感覚があります。

しかし、利益を出している企業ならば、その経営そのものに魅力を感じて承継するものでしょう。

M&Aは、その後の話…です。そして利益が出ている企業ならば、買い手もあまた…だと思うのです。

「事業承継問題に立ち向かう…」それを謳い文句にM&Aを推奨している企業が目立ちます。CMなどを見るたびに、違和感しか覚えません。

全く共感できないのです。

中小企業診断士として、事業承継問題にしっかりと立ち向かうならば…。

10年という長期期間で「収益モデルの改善」と「ご子息・親族・社員承継の移行・体制づくり」を併せた具体的戦略計画を立案・実行支援する。

これがミッションでしょう。

経営は生き物。右から左に簡単に売買するようなモノではないのですから。

投稿日: 2025年2月9日 | 2:07 pm

中小企業診断士の言霊力

中小企業診断士(経営コンサルタント)の仕事において、絶対的に不可欠なのが「クライアントとの言語によるコミュニケーション」です。

特に小職が重視しているのが、フェイストゥフェイスの言語コミュニケーションです。

したがって「傾聴(ヒアリング)」「質問」「言葉遣い」「声のトーン」そして「言葉そのもの」には特に気をつけています。

また、その場の空気感も気を配ります。

コンサルタントは、空気を読めないと務まりません。

経営者とコミュニケーションを取るとき、言葉そのものは気をつけなければいけません。

経営者の元気を削ぐような発言は、絶対に御法度です。

またこんなことを言うと…「じゃあ、厳しい苦言提言などできないんじゃ…」と思う人がいます。笑

説明しましょう。

中小企業診断士(経営コンサルタント)は、究極のところ「クライアント(とその経営者)を元気にすること」がミッションなのです。

ネガティブ思考の診断士が、そのミッションにしっかりと向き合うことができますか?

絶対にできません。

まさに言霊…。

「いいですね!」「すばらしい!」「たしかにそのとおり!」「きっと大丈夫!」「任せてください!」…。

そのような言葉を明確に発する中小企業診断士が、クライアントから支持されるのは言うまでもありません。

投稿日: 2025年2月3日 | 11:36 am

評論家と化した中小企業診断士

「人件費が高いですね。削減しましょう」「販管費の中で無駄遣いがありませんか?今一度調べて削減を検討しましょう」

このような助言は実際、中小企業診断士にも多い内容ではないでしょうか…?

中小企業診断士は、評論家ではありません。そして、中小企業経営において、販管費で無駄遣いしている現象はほとんどありません。

すべて、評論家と化した中小企業診断士(経営コンサルタント)に散見される助言内容です。

有能な経営者であればあるほど、このような評論家型アドバイスのチープさを一瞬で見抜くものです。

「中小企業診断士の伴走型支援なんてそんなものか…」そんな声が聞こえてきそうですね。

コロナ禍の頃…。小職のクライアントに対してオンラインで助言。

現場で事実確認をせずに、「アンゾフの成長マトリクスによると…」などとフレームワークを持ち出し、立案戦略を否定した診断士がいました。

そのような評論型中小企業診断士は、襟を正した方がいい。現場に行かずに、何の事実が確認できますか?

中小企業診断士は、徹底した一次情報に基づく事実確認により、将来の価値を創る戦略を立案する専門家です。

フレームワークは使いこなすことが大切ですが、依存するのはやめましょう。それこそ評論家型診断士になりかねません。

投稿日: 2024年12月22日 | 4:19 pm

経営者の器を考える…

経営者はしっかりとした信念と、ブレない価値観が大切です。しかし、中には他人(経営コンサルタントなど)の助言に、思い切り左右されて考えがブレまくる経営者がいらっしゃいます。

先日も、そのような経営者にお会いしました。

とてもよく勉強されていますし、ビジネス書もとことんお読みになられています。それは感心するほどでした。

ところが、よくよく話を聞いていくと、社長の言葉に一貫性が見られないことが分かってきました。

つまり、ブレるのです。信念が感じられないのです。その後、社員面談に移りましたが、社員から聞かれる「経営者への不信感と不満」…。

そのほとんどが、信念や価値観がブレることによる振り回され現象。俗に言う「ちゃぶ台返し」です。

そのような企業に属すると、疲弊感と不満感ばかりが蓄積され、モチベーションなど皆無に等しくなります。

ブレまくる経営者の特徴をまとめてみました。

損得勘定である。何より業績至上主義。日々の売上にばかり気が向き、一喜一憂。感情の起伏も業績に左右される。

飽きっぽい。商品にも飽きるのが早いし、戦略も長続きしない。挙げ句の果ては、人財にも飽きてしまう。結果、優秀な人財が定着しない。

他責思考である。お金で人を操ろうとする。などなど…。

経営者の皆様。もし、友人の経営者にそのような方がいらっしゃれば、そっと助言してあげてください。

「周囲に支えられる“いい会社”になること」。それは経営者の器が左右するのだよ…と。

投稿日: 2024年10月13日 | 3:56 pm

中小企業診断士の本懐

数ある国家資格士業の中でも、とても特徴的なのが中小企業診断士といえるでしょう。よく、弁護士はジョーカー的資格であり、何にでもなれる…と言われます。

が、中小企業診断士は登録することができません。

つまり、弁護士の先生でも、中小企業診断士登録のためには第一次試験を突破しなければならないのです。かといって、よく言われるのは「足の裏のご飯粒のような資格」ということ。

つまり、食えないという意味。

あえて反論しますが、「中小企業診断士は立派に食えるし、喜ばれるし、愉しい資格」ということ。

問題は…。

資格を取れば、食っていけると考えている診断士があまりにも多い。

県協会に所属していれば、仕事がもらえると勘違いしている診断士があまりにも多い。

補助金申請書代行事業(これも大事ですが)に依存している診断士があまりにも多い。

手間ひまかけてクライアントと伴走する!そう覚悟していない診断士があまりにも多い。

などなどの理由で、稼げない診断士が多いということでしょう。

診断士として独立開業し、間もない時期ならば、まだ理解できます。正直、小職もそうでしたから…。

独立して間もない頃…3年間は、それこそ必死で足掻きました。

何に?クライアント様との接点開発に…です。

これは持論ですが、接点開発は他人や協会に委ねるものではありません。そうすると、望まないクライアントとの縁が、無理矢理つくられることになります。

中小企業診断士は、クライアントを選ぶべきです。

価値観が合う社長、志の高い社長、社員を心から大切にする社長…、自責型の社長…。

そして「是非この会社を支援したい!」と心から思えるご縁があった時。

中小企業診断士としての価値がマックスになるでしょう。

それが、中小企業診断士への本懐だと信じています。

投稿日: 2024年9月2日 | 11:56 pm

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