頭の中にSWOT分析表を…。

たまには、同志(中小企業診断士や志高き経営コンサルタント)に対するアドバイスを…。経営の現場を調査したり、診断する機会があります。その際、いつも頭の中にSWOT分析のシートを思い浮かべましょう。

SWOTは、ついつい強み(S)、弱み(W)からスタートしがちですが、注意しましょう。間違いです。人間の性格もそうですが、長所と短所は表裏一体なところがあります。

最初に分析すべきは、機会(O)です、我が社の事業にとって追い風となっている状況、情勢は何か?を考察します。その機会にとって、内部要因がマッチしていれば「強み」になりますし、ミスマッチであれば「弱み」にすぎません。

一般的に「機会」に「強み」をぶつけるオペレーションが「積極戦略」と呼ばれるもので、優先順位が圧倒的に高い。すぐにでも仕掛けたいところです。

プロのコンサルタントは、各種分析ブレームワークを頭の中に常時描いているか?が問われる仕事です。そのためには、日頃のくれんが大切。遊びに出かけた時でも、さまざまな局面でSWOT分析してみましょう。

立案した積極戦略は、即経営者に提案してみてください。注意しなければならないのは、総論でなく各論で立案すること。

また、実現可能性の高い戦略でないと、絵に描いた餅になります。絵に描いた餅は、経営者に見透かされます。より、具体的で実現可能な積極戦略を自信を持って提案してみてください。

戦略実行の際に、中小企業診断士のサポートが必要な場合が多く、それが仕事のタネになります。

投稿日: 2021年7月8日 | 5:38 am

中小企業の経営者像【社員を家族と思えるか?】

中小企業経営者の中には、社員のモチベーションを挫くのが当たり前と思っているのではないか?と疑ってしまう方もおられます。よく、業績重視型思考の経営者に見られます。

業績というのは、結果現象にしかすぎない。大事なのは、プロセスです。業績重視型思考の経営者にあるのが、「仕事は結果が全て」という妙な価値観です。

断言しますが、結果だけで判断されるのは「経営者」だけですよ。あえていうなら、役員(取締役)までです。社員が結果ばかり問われては、たまったものではありません。

話を戻しますが、社員は経営者(トップ)の言葉に、非常にビビットに反応するものです。社員を貶すような言い方は、モチベーションを著しく低下させます。

経営者の皆さん。我が社の社員を「家族(同然)」と思っていますか?家族なら、やる気を出すような助言やアドバイスをします。これが家族です。

いい経営者と、よろしくない経営者の最初の違いはそこにあります。

我が社の社員を、家族同然に愛することができますか?

現場社員と経営者の距離が近く、心が伝わりやすいこと…これが中小企業の強みです。大企業の経営者ではあるまいし、社員は貴方の一挙手一投足を恐ろしいほどみていますよ。

なぜなら、トップは父親であり母親的な存在だからです。家族的経営の強みを発揮し、絆を重視したハートフルな経営を実現するためにも、中小企業経営者には、是非言動に留意してもらいたいと切に願います。

投稿日: 2021年7月7日 | 5:18 am

外資系コンサルティング会社の手法…。

外資系のコンサルティング会社があります。その多くが、大企業向けの戦略型コンサルティングサービスを提供しています。それ自体否定するつもりはありません…が、中小企業経営の実態にマッチしているか?というと…正直疑問があります。

外資系コンサルティング会社は、日本の中小企業経営の実態にマッチしているのか?答えはノーだと考えています。

日本的経営の特徴は、良きも悪きも「情の経営」「浪花節的な経営」「心を重視する経営」です。業績第一主義は、日本の中小企業経営の良さを潰してしまいます。

ですから、「社員(人)を大切にする経営」がピッタリ合うのです。

外資系の大企業向け戦略立案型コンサルティングファームの手法は、業績ありきの場合が多い。高い目標を掲げて、逆算して戦略を立案すると言うもの。

高すぎる目標は、様々な弊害を招きかねない。もっとも怖いのは、人財の退出(退職)です。企業経営の目的や企業理念…これがもっとも大切なな価値観のはずが、業績第一主義に陥り、組織に疲弊感が蔓延する。

こんなパターンを中小企業が耐えうるでしょうか?

