アントレプレナー(起業家)へのエール〜損益分岐点は必ず押さえよ!〜

前回のブログで、起業家が押さえるべき勘定科目・経営数値計数知識を紹介しました。

その指標は、現状を認識(現在の商売・経営状態を数値面から認識)するための指標です。

 

では、未来戦略的に押さえる必要がある指標は何か?

それは「損益分岐点売上高( Break even point=BEP)」と言われる指標です。

つまり、毎月(あるいは毎年)どれくらいの売上高を上げなければ、赤字になるか?という指標です。

逆に言うと、その売上を越えれば「それからは利益を叩き出せる」という売上高のことです。

 

計算式は、固定費/【1ー(変動費/売上高)】です。

細かい解説は、次回以降にしますが、最低限の知識として公式を暗記していてください。

 

この指標はとても重要であり、戦略的経営指数としてとても便利です。

しかしながら、この指標を知らない・活用できていない…結果、儲からない商売をしている起業家がとても多い。

やもすると、売上と利益がイコールと思っているのではないか?と思わざるを得ない起業家も何人か会いました。

創業期の場合、「粗利益」や「限界利益」という考え方は、とても重要です。特に、粗利益率や限界利益率を意識した商売をしないと、いつまでたっても儲かりません。

投稿日: 2018年9月9日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜計数知識の最低限〜

これも起業家にとって、あるあるな現象…。

とにかく数字に弱い、あるいは数字に嫌悪感すらあり見たくもない…。

 

起業を志すのであれば、失敗しないテッパン法則として、ある程度の経営計数知識は必要です。

前にも書きましたが、起業するときは大抵の場合ひとりが多く、経理スタッフを雇用する余裕などありません。

ではどうするか?起業家自らが、最低限度の計数知識を身につける必要があります。

しかし、膨大な勘定科目や経営分析指数を全部覚えておく必要はありません。

あくまで最低限度でいいのです。

その最低限度の指数(10項目)を紹介しましょう。

①売上高

②売上原価

③売上総利益(粗利益)

④営業利益

⑤経常利益額

⑥キャッシュフロー

⑦自己資本率

⑧売上高経常利益率

⑨売上高対研究開発比率

⑩売上高借入金比率

それぞれの指標に関しては、深い意味がありますので学習してください。

起業家によくある傾向ですが、「店を出せば(看板出せば)客が入る」「いいモノつくれば(仕入れれば)何もしないで売れる」という楽観主義。

楽観的なのことは大いに結構!悲観的なネガティブシンキングの人は、起業家には向きません。

しかし、ポジティブシンキングとノーテンキは違います

本当にポジティブシンキングの人は、「悲観的に(用意周到に)準備して、楽観的に行動する」人のことを言います。

用意周到な人は、数字にも向き合って経営の面倒臭い部分(数値管理など)にも精通しています。

投稿日: 2018年9月8日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜何をするか?の前に…〜

起業家として事業を始める場合、その動機(目的意識)はとても重要です。

その目的が不純であればあるほど、ステージから退出する(事業継続断念)確率は高くなります。

動機として、もっとも良くない(オススメしない)意識を列挙します。

 

①とにかく儲けたい。事業は何でもいい。

事業の目的が”金儲け”の場合、その事業継続維持の可能性は限りなく低くなります。

もちろん価値観ですから、さまざまな考え方があるでしょう。

しかし、物事の判断基準が損得勘定になった瞬間に、ビジネスリスクは格段に高くなっていきます。

 

②目立ちたい、羨ましがられたい。

結構、こういう方も見ます。はっきり言いましょう。

ビジネスは甘くない!単純に目立ちたいなどの理由で始めるほど、簡単なものではないのです。

 

③サラリーマンがいやだから、とにかく起業したい。

動機の前の動機としては、あるあるだと思います(かつての自分も、そういう意識がありました)。

しかし、その場合は自分のスキル・経験が絶対的に活かせるビジネスモデルの構築が必要不可欠です。

 

④面白いビジネスを思いついた。起業したい。

大切なのは、思いついたビジネスが交換価値としてお金になるかどうか?です。

実際に、こういう起業希望者と面談しますが、事業として成り立つのは難しいのではないかという方がかなり散見されます。

 

起業の場合、その動機(理念=目的)がとても大切です。

例えば、ラーメン屋さんを開業したいと思う方は、「自分が作ったラーメンの味をお客様に喜んで食べて欲しい」という熱いブレない想いです。

つまり、起業意識は「何をするかでなく、何のためにするか?が一番大切」なのです。

その動機が見つからない、あるいは薄っぺらな起業は、ウマくいかないのです。

投稿日: 2018年9月6日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜起業準備のポイント〜

起業を思い立った時、準備に取り掛かります。何事も準備が一番大切ですね。

スポーツでも、準備体操やアップが大切なように、ビジネスで戦おうとすれば事前準備が本当に大切です。

もっとも大切な準備は何でしょうか?

