経営理念の価値を理解する

企業経営は、原点に立ち戻ることが必要な場合が多いですね。御社には、「経営理念」と言われるモノはありますか?

社長一人で経営している場合にも、経営理念は必要です。

しかし、この理念を「ただのキャッチフレーズ」と解している経営者や社員の方々も時々見ます。

残念ながら、コンサルタントの中にもそういう輩がいるから困ったものです。

明言していきますが、経営理念の重要性は大きい。

これは「経営理念」「企業理念」「社是」「社訓」、最近では「クレド」などという言い方もされています。

ここでは、企業理念という言い方をしますが、これは「全社共通の価値観を明文化したもの」です。

また、御社の存在価値を明文化したものでもあり、経営の目的を明文化したものなのです。

この理念の理解度を深めることが、社員研修の根幹にもなります。

また、経営理念を達成するために行動基準を策定し、その行動基準が人事考課項目の源泉となることもあります。

つまり、経営の不変の価値観なのです。

ですので、実直にまじめに、まっすぐに。

ブレることなく経営理念にベクトルを向けた企業経営が求められますし、経営者がブレた時の反動は、とても大きいのです。

投稿日: 2019年1月19日 | 11:39 am

経営会議は健全に運営されていますか?

企業経営につきものの各種会議。学校の部活動ですら、ミーティングなどのコミュニケーション手段がありますよね。

様々な企業を訪問支援していますが、会議の運営現状を診ると、その企業の社風などが仮説立てできます。

課題ある会議の現状を列挙します。

①会議参加しているスタッフ(とりわけ現場に近い)から意見や考えが発言されない。

圧迫感が蔓延している会議では、現場スタッフの意見が全く表に出てきません。

現場スタッフの意見こそ、課題を直撃している場合が多いのに…です。

②議論型になっていない。単なる報告会になっている。

報告会であれば短時間で終了できます。極端にいうと、資料提示して「ご覧の通りです」で済むはずですから。

会議が「議論、ディスカッションの場」です。

議案に対して、様々な方向から検証して決定事項を出していくような取り組みが必要です。

③トップダウンに終始した会議なっている。

中小企業の会議あるあるです。トップ(社長)の考えがそのまま、会議場に反映されるというものです。

会議の必要がありません。通達で済みます。

④パワハラ的な圧迫会議になっている。

今はほとんど見かけなくなりましたが、ひと昔前はこのような会議が結構横行していました。

このような会議は、今時ナンセンス。会社を私物化しているオーナー経営者によく見る現象です。

 

他にもありますが、健全な会議は、人財を育みます。

さまざまな工夫を試みてメンバーが「明日からまた頑張ろう!」と思う会議を作り上げましょう。

 

投稿日: 2019年1月18日 | 11:54 pm

高圧型(こうあつがた)研修の終焉

企業は最後の、最大の教育機関である…とは、恩師・坂本光司先生の言葉です。

この時期、新入社員研修会を始め、各種階層別の研修相談案件が集中します。

今日も、長崎県諫早市の総合病院で、中途職員と新入職員向けの研修相談を受けました。

昨年までのインストラクター(ちなみに高齢:70歳くらいの女性)は、研修参加者に対して高圧的な態度、レクチャーが特徴だったそうです。

しかし、参加者の疲弊感と委縮感を感じた担当者は、今年から全く趣旨を変えた内容を考察しているとのことでした。

 

研修は、企業が提供する”学びの場”です。

インストラクターが先生気取りで高圧的に物申すような内容は、とっくに時代遅れになりました。

 

プロであるインストラクターは、参加者が”愉しみながら学ぶ”工夫が求められます。

仕事も学びも「愉しむ」というキーワードが不可欠な時代なのです。

 

また、最近の新卒新入社員は、特に高圧的な研修を嫌います。一昔前のやり方では、全く通用しないということなのでしょう。

今回、声かけをいただいたことに感謝しつつ、「真剣に、リラックスして、愉しみながら」学べる研修プログラムをしっかりと立案して、提案してみようと思っています。

投稿日: 2019年1月17日 | 11:15 pm

価値観の統一・共有は強いチームづくりの必要条件

経営というものは、社長一人で創業し、人を雇用して大きくなっていく過程が通常です。

社長一人で仕事をしている場合は、価値観の共有はナンセンスですよね。

なぜかというと、社長の信念イコール価値観であるという等式が成り立つからです。

他人をスタッフとして雇用した瞬間から、経営に関する価値観の統一と共有は必要条件となります。

経営の価値観とは、すなわち「経営理念」のことです。

ときに、それは「企業理念」とか「クレド」などという表現をしている企業もあります。

または、社訓や社是という言い方をしている企業もあります。

強い経営チームは、経営理念(共通の価値観)に関して経営幹部・首脳がブレることはありません。

扇の要である経営陣の価値観がブレると、扇の先である現場はブレまくります。

ブレると業務自体の目的意識がズレ始め、結果として業績に悪い影響を及ぼすのです

まさに、経営理念(経営の価値観)の統一・共有は、強い組織づくりの必要条件なのです。

経営理念は、「見える化」することが重要です。

美しい言葉・フレーズで明文化し、チームの構成員やお客様へのブランドPRフレーズとして位置づけましょう。

投稿日: 2019年1月16日 | 11:44 pm

目標管理制度ってうまくいくの?