大企業と中小企業の経営は、全く違います。住む世界も、価値観も、戦略もまるで違うのです。とりわけ社員を犠牲にする経営手法は、絶対にタブーです。

外資系コンサルティングファームの全てがそうとは言いませんが、経営判断を「損得でなく、善悪で」する経営が中小企業の実態です。

中小企業経営のコンサルティングは、診断士が担うべきもの。やっぱり我々中小企業診断士が、しっかりすべきなのでしょうね。

投稿日: 2021年7月6日 | 5:23 am

総務部(総務課)、総務担当の価値について

あまりよろしくない傾向が、中小企業の現場に蔓延することがあります。中小企業経営あるあるのことですが、総務部をはじめとした間接部門を疎んじるような傾向です。

営業部や製造部のような、フロントラインにいる部署が幅を利かせ、「自分たちが稼いでいるんだ(作っているんだ)」とばかりに間接部門を見下すような社風。

こんな傾向を経営トップが認めているような企業が、まだまだあります。

明確に断言しておきますが、経営は役割とミッションを明確にする必要があります。そして、それぞれの部門には価値があり、お互いに認め、リスペクトすることが重要です。

総務部の役割は何か?ズバリ、企業全体のコントロールタワーの役割に他なりません。

これはとても重要な役割です。言わば司令塔の役割なのです。ただの事務部門ではありません。

社内の情報を共有化したり、トップからの指示・命令を組織前夜位に行き届かせるような仕組みづくり。

また、人材採用や育成、法令義務、各種手続きなどその業務は実に多様なのです。

問題は、適正な人員構成にすること。目安で言うと、業種にもよりますが、マックス総務部スタッフの数は社員10名あたりに1人。10名を超えたら2人に増員しましょう。

大切なのは、間接部門の価値を全社で共有すること。

強い軍隊は、兵站(供給部門)や情報収集・共有に注力するものです。

いい経営をするために、知恵(叡智)を出す時代。総務部の価値は、これからますます高まっていくことでしょう。

投稿日: 2021年7月5日 | 5:01 am

リアリティ・コンサルティング

経営コンサルタントの業界は、まさに玉石混交であると断言できます。中小企業診断士という国家資格ホルダーとして、恥じないクオリティをクライアントに提供していくのは必然と言えるでしょう。

現場型の経営コンサルティングを、志のある中小企業に提供し、一定の満足感を持っていただくには?リアリティのあるコンサルティングを提供することが必定です。

コンサルタントの中には、理想論ばかりを掲げて助言する輩もいます。あるべき論は、教科書に載っていますからコンサルタントが、わざわざ助言しなくても経営者には分かるものです。

ましてや相手は、日々死活問題と向き合っている海千山千の経営者です。「こうあるべきです!」ばかりのコンサルタントは、即契約を斬られますよ。

では、何を持ってリアリティを追求すべきでしょうか?ひとつは、五感を常に経営現場に向けることです。

より経営現場に肉薄した、実現可能性の高いコンサルティングソリューションを、分かりやすくお伝えします。

その手法は、SWOT分析やVRIO分析、ファイブフォースモデルなどの各種フレームワークで導き出せるものではありません。

現場で事実を見て、耳で聞いて、触って味わう。臭いで感覚を研ぎ澄ませる…。この行為からリアリティ・コンサルティングが実現します。

経営者から「売上を上げるには、どうすればいいですか?」と聞かれるとしましょう。下手なコンサルタントは、「客数、客単価どちらも大切です。どちらも上げていきましょう。」と言います。

稼げるコンサルタントは、「売上は客数と客単価の掛け算です。しかし、客単価というのはつまり、”財布の中身(予算)”ですよね。したがって優先順位が高いのは客数。常に、ひとりひとりのお客様を大切にして、ひとりでも多くの客数(顧客数)を上げていきましょう。」と答えます。

投稿日: 2021年7月1日 | 5:39 am

業務日報って必要ですか?