事業計画?ビジネスプラン?…いや、違います。資金調達です。

2017年中小企業白書においても、起業の創業期〜成長期に関わる最大の課題は、資金調達であるという結果が出ています。

創業期においては60%、成長期においても47.8%という数字です。

いかに、カネに関する課題が多いかが伺えます。

 

政府は、創業を促進するための様々な施策を用意しています。

特に女性起業家には、政府系金融機関の優遇融資制度があります。

ビジネスプラン・事業計画書の有効性が確認できれば、起業に対する比較的小額な融資は容易です。

 

しかし、まれに起業資金を補助金・助成金に依存している起業家も見られます。

そのほとんどが、安定期を迎える前にステージから降りてしまうようなフェードアウトを迎えています。

原因は、融資というリスクをあえて取る覚悟の差でしょう。

つまり補助金はしょせん補助金。事業を補助するためのカネなのです。

創業資金を「あわよくば補助金でまかなって、ノーリスクで創業しよう」とお考えの方は、いずれやってくる資金リスクに柔軟に対応できません。

 

ビジネス・事業は、熱い想いに伴なう”覚悟”がもっとも大切だと思うのです。

投稿日: 2018年9月5日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜起業家の意識特徴〜

日本という国は、起業家が誕生しにくい土壌だと言われています。

事実、2017年中小企業白書によると、「周囲に起業家がいる」、「周囲に起業に有利な機会がある」、「起業するために必要 な知識、能力、経験がある」の三つの項目に着目し、三つの項目いずれについても「該当しない」と回答した人を「起業無関心者」と定義した時、全体に占める起業無関心者の割合の推移を見ると、日本は77.3%で、明らかに先進諸国と低い傾向があります。

つまり、統計上は日本人の8割近い人が、起業(事業を起こす)に興味がないということになるのです。

経営コンサルタントして、起業家の支援をしていると、起業家には独特の意識があることが分かっていきます。

起業家の意識特徴として、

①物事を単純に考えることができる

②自分に自信がある

③人的ネットワークが多い

④ポジティブシンキングができる

⑤問題意識がたかい(上昇志向である)

などがあります。

ただし、この数字は商売を持続させるスキルがあるか?ということに関しての特徴ではありません。

商売を持続させることが”成功”ですから、そのスキルはもっと絞られることになります。

ただ、起業して自分の商売をスタートさせるという行為は、とても刺激的であり、面白く愉しく、魅力溢れることである…ということは間違いないと考えています。

投稿日: 2018年9月4日 | 1:00 am

アントレプレナー(起業家)へのエール〜起業はきっかけが大事〜

2017年の中小企業白書によると、日本の開業率はここ数年微増しており、5.2%となっています。この数字は、資本主義の経済大国の中では決して高い数字はありません。

ちなみにフランスは12.4%、イギリスに至っては14.3%となっています。

日本人は、保守的な気質が強いのでしょうか?あえてリスクを取らざるを得ない”起業”という行為は、できるだけ避ける傾向にあるようです。

小生の場合、「将来は独立して何がしかの商売をしたい!」という夢が大学生のころからありました。

4年前に、経営コンサルタントして独立し現在に至ります。

フリーの経営コンサルタント(中小企業診断士という国家資格ホルダーではありますが)の仕事は、ある意味ローリスク・ローリターンのビジネスです。

しかし、サラリーマンとして働いていた時代にと比較すると、自分自身の中小企業経営に関する価値観を何のしがらみもなく主張できるという点で、大変魅力的です。また、独立して本当に良かったと思っています。

人生は一度きり。悔いのない人生を謳歌するためにも、志ある人にはどんどん起業をしてもらいたいと思っています。

また、志ある起業家を支援し、インキュベート(育てる)支援をするのも、小生の大切な仕事であると位置付けています。

「起業して、自分の価値を世に問う」…こんな素晴らしいことはないと思っています。

ただ、起業家がビジネスに興味をもったきっかけという調査結果は、とても興味深い。

40台男性のきっかけは「周囲の起業家・経営者の影響」が40.7%で第1位。「勤務先ではやりたいことができなかった」が29.2%で第2位となっています。

どちらもポジティブイメージとは言い難い、ネガティブイメージ。

「自分の価値や取り組みを世に出して、社会貢献したい」などの理由が欲しいところです。

 

投稿日: 2018年9月2日 | 1:00 am

今日も走った、走った。 走行距離330km

昨日は、午前中10時から佐賀県太良町のクライアントでの経営会議でした。

佐賀市内の自宅から、太良町のクライアントまで、ざっと53kmの距離。

そのあと、熊本県上天草のクライアントで16時のアポイント。

はじめて南島原市の口之津港からフェリーで渡る経路をとりました。

 

