ハートフル(心のこもった)コンサルティング

経営コンサルタントとして活動していると、ついついクライアントの業績にのみ目が行きがちになります。

中小企業診断士(プロの経営コンサルタント)は、クライアントの業績責任を負うことはできません。

クライアントの業績は、経営者自身が負うべきで責任です。

プロのコンサルタントが担う責任は、”クライアントをいい会社にする”ことに他なりません。

ちなみに小生のコンサルティング・クレド(信条)は、「叡智を導き、人幸福の企業経営を支援する」です。

企業経営は、ヒトが幸せになる営みなのです。

稀に、成果主義でコンサル支援を依頼される場合があります。

このような依頼は、コンサルタントとしては勇気を出して断るべきです。

企業経営の成果(業績が成果とするならば)は、経営者自身の責任だし、コンサルタントは「クライアントの経営パフォーマンスを向上させること」だからです。

経営コンサルタントが、クライアントにできることは絶対的に限度があります。

しかしながら、様々な制約条件(時間や労力など)の中で、最大のパフォーマンスを提供することがミッションであり、コミットメントすべきことです。

経営の現場に寄り添った、ハートフルなコンサルティング支援を約束していきたいですね。

投稿日: 2019年6月17日 | 8:00 am

M&Aを生業とするコンサルタント

M&A(企業の合併と買収)の支援をしているコンサルタントや、コンサルティングファームがありますよね。

中小企業の事業承継問題が顕在化している今日です。

彼らの事業には、一定のリスペクトをしています。一定の…。

なぜなら、企業の売買を事業として成立させる場合、その責任はとてつもなく大きいモノがあるからです。

しかし、ただ買収の仲介をして手数料(フィー)だけもらい、後の支援をまったく実施しないコンサルタント(ファーム)も存在します。

この種のある意味ブローカー的な、M&A仲介事業を手がける企業が”経営コンサルタント”を名乗ること自体、至極迷惑です。

ただ儲かるからとか、困っている経営者(中小企業経営者)を食い物すべくM&A支援事業を手がけるコンサルタント。

はっきり言いましょう。

事業承継の一環として、M&Aのニーズは高いモノがあります。

しかし、M&Aを手がけた場合の、事業軌道化(合併後の事業安定化と社員の待遇整備など)を手がけないとコンサルタントの仕事ではありません。

企業とはモノではなく、生き物です。

そこに集う人間たちの思いが詰まった集合体である会社。

その会社を売買するという責任感を痛切の感じて、M&Aビジネスを手がけてほしいですね。

投稿日: 2019年6月16日 | 7:48 pm

企業(自社)のポテンシャルを計測する

中小企業にとって、生き残るためのまたは、ブランディング強化のための経営戦略立案は重要なファクターであることに、間違いはありません。

経営戦略はいわゆる未来創造型の処方ですから、立案の際には自社の現状認識が必要になります。

現状を正しく認識しなければ、正しい戦略が立案できません。

では、何を持って認識するか?が重要です。

目に見える現状(例:企業理念は明文化している)はさることながら、目に見えない潜在的な現状能力(ポテンシャル)の分析が大切です。

目に見えない潜在能力は、「企業理念はメンバーに正しく認識され、行動指針として浸透しているか?」などの内容です。

このポテンシャルを計測していくため、定期的に自社の現状認識を施すことをおススメします。

以外と経営者の認識と、現場現状がズレている場合が多い。

このズレを放置していくと、間違った戦略を現場投下して、せっかくの経営資源(最大はヒト)を失う機会損失を招きかねません。

ポテンシャル(潜在能力)分析の手法については、このブログで様々オープンにしていきますが、経営資源(ヒト、モノ、ジョウホウ、カネ)別に調査・分析することが重要です。

ヒトについてですが、不満店をあぶり出すような調査方法は、意味が浅いですね。

最大で最強の経営資源であるヒトのモチベーション具合はどうか?モチベーションを引き出すための社内体制はどうか?など、前向きでポジティブな調査項目を立案しましょう。

投稿日: 2019年6月15日 | 11:00 pm

ブームはチャンスかリスクか?