中小企業経営者の陥りがちな思考に、「業務日報の義務化」があります。僕もサラリーマン時代には、日報が課せられかなりのストレスを感じた経験があります。

これは主観ですが、「業務日報は、時間とストレスの無駄使いである」と思います。日報というものは、何のために必要なのか?経営者から、業務日報の導入を相談されることがありますが、「スタッフが入社間もない頃(最高で1年間)は、必要でしょう。あとは必要ないと思います。」と答えています(もちろんこれは、TPOによって変化しますが…)。

多くの場合、業務日報は幹部や経営者が、スタッフの動きを”管理”したいときに義務化します。裏を返せば、メンバーを信じていないということになりませんか?

日報で管理するのでなく、日頃からのコミュニティが大切で、意思疎通を日常風景としていれば、業務日報など全く必要ありません。

そして、「日報を出せ!」と日頃から注意されている社員は、だいたいモチベーションが低くなっている証拠です。

業務日報で管理している以上、その社員の成長は望めません。ある一定に時期に、日報をやめて日頃からのコミュニケーションを密にするようなマネジメントが理想です。

働き方改革が叫ばれ、労働時間の短縮が当たり前の価値観となった今、業務日報などの無駄業務は即刻廃止して、自らの成長やお客様満足度の工場に時間を割くようにしましょう。

理想型は、自ら考え、自らを律し、自ら行動できる社員です。

投稿日: 2021年6月30日 | 5:34 am

人事評価と人事考課の決定的な違い。

人事系コンサルタントや社会保険労務士が提言する人事制度の一つに、評価制度というものがあります。この評価制度とは、ひとつ間違えばとんでもない組織崩壊を招きかねないことを認識しましょう。

ひとつは、「評価」と「考課」を間違えないことです。人が人を評価することの難しさ。人は誰しも完璧ではありません。ですので、評価するこという行為自体がナンセンスではないでしょうか?

ぴったりくるのは、「考課」という考え方です。これは「課題を考察する」という意味があり、スタッフやメンバーの課題解決による成長を促す意味があります。

したがって、中小企業は「人事考課制度」という意味合いがもっとも適切です。

また、人事考課制度を導入する際には幹部研修制度を並行して展開する方がベターです。プログラムは、「幹部のあり方」を考察する内容がいい。併せて人事考課の意味合いや考課項目も落とし込みます。

いつの時代も、部下は上司の姿勢やマインドを”怖いくらい”に達観しています。実力もない、リスペクトもされていないのに上司風を吹かせて威張り腐るような輩(僕もこれまで散々ダメ幹部と接してきました…笑)が上司になったら、悲劇を通り越して喜劇です。

人事考課制度は、人を評価して給与や賞与に影響を与える制度設計をして「終わり」ではない。メンバーの成長を促し、伴走して考えて、企業とともに成長していく…そんな使い方が理想です。

間違えてはならないのは、人事系コンサルタントに丸投げして創ること。結果的に無駄なコストを使うだけですので、辞めておきましょう。

投稿日: 2021年6月29日 | 5:15 am

コンサルタントが本を出す意義

経営コンサルタントは、差別化が難しそうに見えて実は千差万別な職業です。コンルティングサービスは、コンサルタントによって全く違うものになります。

それは、コンサルティング理念に基づく枝分かれによるものが大きい。例えば、「経営は儲けてナンボだ」「業績を上げることが最も重要だ」という主張するコンサルタントは、コストカットを平気で実行します。僕のような、「いい会社にすることを第一主義」とするコンサルタントは、徹底して”いい会社”と現状のギャップを洗い出し、その解決策を探ります。

経営コンサルタントほど、サービス内容にバラツキのあるサービス業はないかと思います。

そこで、コンサルタント(中小企業診断士)は、自らの理念(主張)に基づく情報発信が肝心になるのです。ホームページやブログを使って、常に情報発信する努力は必須となります。

