リーダーの資質を考える

コンサルタントとして、クライアントの支援をしているとメンバーの退出(退職)という局面に出会うことが時々あります。

時にそのメンバーが、経営幹部である時には経営側は退職のケアをするためにコストや時間、労力を費やさす事態になります。

時々思うのですが、幹部に必要不可欠なリーダーの資質(リーダシップ)とは何なのでしょうか?

様々な文献や研究がなされている分野ではあるのですが、経営(商売)の場合、スポーツにおけるリーダーシップとは相違点が多々あります。

商売は勝敗でありません。

商売(経営)は、人を幸せにする活動です。ですので、経営に携わるリーダーは、メンバー(部下やスタッフ)の幸せを実現するための言動が求められます。

リーダーの言動が私利私欲にまみれたものであるならば、リーダーとメンバーの信頼関係は成り立ちません。

また経営の場合、特に「あんたのためなら人肌でもふた肌でも脱ぎますよ…」と思われるような人間的魅力が第一です。

特に経営者と幹部には、その人から慕われるような人間味溢れたキャラクターが最適です。

よく「経営者は最高の営業マンでなければならない…」と訴えるコンサルタントもいますが、それはどうか??と思います。

営業マンは「売り込むこと」がミッションですが、人間味あふれる経営者ならば、お客様側から「買ってくれる」ようになることも可能ですよね。

リーダーの資質は、「人から慕われること」に他ならないのではないでしょうか。

投稿日: 2019年7月5日 | 11:00 pm

事業承継の難しさ

中小企業の後継者問題が、近年特にクローズアップされています。

社会問題と言ってもいいこの問題は、中小企業に支えられている日本の国力の問題といっても過言ではないと思っています。

しかし、事業承継というのは本当に難しい課題です。

経営コンサルタントの業界でも、特に会計事務所や税理士法人などが主体となって事業承継問題に取り組んでいる現状です。

なるほど、相続問題が絡んでくると税金や資産・負債の承継につながる、会計事務所のお得意分野であることに間違いはないでしょう。

一方で、事業承継は”単なる財産(資産や負債)”の問題ではないのです。

それは”想い=経営理念”の承継、そして承継後の経営戦略を立案実行していく”経営資源”の承継なのです。

ここに、事業承継の本当の難しさが隠されていると思っています。

いくつかの失敗パターンがありますが、もっとも散見される失敗パターン。

”短期間で思いつきのままに実行”してしまうことです。そして”想い=理念”の承継ができずに、後継者候補へのバトンタッチができない…パターンです。

事業承継は、長期的(10年を目処)に計画を立てることが重要です。

経営資源(ヒト・モノ・カネ・ジョウホウ、その他)別の承継・成長計画をできるだけ詳細に予定立案していくことが重要です。

経営者が承継者に対して、ストレスなく経営のバトンタッチができるような、ソフトな計画立案をしましょう。

投稿日: 2019年7月4日 | 6:30 am

空手を通じた学び…。

小生の通う空手道場は、佐賀市大財にある「和道流古賀道場」(わどうりゅうこがどうじょう)と言います。

様々なコースが設けられています。子供達(幼児から小・中学生)が通う夕方の練習(月〜土17:00〜19:30 ※土曜日は15:00〜18:00)。

大人のコース(毎週火曜日・金曜日20:15〜22:15)など…。

小生は、主に子供達が通う練習に参加しています。

今日の空手稽古。とても嬉しい出来事がありました。

通常練習後、いつも「練習、お願いします!」と元気に言ってくる小学3年生の男の子(そうたくん)がいます。

その小学生との約15分間の居残り練習をするのが、最近のルーティーンとなっているのです。

練習後、九州大会(鹿児島にて開催)でのお土産をいただきました。

嬉しかったのは、「いつもありがとうございます。これお土産です…」と恥ずかしそうに渡してくれた小学生の”気持ち”でした。

自分が少3の時、こんな心遣いができただろうか…?

積極的に「練習お願いします!」と発言することができただろうか…?

何度過去を振り返っても、答えはNOです。

本当にりっぱな子供だと思う。改めて、空手という武道の持つパワーに驚かされます。

そうたくんは、先の佐賀県大会で優勝、九州大会でも第3位という立派な成績を残しています。

それにしてもこのお土産、小生が日本酒好きだということを知っているかのようなチョイスです(笑)。

そうたくん、本当にありがとう。

こちらこそ、君から元気と勇気をもらっていますよ。何より練習相手になってもらっているのは、小生の方です。

これからもよろしく!笑笑。

 

投稿日: 2019年7月3日 | 11:00 pm

ハンドメイド・コンサルティング

経営コンサルティングは、ビジネスである以上報酬をもらって仕事をします。あたりまえですが…(笑)。

コンサルティング支援を仕事とする上で、報酬(収入)の組み立て方は工夫の必要があります。

コンサルティングの報酬を、大きく2つに分けるとしましょう。

一つは1回限りの支援(研修やセミナー、講演会)、

もう一つは、継続的な支援(顧問)です。

安定的に経営コンサルティング支援を生業とする場合、断然継続的な支援が理想となります。

これは、長期にわたり継続して課題を解決していく、伴走型の支援といってもいいでしょう。

当然ですが、クライアントの経営実態に肉薄して、事実確認と現状認識を徹底的に行うことが条件となります。

クライアントの規模や業種業態もさることながた、構成員(社員、メンバー)のキャラクター、経営者の人物像など変数は無限にあります。

ですので、同一無比のクライアントなど世界中に存在するはずもありません。

そのクライアントに、経営パフォーマンスを向上させるコンサルティングサービスを提供するのですから、処方箋となる提案戦略も無限ということになります。

確立されたパケージコンサルティングではなく、ハンドメイドコンサルティングが重要です。

個別具体的な課題を、個別具体的な手法で、個別具体的に解決する…現場・現物・現時の3限主義に基づいた手作りのサービスを提供していきましょう。

 

次回は、ストックビジネスとしてのコンサルティングサービスについて書きます。

投稿日: 2019年7月2日 | 11:00 pm

人材の成長って??