フェリーに乗って30分間の船旅。それはそれで、結構リフレッシュです。

 

 

天草市の鬼池港に着き、そこから50分間。上天草市のクライアントへ。

社長との打ち合わせ後、幹部会議の支援。終了21時30分。

社長からラーメンをご馳走になり、上天草を出たのが22時10分でした。

松橋ICから、みかわ柳川ICを通り、自宅着は24時40分。総走行距離約330km。

いやあ〜〜我ながら走った走った!西九州1周のドライブです。

クライアントに待っていてもらえる…またお願いしますと言ってもらえる…幸せですね。

そんな幸せを噛みしめながら、ハンドルを握ること7時間の1日でした。

投稿日: 2018年9月1日 | 1:00 am

出口の見えないコスト削減政策

中小企業経営において、販管費(販売費および一般管理費)の使い道を診ると、大概の場合、無駄遣いというものは見られません。

せいぜい、交際費や雑費などの削減を図るくらいでしょう。

コスト削減は、限界があります。コストはある意味、商売をする上でのモトデといっても過言ではないと思います。

特に、中小零細企業はコスト削減策は限界があります。

注目すべきは、売上アップと粗利益(額・率)の確保です。

具体的には、

①安売りをせず、プラスアルファの付加価値をつけてお客様満足度を上げる。

②原価計算をやり直し、売価設定を変更する(きちんと粗利が確保できるように)。

③客数を増やし、売上低下に対するリスク分散を図る。

④MD(品揃え)を見直し、ロスや不良在庫を無くす。

⑤提案により、セット販売を展開して客単価を上げる。

⑥時間帯ごとの売上推移を分析して、「売れる時間帯にさらに売る」「売れない時間帯でも少しの売上アップを試みる」

などなどできることは山ほどあります。

コスト削減は、限界があります。上記の売上・粗利作戦すら限界を感じた場合、多角化などの経営革新を考案しなければなりません。

投稿日: 2018年8月31日 | 1:00 am

会計事務所のブランディング戦略

6年半に渡る勤務経験から、今後の会計事務所の生き残りをかけたブランディング戦略を探求しています。

会計事務所にとって、現在の外部経済は逆風ふきあれる環境だと考えています。

ブランディングされた、躍進する会計事務所として生き残っていくための今後の戦略について提言します。

会計事務所は規模ではない!

会計事務所の数は、25000事業所ほどだと言われます。

スタッフ数100人を超える大型事務所から、一人の税理士が経営している小規模事務所まで様々あります。

合併して大型になったものの、その実態は別々の経営形態。

ただ屋号が統一されただけのハリボテ大型事務所もあるほどですから、会計事務所を選ぶ際に規模はそんなに参考にならないと断言できます。

会計事務所をセレクトする基準は、顧問料のディスカウントでもありません。

低価格で顧問料を設定して、経理事務を請け負う事務所もありますが、その場合は自計化したほうがいいです。

会計事務所こそ、今後は商品・サービスにオリジナリティを打ち出さなければ生き残れません。

ただ、伝票を預かって仕訳して試算表を作り、それを月次訪問で納品するという時代は終わりました。

注力すべきことは、

①クライアントの実態に肉薄して、寄り添った財務コンサルティングができるか?

②経費を削減して、利益を上げるための実態に即した提案ができるか?

③売上増加(増収)のための具体的提案ができるか?あるいは、提案できる専門家と提携しているか?

④経営のあらゆる局面において、総合的なアドバイス・助言ができるか?

⑤職員・メンバーが、①〜④(他にもありますが)が可能なコミュニケーション力を有しているか?

などです。

投稿日: 2018年8月30日 | 1:00 am

中小企業の社風作り

プロの経営コンサルタントの仕事をしていると、その企業に訪問した瞬間に、ある程度企業の将来性や現在の状態(いい会社か、今ひとつか)が分かります。

極端に言うと、電話した瞬間に(応対の感触によって)分かるものです。

企業は、社風というものがあります。

「会社の雰囲気」というものですが、社風の空気感は、結果的な業績に大きな影響を及ぼします。

現場のスタッフ・メンバーが、イキイキと頑張っている、また笑いが溢れている企業は、業績もいいという正の相関関係があります。

逆に、社長の長々とした説教がスタッフを疲弊させていたり、怒号が飛び交ったりするような企業は、いい結果を産むことはありえません。

簡単なことです。

お客様や取引先と、直接接しているのは現場で頑張っているメンバーですよね。

そのメンバーが、イキイキと笑顔で仕事をしていないと、お客様や取引先の満足度を上げることは絶対できません。

企業の社風は、メンバーのモチベーションを上げて笑顔になって、頑張ってくれるための土壌なのです。

 

投稿日: 2018年8月29日 | 1:03 am