中小企業診断士の実際 〜フレームワークは学ぶな!

中小企業診断士として活動するとき、よく手法(方法、ノウハウ、テクニック)を欲しがる方がいます。

名称独占の国家資格である中小企業診断士。

第1次試験の「企業経営理論」では、マーケティングや経営戦略立案の際の各種手法が、体系的に試験科目として出題されます。

例として、SWOT分析やVRIO分析などの各種分析手法。またポーターの「成長戦略」やボストンコンサルの「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」。※興味がある方はご自分でお調べください。

もちろん、理論や手法自体を否定するものではありません。

コンサル現場で実際に活用することも往々にしております.

特にSWOT分析からの戦略立案手法については、共著ですが本を出していますし、頭の中は常時SWOT分析です。

 

ただし、自称超現場型の中小企業診断士があえて提唱します。

「プロコンのキモは手法(やり方)よりも姿勢・ハート(あり方)である」と。

経営の現場に肉薄し、課題解決策を”経営者に寄り添い、一緒にのたうち回りながら立案、実行する”ためには、理論よりも熱いハートが大事です。

熱いハートが、経営者やクライアントのメンバー(スタッフ、社員)の心を揺り動かし、課題解決へと向き合ってくれるのです。

いつの時代も、経営は人間の営みです。

 

フレームワーク(コンサルティング手法)を学ぶよりも、姿勢・ハートを身につけることを第一優先としましょう。

投稿日: 2018年11月23日 | 7:47 am

マークイズ福岡ももち、行ってきました。

11月21日(水)。福岡市中央区地行浜にグランドオープンした、MARK IS 福岡ももちに行ってきました。

ご支援しているクライアント様のショップがオープンし、その取材に赴いたのです。

佐賀市内から三瀬峠を越えて約1時間半。近隣の道路は大渋滞でした。

到着、駐車場に止めたのは14時。

とてもシャープで、オシャレなイメージの大型ショッピングセンターです。

 

入店しましたが、本当に大勢の来店客で賑わっています。

総店舗数163店舗。延べ床面積は125,000㎡は圧巻の広さです。

少しハイテイストなお客様をターゲットにしているのかな?という印象。

ももちという街並み、街の雰囲気、街の所得層にはマッチした店舗テイストだったと感じました。

 

とこで、三瀬峠の下り坂からももちまでの道中。愛車黒のプリウスのアベレージ燃費が77.8kmを記録!

走行距離23.7kmながら、なんという低燃費。

さすが世界のトヨタ!

すげ〜ヤツだぜ!

 

 

投稿日: 2018年11月22日 | 9:05 am

”笑い”の経営学 〜笑う門には福来たる!

”笑う”という行為自体を嫌う人はいないと断言できます。

笑いは、人を幸せにし元気にしてパワーを与えます。テレビなどで、お笑い番組を見るのが大好きな自分は、笑いの社風を中小企業経営に取り入れたいと常に考えています。

 

元気のある会社、活気のある会社、風通しの良い会社は”笑顔”があります。笑いに溢れています。

笑う門には福来たる…と言いますが、これは摩訶不思議な現象でもなく、笑いのある会社には”人が集まってくる”という現象を指しているのだと思われます。

かつて小生が勤務した会計事務所。福岡の事務所でしたが、「ここは笑ってはいけない会計事務所か?」というほど暗いオフィスでした。

その堪え難い空気感に、ラジオでもつけて明るく仕事しましょう!と提案しましたが、集中力がそがれるとの理由で却下されたのを覚えています。

 

経営は、人間の営みです。生き物です。

いくらクラウドやIT、AIの発展があっても、商売をするのは人間なのです。

商品は、商売をする人間たちの”想い”の結晶です。

その人間たちが、笑いのある職場に集まってくるのは至極当然の現象でしょう。

 