成果主義人事制度が流行をみせたひと昔前、目標管理制度(MBO)というマネジメント手法をとる企業が増えました。

自分のクライアントにも、数社この制度を取り入れた企業があります。

結果はどうか…??です。

数日前も、目標管理制度を取り入れた企業活動の結果が、社員の疲弊を招き、人財の流出を招くという実態に直面しました。

目標管理制度??

目標ってそもそも”管理するもの”でしょうかね。

目標は、その達成のために「社員やそのチームが主体的に能動的に取り組むべき指標」なのではないでしょうか?

であるならば、目標に突き進むべき源泉のモチベーションを管理する方が、日本的経営の特徴にマッチする気がします。

その目標が「高すぎる」ならばなおさらです。

このブログでも再三述べていますが、目標というものは「到底達成できない指標」であってはなりません。

彼らの論法は、「高すぎる目標であればあるほど、達成した時の喜びと自信が財産になる」というものです。

しかし、人間はマシンではない。

感情を持つ人間の取り組みである経営は、その源泉であるモチベーションこそが大切です。

経営の業績数値目標は、過去になると結果になります。すなわち、正しい経営活動の結果現象なのです。

目標管理手法を間違って使った場合、目標が”目的”となってしまうような状態だけは避けていただきたいものです。

経営の目的は、”経営理念の達成”であり”関わる全ての人たち(とりわけ社員とその家族)を幸せにすること”なのですから。

投稿日: 2019年1月15日 | 10:40 pm

事業承継は10年計画で考案する…

事業承継でお悩みの企業が多い現状です。同時に、事業承継支援をうたっている会計事務所やコンサルティングファームも数多く存在します。

彼らの切り口は大抵の場合、相続税対策や相続手続きの支援など、形式張ったものが多いです。

おっと、こう言うとまた会計事務所の仕事を否定してるように思われますが、決してそうではありません。

会計事務所の中にも、クライアントに寄り添ったハートフルな支援をしているところはいっぱいありますので。

さて、事業承継するための人財がいるということは、このご時世、とても恵まれたことだと考えています。

人財不足で、または適当な人財が不在で、優良企業(ここでは利益が出ている企業と定義します)なのにもかかわらず、事業継続を断念せざるを得ない会社が多く存在するからです。

事業承継計画は、10年スパンで立案しましょう。

前半の5年間は、中期的に後継者に事業をスムーズに承継していくフェーズです。

後半の5年間は、後継者が次期経営者として成長すていくフェーズです。

何度も言いますが、経営は人間の営みです。

人間の営みということは、感情や意思、ハートなどが恐ろしく作用していきます。

つまり、形式張った手続きのみでは、スムーズでドラブルレスな事業承継はできません。

徹底した議論やディスカッション、経営幹部を巻き込んだ社風づくり、コミュニケーションや合意系絵性など、複雑なファクターが絡んでくることを心得なければなりません。

投稿日: 2019年1月14日 | 7:55 pm

お客様に提供しているモノは何?

今日は福岡市内のクライアント様で、ニューフェイス(新入社員)研修会をお手伝いしてきました。

入社約1年未満のスタッフを対象に、社会人として企業人として、販売職のプロとしての意識・マインドを1日かけて伝授したつもりです。

今回の研修会にて、小生が最も伝えたかったことは?

表題のテーマです。つまり「お客様に提供しているモノは何ですか?」ということ。

中小企業にとって、お客様に提供しているモノは「製品などの物体」ではありません。

カフェだったら、コーヒーではなく「くつろぎのひととき」であり、アパレルショップでしたらお洋服ではなく、「おしゃれを通した幸福感」なのです。

つまり、企業を構成するスタッフ、メンバーの”想い”ということになるのです。

 

会計事務所にとって、クライアントに提供しているモノは試算表や決算書ではありません。

「財務諸表に基づいた意思決定のための情報と未来事業計画」です。

 

このように、物体として目に見えるモノを提供しているのでなく、製品がもたらす「ストーリー」であり「シーン」であるということなのです。

 