これから何(どんな事業や業界)が熱いと思いますか?…とは、創業相談などでよく聞かれる質問です。

これまで様々な事業が、ブームに乗りそしてブームが去って衰退していきました。

ボーリングや岩盤浴、カラオケもそうでしょう。

衰退していった事業でも、見事に生き残って利益を享受されている立派な事業者も存在します。

しかし、ブームを求める事業は「チャンスか?リスクか?」というと…。

様々な考え方があると思いますが、中小企業診断士の立場からすると「リスクです!」と断言できます。

事業を始める場合に、何をもっとも考案しなければならないか?というと、事業の目的(理念)です。

このブログで再三主張していることですが、「何が儲かるか?」でなく「何のために商売をするのか?」を軸にビジネスプランを考案することです。

事業の判断基準をスタート時点から「損得」にした場合、様々な経営判断の局面において「損得勘定」をしてしまいます。

結果、お客様やスタッフが離れていく結果になりかねない…のです。

また、ブームを追いかけるビジネスは、ブームが去った後の生き残り戦略立案が極めて難しい。

このような理由から、ブームはビジネス(事業)にとってリスクなのです。

投稿日: 2019年6月12日 | 12:46 pm

クオリティはブランディングの礎

今日は大切な大切なご支援先である、佐賀市内の元気印企業、田島興産株式会社様で終日会議参画しました。

そこで嬉しいお知らせを受けて、無理を言ってブログに掲載することを許可してもらいました。

佐賀市上下水道局から、2018年度の工事成績優良企業のトップとしての表彰を受けられたのです。

平均点数87点の好成績で見事、最優秀賞の受賞です。

社員数50人ほどの中小企業が、生き残るための企業ブランディングを徹底して推進する、素晴らしい会社です。

田島社長に頼み込んで、写真撮影を許可してもらいました。

ん〜〜いい表情ですよ、社長!

中小企業の企業ブランディングは、商品やサービスの品質(クオリティ)がその趨勢を決定します。

価格でも、納期でもありません。

「ひ・ん・し・つ」です。

逆に言うと、中小企業は徹底した高品質を追求することが重要です。

「高付加価値に向けた努力が、高品質を実現し、結果として高価格を可能にする」のです。

田島社長、そして社員の皆様、本当におめでとうございました〜〜。

投稿日: 2019年6月11日 | 11:45 pm

プロジェクト型コンサルティング

中小企業診断士(経営コンサルタント)の仕事として、クライアントの経営パフォーマンスを向上させることが第一ミッションです。

経営パフォーマンスとは、業績か?というとそれだけではない…ということはこのブログで何度も主張しています。

コンサルティング支援内容は、クライアントの状況によって千差万別変化していきます。

つまり、同じ内容をコンサルティング支援するということはありえません。

経営コンサルタントは、クリエイティブな仕事です。

中小企業診断士だからと言って、「診断してコンプリート」ということはありえませんし、報酬(フィー)はいただけません。

経営コンサルティングのタイプに、プロジェクトというものがあります。

つまり、”何かを創り出す支援(お手伝い)”です。

コンサルタントの仕事は、プロジェクトメンバーのマインド・スキルを最大限引き出し、プロジェクトを成功に導くためのファシリテート、ということになります。

このプロジェクト型コンサルティングが、クライアントで計画・実施・実行支援できるか?が、稼げる中小企業診断士の分かれ道といってもいいでしょう。

ちなみに、小生がクライアントで支援しているプロジェクト支援は以下の通りです。

新規事業開発PJ、人事考課制度開発PJ、新商品開発PJ、採用制度開発PJ…他にもあります。

全てが、ゼロからイチを創り出すクリエイティブ・コンサルティングです。

投稿日: 2019年6月10日 | 11:00 pm

中小企業診断士は演出家である。

クライアントにて、総合コンサルティング(経営全般のコンサルティング支援)を展開していく場合、中小企業診断士の仕事は多岐に渡ります。

特に、演出家としてのタスクは、避けられないものがあります。

中小企業診断士は、演出家の側面を持たなければなりません。

演出家とは、映画や舞台などの作品における「監督」のことです。

脚本や台本を的確に解釈し、演出家として自分の方向性を決めます。スタッフや俳優をセレクトし、引っ張り、まとめ上げる。また、作品を納得いくまで創り上げる…。

まさに診断士の仕事でしょう。

中小企業診断士は、「経営情報(財務諸表や現状分析資料、視察から得られた1次情報)を的確に解釈し、方向性(仮説)を決定する。経営資源やメンバーをセレクトして巻き込みながら、経営課題に納得いくまで向かい合う」ことが仕事だからです。

中小企業診断士はプロの経営コンサルタントである以上、クライアントの経営パフォーマンス向上がミッションです。

経営パフォーマンスとは、業績的財務的な向上だけではありません。

それはあくまでも結果現象であり、クライアントが”いい会社になる”ことが正しいミッションです。

ミッションに向き合って、様々な課題解決をソリューションしていくプロセス。このストーリー(物語)を成功に導く演出家としてのマインドが、中小企業診断士には必要なのです。

