勝って兜の緒を締め続ける…。

「勝って兜の緒を締めよ」という言葉。日露戦争時、日本海海戦にてバルチック艦隊を打ち破った東郷平八郎司令長官が言った言葉として有名です。

中小企業経営においても、この言葉の意味を鑑みることができます。

中小企業の経営は課題の連続です。

解決しても解決しても、次の課題に直面する…逆に言うと、課題が浮かばない経営は成長が止まってしまうということなのです。

特に、ブランディングを推進するような「高付加価値・高品質・高価格」戦略を実行していく際、気を緩めるコトなく走り続けるという覚悟が必要です。

企業や商品のブランディングが進めば進むほど、直面する課題も、大きく深くレベルが高くなっていくからです。

ネット社会の今日。いつ何時、悪い情報が流れて企業イメージが落ちてしまう事態になりかねません。

いい情報も早く伝わりますが、ネガティブな情報はもっと早く社会を駆け回る…怖い時代です。

ブランディングを推進していくコトに比例させて、人財教育・育成に注力しなければ、せっかく創り上げたブランド基盤が、根幹から崩れていくコトになりかねないのです。

まさに「勝って兜の緒を締め続けよ!」です。

投稿日: 2019年5月4日 | 4:39 pm

目標達成がコンサルタントの仕事か??

前にも書きましたが、「私は絶対に失敗しません。」とか、「必ず成功させます。」というコンサルタントに本物はいないと断言できます。

失敗?成功?その定義はともかくとして、業績が上向く事や、利益目標を達成する事が成功とするならば、なおさら「必ず」や「絶対」という言葉は信用できませんね。

もし成功法則が明確にできるコンサルタントがいるならば、自分でビジネス(事業)を始めていますよね。だって、ぜったい儲かる方法を熟知されているんでしょうから…。

また、経営コンサルタント(少なくとも中小企業診断士ならば)は、業績目標達成を絶対使命とすると、誤った経営判断を提案してしまいます。

コンサルタントの使命は「クライアントを”いい会社”にする事」であって「クライアントの業績目標を達成する事」ではないのです。

前にも述べましたが、業績がいいから”いい会社”とは限りません。”いい会社”だから業績がいいのです。

ですので、経営コンサルタントの仕事は、業績目標を達成することではなく、クライアントを”いい会社”にする支援という事になります。

念のために言っておきますが、業績目標をコミットするコンサルタントは結構おられます。

むしろ、小生のような価値観を持ったコンサルタントが少数派でしょうね。

投稿日: 2019年5月3日 | 11:41 pm

賞与の考え方

俗にボーナスと呼ばれることが多い賞与。サラリーマンにとっては、ボーナスを貰えることがひとつの目標になっていることが多いですね。

ちなみに、賞与制度というのは労働基準法で定められたモノではありません。

また、企業独自の制度内容を設計できます。

企業が賞与を設計し、制度化するとき気をつけなけばいけないコトがあります。

絶対やってはならない禁じ手は、社長が鉛筆ナメナメで勝手に決めてしまうコトです。

以前所属した会社では、コンサルタント会社にもかかわらず正式な計算式がありませんでした。

代表者に聞いても、「そがんとなか…(そんなものないよ)」と言われる始末。

じゃあ、どうやって決めていたのか甚だ疑問です。

人事考課制度と考え方は一緒で、賞与も社員のモチベーションを上げないと経営的には意味がありません。

その制度が、不透明な決め方で社長が勝って決めたとなると、やる気も失せるというものです。

それが、コンサルティングを生業としている企業が、平気で実施しているから呆れます。

社員が一人でも入り賞与制度を設定した際には、是非とも科学的な根拠(計算式)に基づいて、面談を併用して賞与額を伝えるコトがオススメです。

 

投稿日: 2019年5月2日 | 10:59 pm

社員研修は業務とマインドを併用して。

令和の時代になりましたが、時代が変わっても、人間と営みである”商売=経営”においては不変のものがあります。

それが社員(構成メンバー)の成長促進や育成といったものでしょう。

中小企業経営の唯一無二の経営資源である”ヒト”。

ヒト=人財の成長が、企業の成長に連動・比例することは間違いないからです。

では、中小企業経営において社員が”学べる”取り組み「社員研修制度」はこれからも断続的に導入・継続していく必要があります。

社員研修は、異業種が集まるような集合研修もいいのですが、何よりも「自社の業務を勘案したオリジナルの研修プログラム」がオススメです。

業務内容を意識した、マインド(経営理念)教育を併用した内容です。

したがって、社員研修を企画するコンサルタントやインストラクターは、企業の業務内容を可能な限り”知る”必要があります。

入念なヒアリングや現場視察により、出来うる限り現場に肉薄した業務内容の把握が重要です。

 