笑いのある職場・会社づくりは、活気のある会社・イキイキしている会社になるためのひとつの手段だと信じています。

投稿日: 2018年11月15日 | 1:00 am

コンサルティング手法について 仮説からの推論展開

経営コンサルタントして活動するとき、ロジカルに物事を考察するスキルは常に求められます。

論理的に物事を志向していかなければ、課題解決の方向性がいつの間にか違ってくことになりかねないからです。

では、仮説立てから推論展開するとき、思考方法として「演繹法(えんえきほう)」と「帰納法(きのうほう)」の2通りがあります。

難しく考えがちですが、簡単にいうと

演繹法は、「◯◯だから⬜︎⬜︎である」という思考をつなぎ合わせて仮説検証推理していく方法。

帰納法は、実例(事実)から逆算して類似点や模範ポイントを抽出して、結論づけるという方法。

経営コンサルタントとして活動する際、論理的思考法を常に意識していますが、どちらかというと帰納法を多用します。

帰納法:演繹法=7:3…というところでしょうか。

帰納法の場合、実例を徹底的に取材・調査してヒント(推論)を導きだします。

演繹法は、出口の見えない方法を論理的に推察するということで、ある程度の思考力が必要だと感じています。

自分が現場のコンサルティング活動でよく使用する「ベンチマーク」という手法は、帰納法に入ります。

帰納法が、中小企業の経営者にはとても明快で分かりやすい思考法といえます。

 

投稿日: 2018年11月14日 | 7:50 am

中小企業診断士の実際 〜診断士は町医者漢方医である

中小企業診断士をよくビジネスドクターであると仮定する場合があります。

中小企業の改善ポイントを事実確認(診断)し、改善のための施策(治療)を施すという意味では、なるほどドクター(医者)であろうと考えられます。

医者は、さまざまな専門分野がありますよね。

外科、内科、耳鼻科、皮膚科…などなど。

中小企業診断士を、コストカッター的な外科医と比喩する人も居ます。

時にはコストカット(外科的処置)が必要な場合もあるでしょう。

また、内科医として悪くなった箇所(改善ポイント)をゆっくり、じっくり治しながら業績改善を図っていくコンサルタントもいます。

 

自分にとっての医者的な中小企業診断士像は、「町医者漢方医」です。

中小企業は、課題・問題発生と改善・革新活動の連続です。

クライアントの症状(課題・問題)に対し、すぐに現場に赴くような体制・姿勢が大切です。

また、症状(課題)が出てから対処するのでなく、課題・問題が出ないような体質づくりをお手伝い(処方)する漢方医としての存在がマッチします。

この企業体質づくりは、”いい会社”となるためのさまざまな仕組みづくりに直結しますが、最も大切なのは”人を大切にする心ある会社”づくりであると言えます。

投稿日: 2018年11月13日 | 10:42 pm

業績好調の裏に隠された課題

業績が好調な時、企業は問題点に目をくれず、業績拡大に邁進する傾向があります。

しかし、あえて業績好調な時こそあえて課題解決に向き合い、取り組むことを推奨します。

伸びゆく業績の陰に、隠された課題がくすぶり続けて、気付いた時には解決に時間とコストを要する…このような事態がよく見られるからです。

 

例えば、知らず知らずのうちに社員のモチベーションが下がっていた…

気づいたら社内の人間関係が悪くなり、離職率が高くなっていた…

結果、人財が育たない社風が醸成されていた…

 

業績(売上や利益、客数など)はあくまで結果現象。

中小企業にとって、経営理念から始まる単年度経営計画書、同じ価値観で一糸乱れぬチームづくり、各種オンリーワン戦略の立案と展開実行に向き合った結果が業績なのです。

 

好調な業績に隠された課題を、マイルストーンとして振り返るために、経営会議や経営計画書策定研修などがあります。

課題が問題となり、病変と化してしまわないうちに、PDCAを定期的に回していく仕組みづくりが必要です。

投稿日: 2018年11月12日 | 11:55 pm

中小企業診断士の実際 〜価値創造のスキルを上げよ

中小企業診断士は「価値と価値を掛け合わせて新しい価値を創り出す(あるいはその支援をする)専門家である」という主張は、これからも変わることはないと思います。

求められるスキルの多くは、クリエイティブ・スキル(つまり、ゼロからイチを創り出すスキル)でなのです。

多くの診断士が、クリエイティブスキルを苦手分野としているような気がします。

小生もその実、”ものすごく得意!”という訳ではありません(時々、神が降りてきたように資料やワークシートを創り出すことができる時がありますが…)。

 

価値を創造するスキルは、何も自分一人で完結する必要はないのです。

 

つまり、各分野の専門家とネットワークを組んでおくことが重要になります。

小生も、士業(弁護士、税理士、社会保険労務士など)をはじめ、デザイナーやイベンター、広告代理店などとのネットワーク(人脈)を大切にしています。

また、尊敬する先輩コンサルタントから様々な資料や情報をいただくこともあります。本当にありがたいですね。

 