投稿日: 2019年6月8日 | 11:00 pm

個人面談という診断手法

中小企業経営の実態に肉薄し、正しい現状を認識することがコンサルティング(処方)に入る初段階です。

よく、予備調査として財務諸表のみで現状を把握されようとする方(結構、税理士や会計士に多い)も見られますが、財務諸表だけでは企業経営課題の仮説(の一部)しか分かりません。

経営コンサルティングのプロフェッショナルである、中小企業診断士の手法は違います。

様々な手法を駆使して、クライアント企業の実態調査を進めるべきですが、そのひとつに”個人面談ヒアリング”という手法があります。

な〜んだ、ただ話を聞くだけか…と思うなかれ。

ヒアリングという手法は、プロのなせる技(高度な技術)なのです。

現場社員や幹部、経営者に至るまで話を聞いていくわけですが、そこに信頼関係がないと本音を話してくれません。

いわゆるラポール状態を構築する必要があるのですが、これがなかなか難しいのです。

特に現場社員のヒアリングの場合、警戒心からか、なかなか本音で話をしてくれない傾向があります。

ヒアリングの際に重要なポイントは、

①共感を生む”うなずき”や”返事”

②PCではなく、ノートやメモ帳を使用するアナログ性の演出

③なんのための面談・ヒアリングなのかを説明する動機付け

④面談者の話をできるだけ遮らない”傾聴力”

などが重要です。時間的には40〜60分が目安でしょう。

投稿日: 2019年6月7日 | 11:00 pm

人材流出は最大の機会損失である

中小企業経営にとって唯一で最大の経営資源は”ヒト=人財”です。このブログでも再三主張していることです。

人財の売り手市場(企業側の募集人数を人材の応募人数が下回る)、人手不足の環境はこれからも大きく変わることはありません。

少子高齢化により、労働人口は急激に減少しているからです。

AIなどの研究が進み、これまでヒトが担ってきた”作業部分”を代わりに実施してくれる時代の到来は、ある意味必然だったのでしょう。

しかし経営が、人間の営みである以上、人財が企業経営の趨勢を決めることは変わりありません。

特に中小企業においては、「ヒトが集まる、ヒトが辞めない、ヒトが育つ」経営をブレずに実施していくべきです。

例えば、人件費300万円で雇用した人財が、1年後に退職してしまったとしましょう。

1年間で投じた300万円という人件費は、すべて水の泡です。

その300万円を別の経費・投資として運用できたら??…。

中小企業にとって、どんばパフォーマンスを可能にできたか測れません。

それが将来有望な人財であったら、まさに機会損失(チャンスロス)ということになります。

人件費の考え方と”経費”と捉えている経営者は意外と多い…。

人件費は、”未来型経費=投資”という捉え方をしないと、経営判断を誤ってしまいます。

”人財流出は最大の機会損失”なのです。

 

投稿日: 2019年6月6日 | 11:00 pm

中小企業診断士は表現者である。

表現者という言葉を辞書で引くと、芸術などを通じて表現をするひと…だそうてす。

中小企業診断士をはじめ、経営コンサルタントを、生業とするひとは表現者でなければなりません。

何をもって表現するか?

ツールは五感です。コンサルタントの視覚、嗅覚、聴覚、味覚、感覚です。

表現方法は、話すことと書くことです。

この表現者という例えは、他の法律系士業とは明らかに違うポイントです。

完全に、未知の未来志向型専門家士業の最大の特徴と言っても、過言ではないでしょう。

また、経営コンサルタントや中小企業診断士には、それぞれの主義主張があります。

法律のように決まった定義などがない経営の世界では、正解というものは存在しません。

また、価値観も多種多様です。

経営コンサルタントの中には、「コンサルタントの使命はクライアントを儲けさせることである」と断言する人もいます。

コンサルティング手法においても、ビジネス書に書かれているノウハウをそのまま使用するコンサルタントもいます。

以前の小生の上司のように、部下・後輩のノウハウをそのまま使う輩もいます。

少なくとも、表現者である中小企業診断士であるならば、ノウハウは自分の経験に基づいてオリジナルを開発していくべきです。

開発し、確立した主義主張やコンサルティング価値観などを、表現者として発信していくことが必要なのです。

投稿日: 2019年6月4日 | 6:00 am