書籍出版も効果的です。特に今は電子書籍なるものがあり、ネット上で出版ができます。紙ベースでの書籍化がまだまだ理想ですが、コストがかかる。

一方で電子書籍は無料でできます。

経営コンサルタントは、是非出版を手掛けるべきです。それが自信にもなるし、オンリーワンコンルティングの貴重な情報発信源となり得るからです。

「書ける」スキルは、経営コンサルタントには必要な能力です。逆に、”書けない”コンサルタントは、仕事が獲得できないと心得ましょう。

「調べる」「書ける」「話せる」「獲れる」が、経営コンサルタントが仕事を獲得できるスキルプロセスなのです。

ちなみに、「後世に残るような本を出して、印税で暮らすのが夢…」と15年前から言っているエセコンを知っていますが、いまだに一冊の本も書いていません。

投稿日: 2021年6月28日 | 5:00 am

言い回しやフレーズで、イノベーションは起こせるか?

日本語は本当に美しい…。毎日のようにブログを書き、最近は小説を執筆しましたが、そのような日本語に向き合う機会があると、心から感じることです。

僕もブランドコンサルタントを自称している以上、言葉はとても大切にしていますし、フレーズは「素晴らしさを伝える重要なツール」と認識しています。

しかし、とあるコンサルタントの売り出しを見たときに、「フレーズで業績を上げる!」というような文言を見た時は、かなりの違和感を覚えました。

言葉遣いや言い回しで、業績が向上するなら、こんなに楽なことはありませんよ。コピーライターはたちまち敏腕コンサルタントでしょう。笑

企業をブランディングするイノベーションのコアは、品質(クオリティ)以外の何者でもありません。品質がズタボロなのに、言葉の力だけで業績を上げるのは「詐欺に近い」行為だと思いませんか?

また、口八丁手八丁で経営や商売が成立するほど、甘い世界ではありません。何度も言いますが、商売は始めることが大切なのでなく、続けることに価値があるからです。

経営の継続は、品質なしではありえません。どんな商売でも一緒です。

いくらお客様の心に刺さるプレゼンをしても、そこに”確かな間違いのない、絶対的な品質”が伴っていなければ、継続的取引は成立しないのです。

商談の場面で、一時的に成功することはあるでしょう。しかし、そこから長い長い関係性がスタートする訳です。

中小企業経営の目標はブランディングの構築です。「高品質、高価格、高付加価値」実現のためには、言葉やフレーズだけに頼らない、品質そのものの向上が望まれるのです。

投稿日: 2021年6月26日 | 5:29 am

高すぎる定量目標を課すリスク

結論を言いますが、「高すぎる定量目標は、百害あって一利なし」です。これは断言できます。ましてや、社員自ら挑戦しようと心から思える目標ならまだしも、経営者から一方的に言われた高すぎる目標は、高いリスクがあります。

以前、ある会計事務所のコンサルタントが「あえて高い目標を立てて、目標に肉薄することに意義がある」と宣言しているのを見たことがありますが、全くの素人考えです。

高すぎる定量目標は、大きなリスクを招きます。

そのリスクの正体は、モチベーションの低下というものです。

よくあるのが、「売上目標」というもので、営業職や販売職によく課せられる現象です。今日日、前年比120%を超える目標設定は、かなりの負担になります。

業務効率化を図り、無駄を省いた動き(営業活動)を…などというのも限界があります。一昔前のように、働き過ぎを強いる企業は罰せられる時代。

今日のような低成長時代においては、「無理なき成長」を意図して目標設定することが肝心です。

定量目標の設定方法は「がんばれば届く。がんばり方も分かる。」です。

「これ以上、どうしろと言われているのか?」とメンバーが思った瞬間、モチベーションは著しく低下していきます。

あるのは徒労感だけ。

高度成長時代の化石のような企業運営を、いまだに実施していると、大切な社員の退職という悲劇を産みます。そのような徒労感は、優秀な社員であればあるほど敏感です。

このブログで、飽きずに何度も主張していますが、「目標設定は、経営者が考えるものではない。当事者が考え、自らが自らにコミットするもの」なのです。

そのことを忘れ、「今期はこの数字を叩き出せ!」のような指示命令は、モチベーションを下げて徒労感を招き、結果として人財流出を招きかねない悪習だと認識しましょう。

投稿日: 2021年6月24日 | 5:39 am