知的財産は、経営コンサルタントしての生命線です。

その知的財産も、「価値と価値をかけあわせて新しい価値(知的財産)を創り出す」ようにできる”日頃からの人的ネットワーク(信用と信頼、ギブアンドテイク…)の構築が大切なのです。

 

投稿日: 2018年11月11日 | 1:00 am

原材料の高騰に対応する経営戦略

食品をはじめとした原材料費の高騰は、売上原価(モトデ)を直撃します。

売上が3000万円の飲食店経営の場合、売上原価の1%高騰は利益を30万円圧迫するという事態になります。

つまり、原価マネジメントは中小零細企業にとって重要な経営戦略なのです。

 

では、原材料の高騰に対応するにはどのような経営戦略を取りますか?

もっともよくない禁じ手は、何もせずに利益圧迫を受け入れることです。

 

で、理想的な経営戦略は、原価率高騰に従い販売価格も上げることです。

つまり客単価を下げないどころか、上げるという選択肢です。その選択は、日頃からブランディング戦略に取り組んでいく必要があります。

お客様に”原材料費の高騰により、値上げしました”というアナウンスをするかどうかは別として、オンリーワン商品開発を手がけてブランディングしていれば、お客様が離れていくことはないのです。

もうひとつ、セット販売を徹底して(小売店の場合ですが)、利益率でなく利益額を確保するという方策もあります。

 

いずれにせよ、地道で長期的なブランディングの取り組みさえしていれば、原材料費の高騰という事態にも動じない経営戦略が可能になるのです。

投稿日: 2018年11月10日 | 1:00 am

リクルーティング(採用活動)のための情報発信

中小企業として人材の確保と活用および人財への育成は、今後の業績趨勢を決定する最大の戦略であると言えます。

とはいえ、特に地方の中小企業にとって、そもそも人財が集まりにくいというハンデの存在は否めません。

一方で人財確保が難しい業種でありながら、採用希望の人材が次々とアクセスしてくる中小企業があることも事実です。

では、そのような企業がどのようなリクルーティング活動をしているのか?気になりますよね。

15年にわたるコンサルタント経験から導き出した、共通ポイントを列挙します。

ぜひ、参考にしてください。

 

①HPやSNSなどを活用して企業努力をアピールしている。

②同じく情報発信ツールにより、活躍するメンバーの顔写真や仕事中の写真・動画をアップしている。

③安易な求人情報をアップしない。例)希望業種、給与など

④求人情報よりも企業情報(特にメンバー、経営理念、商品価値など)をアップしている。

⑤写真や動画をふんだんに使い、企業のイメージをしやすい情報発信をする。

⑥学校やハローワークと、リレーション(関係性)を強固にするようなコミュニケーションをとる。

⑦風通しのよい、社員がイキイキと頑張れるような社風を創る。

 

とまあ、こんなところでしょうか?

中長期的な視野で普段から、いい会社にしていこうとする努力が、人材が集まる会社になるための取り組みなのです。

投稿日: 2018年11月8日 | 11:51 pm

中小企業診断士の実際 〜コストカッターと対極にある診断士

利益を獲得するために、人件費をはじめとした”未来型経費”を平気でカットするよう指導するコンサルタントがいます。

後述しますが、経費には「現在型経費」と「未来型経費」とがあります。

未来型経費の代表格は、もちろん人件費です。

人件費が、経営の最終目的であると断言する優良企業もあるほどです。

中小企業型家の根幹は、ヒトが決定するという至極あたりまえの原理原則を実践されている証でしょう。

 

はっきり断言します。コストカッターは、誰にでもできる稚拙なコンサルティング施策です。

特に未来型経費である「人件費」「研究開発費」「教育費」「広告宣伝費」などカットしてしまうと、企業体質がやせ細ってしまいます。

結果、負のスパイラルに陥り、回復自体が困難になっていくのです。

 

中小企業診断士は、コストカッターではありません。

「価値と価値を掛け合わせて新しい価値を創り出す専門家」です。

ですので、コストカットではなく新しい価値を産み出して売上・利益を創出する支援をしていかなければなりません。

まさに経営革新(イノベーション・マネジメント)を起こす支援をしていくスキルが求められます。

 

投稿日: 2018年11月7日 | 1:00 am