令和の時代は、我々のような士業にとってAIの出現が脅威になる時代と言われています。

AIは過去の膨大なデータから、未来を予想していくでしょう。

しかし、中小企業診断士や経営コンサルタントの仕事は、完全に未来のクリエイトです。

過去のデータや慣例にとらわれない、企業の”これから”を創る中小企業診断士の活躍の場は、これからも無限に広がっていくでしょう。

投稿日: 2019年5月1日 | 6:00 am

蘇る、ぞうさんギター

およそ27年前。大学4年生の時です。ハウスクリーニングのアルバイトをしていた小生は、ある友人と知り合いになりました。

彼は、家庭に特別な事情を抱えている青年で、年齢は小生より2歳年下でした。

学歴はなく、中卒で働いている男でしたが、とてもしっかりとした考えを持っていたことを覚えています。

アルバイトの休憩中、様々なことを話しました。

彼が置かれた特殊な環境、そして価値観、これからの人生のこと…。

触れ合った時間は短く、半年ほどだったと思います。

卒業をまじかに控えた小生は、ハウスクリーニングのアルバイトを辞めました。

アルバイト最終日、その友人は、小生に自分が使っていたギター「ぞうさんギター」をくれました。

その時、「あなたのように僕に接してくれた人は、はじめてでした。これからもお互いがんばりましょう。これは友情の証です。」と言ってくれたことが忘れません。

今では、名前も忘れてしまった友人。顔や表情だけははっきりと覚えています。

昨日、20年ぶりにその”ぞうさんギター”を押入れから引っ張り出し、弦を張り、電池を入れました。

スイッチオン…。

たどたどしいけれども、ちゃんと音を出してくれます。

ぞうさんギターは、ちゃんと生きていました。さっそく、弾いてみます。

まだまだ若かったころの思い出。短い期間でしたが、さまざまなことを語り合った友人との思い出とともに、ぞうさんギターは蘇りました。

 

平成最後の投稿になりました。その投稿をなぜか、おそらくもう会うことはないであろう友人のことを、思い出の大切なギターとともに思い出せたこと。

感慨深いものがあります。

 

投稿日: 2019年4月30日 | 11:59 pm

ブランドはスタッフが創る

中小企業経営の基本戦略は「高付加価値・高品質・高価格」戦略であることは間違いありません。

これを一言で言うと”ブランディング”ということになるのですが、ブランドはカンタンに構築できるものではないのです。

中小企業診断士として活動する小生が直面する中小企業経営の課題の多くは、このブランディング構築であると言っても過言ではないでしょう。

ブランディング戦略を進めていくにあたって、「広報戦略をどう展開するか」とか「営業部をどう動かすか」などの相談を受けますが、ブランディングの根幹は「品質=クオリティ」に他なりません。