中小企業の構成員(メンバー)には、我が社が提供しているモノの真意は何か?正体は何か?を落とし込む研修、勉強会を開催し理解してもらう取り組みが必要です。

投稿日: 2019年1月11日 | 11:41 pm

2019年中小企業の業績格差が拡大する…

中小企業経営にとって、業績(売上や利益、客数や客単価)というものは結果現象にしか過ぎません。

結果というものは、過去になったから分かるものであり、未来にあるものは”目標”と呼ばれます。

つまり、業績は未来にあれば目標であり、過去になると結果ということになります。

 

2019年の中小企業経営環境に、大きな業績格差が生まれることが予想されます。

毎日、中小企業経営の現場を駆け回るコンサルタントの感覚で、その格差要因を列挙します。

 

①「社員が誇れる会社」と「社員が誇りを持てない会社」

②「人が集まる会社」と「人が来ない会社」

人とは社員(パート、アルバイト含む)、お客様を指します。

③「人を育てる会社」と「人が育たない会社」

人材を人財に育てる努力をする企業と、そうでない企業ということです。

④「新しい価値を産む会社」と「産まない会社」

新商品開発や新サービスの開発を断続的に継続する企業です。

⑤「仕掛ける会社」と「仕掛けない会社」

各種経営戦略の仕掛けのことです。

⑥「地域や取引先を大切にする会社」と「地域や取引先を大切にしない会社」

⑦幹部が「導ける会社」と「導けない会社」

幹部がブレずに、メンバーを導ける企業です。

 

今年の経営戦略の参考にしてみてはいかがでしょうか?

投稿日: 2019年1月10日 | 11:39 pm

永続発展が企業の成功定義である

帝国データバンクの調査によると、長寿企業と言われる会社は、全国に3万3千社存在するそうです。

この”長寿企業”という定義は、創業100年以上の社歴を持つということ。

企業経営の目的が、「経営理念に向けた関わる人々の幸福の実現」であることを鑑みた時、長寿企業といわれる会社の経営戦略を調査し、見習う価値は高いと思われます。

企業経営の目的を、「業績の最大化」やいわゆる「儲けること」と定義している企業は多いです。

困ったことに、儲けることを経営の目的として支援している経営コンサルタントや会計事務所も多いです。

はっきりと断言できますが、経営の目的を「儲けること」とした場合、長期的に見た時につじつまが合わなくなって、間違った経営戦略を取ってしまいます。

例えば、社員の整理(いわゆるリストラです)や人件費の削減が最たるもの。

また、研究開発費や教育・研修費といわれる未来型経費を削減して、成長を止めてしまうというもの。

 

企業の成功定義は、「儲けること」や「業績の最大化」では決してないのです。

それはあくまでも結果現象でなのです。企業の成功定義は、「永続発展」です。

未来永劫継続して、その企業努力たる社会的価値を供給し続けることなのです。

 

それにしても、企業長寿の特徴は日本ならではの現象だそうです。毎年1000社以上の企業が、100年以上の社歴を迎えているそうです(帝国データバンク)。

日本的経営の正しさ、すばらしさを強調するデータであると言えます。

投稿日: 2019年1月8日 | 8:32 pm

経営とは”人を幸福にする活動”のことである

経営とは、究極的には社員とその家族を幸せにする活動のことである…とは、恩師:坂本光司先生の言葉。

法政大学経営大学院に入学した当初は、「経営とは儲けることである」との認識を持っていた小生は、坂本先生のこの言葉に、体中に電流が走ったことを鮮明に記憶しています。

本当の意味での”社員第一主義”を貫いている中小企業に、結果的業績が低迷している企業は、例外なく存在しません。

8000社とも言われる全国の中小企業を訪ねて、取材された坂本先生のその言葉は、その五感で感じ現地取材を通した実績からの結論だけに、ブレない説得力があります。

当時(11年、法政大学経営大学院学生当時)、坂本先生は「中小企業経営革新論」という課目で教鞭を取られていました。

曰く「人を大切にして、人を幸福にする会社」に経営の舵をきること…これこそが中小企業の経営革新である」。

その時放たれた、坂本先生からの電流は今でも小生の体中を駆け回っているわけです。

時々、「人を大切にしない会社」を見受けますが、その時はその電流がバチバチと体の中で蓄電され、その会社に革新を起こす支援がしたいという考えがフツフツと湧いてくるのです。

2019年は、人を大切にする、幸福にできる会社と、そうではない会社の格差がますます開きます。

間違いありません。

今日からの本格的な新年仕事始動を前に、ご縁があって関わることができた会社や個人商店が、「社員とその家族」「取引先とその家族」「お客様」「弱者を含めた地域社会」に対して”やさしい”会社になるような支援をしていきたいと、思いました。

 

投稿日: 2019年1月7日 | 12:05 am