つまり、小手先のテクニックで成立するものでなく、経営の根幹(クオリティ)にアプローチし、コミット(担保)しなければ構築できないのです。

ブランドは経営者だけが頭の中で推進するものではありません。

ブランドを創っていくのは、現場で頑張るスタッフ、メンバー達です。

ブランディング戦略をうまく推進していくために必要な要素(ファクター)はいくつかあるのですが、最も大切なのは二つと考えています。

「その戦略が経営理念に沿っているか?マッチしているか?」

「スタッフ、メンバーの成長を促す施策が取られているか?」

当然、経営自体が理念に向けてブレずに邁進していることが、必要条件です。

投稿日: 2019年4月28日 | 11:52 pm

経営会議はドラマである

コンサルティング活動の一環では、各種会議のファシリテートの場面が多くあります。

会議のファシリテートは、経営コンサルタントの大切な支援サービスの一つです。

コンサルタントが随所で課題の一石を投じ、頓挫した議論を滑らかに推進し、有効な決定事項を促す…その意味ではまさにプロのなせる技であるといえるでしょう。

下手なコンサルタントが絡む経営会議は、妙な圧迫感が漂います。

結果としていい議論(インプット)ができずに、魂のこもらない決定事項(アウトプット)が産まれます。

そして魂のこもらない決定事項は、実行が遅れたり、履行されなかったりします。

いい会議の成果が産まれ難いのです。

経営会議は、メンバー(プレイヤー)・参画者の”想い”を発現(発言)する場です。

言いやすい雰囲気、発言しやすい空気…そこには時に激しい議論が交わされ、時に笑いが起き、時にじっくりと深考する時間がある。

その時のタイムリーな課題にメンバー全員で向き合う。

他部門(他店舗)の課題を我が事として、しっかりと向き合う。

そこは、メンバーの想いが詰まった、まさにドラマなのです。

おそらく観覧客がいたら、見入ってしまうほど面白い、筋書きのないドラマでしょう。

そんな人間ドラマに、毎日のように携われる仕事に心から感謝している今日この頃です。

投稿日: 2019年4月25日 | 2:30 am

社内表彰制度のススメ

クライアント企業の取り組みとして、社内表彰制度を推奨しています。

企業経営において、定量的・定性的な貢献をしたメンバーに対する”ご褒美”制度です。

社内表彰制度は、定量評価だけで完結してしまうと諸刃の剣となりかねません。

考え方は人事考課・評価制度と同じなのです。

目的はひとつ。メンバーのモチベーションを上げるため…です。

悪例をご紹介しましょう。

その企業は、報奨金制度を設けていました。制度そのものは悪くありませんし、企業努力の一環として良いことだと考えます。

ただ、その評価項目が問題です。その企業が設けていた制度は、「新規(顧客)獲得・契約金額の年額30%を報奨金とする。それ以外は評価に値しない」というもの。

結果、その企業の社風はギスギス感が漂います。

まあ、トップがよく言っていた言葉が「仕事は結果(業績)がすべて」ですから、さもありなん…ですね。

社内のギスギス感は、よくない社風として承継していきます。

そのような企業は、禁欲主義的な社員ばかりが”のさばる”空気感が充満してしまうのです。

社内表彰制度は、定量評価(業績)と定性評価(プロセス)のバランスで設置しましょう。

その方がモチベーションが上がり、結果として良い効果をもたらします。

投稿日: 2019年4月24日 | 2:30 am

ブランディング戦略の最大失敗

中小零細企業が取るべき事業戦略、ブランディング。この「中小企業のブランディング」というものを、生涯かけて追い求めていきたいと思っています。

ブランディング成功すると、「高品質・高付加価値・高価格戦略」が可能になります。

価格競争を回避した、オンリーワン戦略が可能になるのです。

 

ブランディング戦略を立案・実行していくと、“思わぬ落とし穴”に落ちることがあります。

落とし穴は様々な形で、様々な場所にありますが、最大の失敗を教えます。

それは、企業や商品のブランディングばかりが先行して、人財成長が追いつかないことです。

 

なあ〜んだ、そんなことか?と思うなかれ。

人財成長が進まず、足元をすくわれた企業を散々見てきました。

 

末路は、せっかく築き上げたブランドが音をたてて崩れ落ちていきます。

 

理由は簡単な理屈です。

ブランディングという、経営努力をひとつひとつ積み上げていく行為そのものが“人財のなせる技”だからです。

ブランディングばかりが先行してしまうと、中身のないスカスカの品質・付加価値を招いてしまいます。

 

結果、足元をすくわれる事態になりかねないのです。

投稿日: 2019年4月23日 | 9:00 pm

リスクの高いクライアント

経営コンサルティングがボランティアではないというのは、以前にも述べました。

プロのコンサルタントである以上、コンサルティング支援は商品であり”報酬”もらう収入源です。

であれば、気持ちよく”いい仕事”をしてクライアントに最大限喜んでもらうことが大切ですよね。

経営コンサルタントを生業にしている人は、様々存在しますが、「クライアントは選別するべきだ」というのが考えです。

また、コンサルタントとして仕事をさせていただく場合、リスク(クレームや短期の契約解除など)の高いクライアントとはお付き合いしないようにしています。

今まで、のべ15年間のコンサルタント経験の中から、導き出した答えがあります。

ひとつは、経営に関する価値観の共有・共感ができない経営者はクライアントとはならないということです。

そして、成功報酬を依頼条項として持ち出してくる経営者も、お仕事ができません。

以前「成功報酬型で高額のフィーを考えている…」と提案してくれた方もおられましたが、即、おことわりをいれました。

経営コンサルティングにとって、成功とは何か?定義ができません。

また売上や利益を成功として定義する経営者もおられます(これ自体は価値観ですから否定はしませんよ…念のため)。

しかし、売上や利益を成功定義としてしまうと、テクニカルなことばかり提案・支援するコンサルティングを提供してしまします。

何度も言いますが、経営は「やり方」でなく「あり方」が評価されるシビアな世界です。

いい会社になるための支援をするのがコンサルタントのミッションでであり、売上や利益を上げることがミッションではないのです。

「利益を上げているからいい会社ではなく、いい会社だから利益が上がる」のです。

投稿日: 2019年4月22日 | 11:30 pm