中小企業経営の最強経営資源は、ヒト=人財であることは間違いありません。

ということは、”人を大切にする経営”こそが経営の第一義であり、とりわけ中小企業が目指すべき経営の姿と言えます。

クライアントのコンサルティング局面において、小生はよく「人(メンバー皆さん)の成長が企業の成長です」と言っています。

その主張に対して、「人の成長ってどういうこと?」という質問をもらいます。

なるほど、抽象的で解りにくいですよね。

人材の成長とは、「主体的に考え、能動的に計画し、積極的・具体的に行動」できるようになる…ことです。

「主体的に考える」とは、課題を我が事として向き合うことです。

「能動的に計画する」とは、自ら課題解決をスケジューリング化できることです。

「積極的・具体的に行動する」とは、前傾姿勢で、具体的な発言・アクションを起こせることです。

また、人材の成長に欠かせない意識は、目的意識・問題意識・価値意識の3つです。

目的意識は、「何のために?」という意識。

問題意識は、「これでいいのか?」という意識。

価値意識は、「何が大切なのか?」という意識です。

この3つの意識を磨き上げていき、主体的に考え、能動的に計画し、積極的・具体的に行動できるということが、人材の成長プロセスです。

当然のことですが、この人材の成長プロセス環境を整備することが、経営者の責務であることは間違いありません。

投稿日: 2019年7月1日 | 11:41 pm

人材を人財として見抜くスキル

経営者は、ある意味”人たらし”でなければならないと思います。

中小企業にとっての最大で最強、唯一無二の経営資源は”ヒト”であり、周囲にヒトが集まる経営者は事業失敗の可能性が低減します。

太陽のように、周囲の人間に対して温かみと恩恵を与えられる経営者は、本当にすばらしいと思っています。

一方で、どうしてこんな人財が幹部として登用されているのか?と疑問に思わざるを得ない、人事マネジメントも時々見ます。

以前所属していた会社にもありましたが、営業力のある人間(本当の営業力かどうかは甚だ疑問)が、リーダーとなっている事象。

販売会社においても、「稼げる=マネジメント力がある」では絶対にありません。

会計事務所や放送局などの知的産業ならばなおさらです。

マネジメントというのは、スタッフのモチベーションを上げることから始まります。

マネジメント力がある人財のスキルを、経営者は見抜かなければならない。

その人事戦略を間違うと、後々辻褄が合わなくなり、修正のための多大なコストと時間を要します。

経営者は、周囲の人から慕われ、リスペクトされ、信頼される必要があります。

同じように、マネジメント力を備えた人材の資質を見抜き、リーダーとして登用することに留意する必要があるのです。

投稿日: 2019年6月23日 | 8:55 am

コスト削減しか提案できないコンサルタント

会計事務所の監査スタッフ、税理士の先生方のありがちなコンサルティング風景。

経営者に対するアドバイスの際に、業績数値結果(財務諸表など)を見ながら、コスト削減を中心として話をすることが多くあります。

過去、会計事務所での勤務経験から、このような風景をよく見てきました。

なるほど、財務諸表を診ると販管費(販売費及び一般管理費)の中に、膨らんでいる勘定科目があります。

その勘定科目の削減を指南することは、至極当然なこととも思えます。

一方で、膨らんだ勘定科目の削減は、”だれでも言うこと”ができます。

これが、人件費ともなるとなおさら。

人権負の削減は、原則として「やってはいけない」戦略です。

戦略なきコスト削減は、企業の体力を奪います。

中小企業診断士として活動するならば、コスト削減の前に、増収(売上を創ること)を提案することです。

そして、高付加価値化戦略を提案することです。

一言で言うと、コスト削減提案は誰でもできます。

増収・高付加価値戦略の提案は、財務諸表などだけでは浮かんで来ません。

経営者との詳細な現状(強み、弱み、機会、脅威)ヒアリング、現場確認、スタッフの意識調査、商品・サービス調査などの現状認識作業によって浮かび上がるのです。

 

投稿日: 2019年6月22日 | 11:49 pm

セミナーのクオリティは熱意と具体例とユーモア

今日はコンサルタントの大先輩である、RE-経営(アールイーけいえい)の嶋田先生のセミナーアシスタントを務めました。

会場は福岡市博多区のリファレイン駅東、貸会議室です。

中小企業経営者から会計事務所スタッフ、社会保険労務士やプロのコンサルタントなど、30名を超える方々が受講されています。

テーマは、経営承継「可視化」戦略セミナーというものです。

今、中小企業経営の最大の課題「事業承継」を円滑に進めていくための計画書、戦略立案をSWOT分析を駆使して策定していきます。

この「可視化」ということがポイントで、見える化することにより、経営・事業のバトンタッチをスムーズにコミットメントするノウハウなのです。

それにしても、嶋田先生のセミナーはいつもながら面白い。

熱意あふれる話し方・訴求力。そして具体例に裏打ちされた説得力ある内容…。

今回も本当に刺激になりました。

仕事柄、様々なセミナーや講演会に参加する機会がありますが、正直言って眠たくなるような内容も多い。

セミナーは刺激と気づきをもらい、それを自らの事業に反映・投影させなければ意味がありません。

また、クドクドと抑揚のない話をされる先生のセミナーは、正直つまらない。

話の中に、ユーモアがあればなおさら面白いですよね。

まさにセミナーは熱意と具体的事例の提示、そしてユーモアがクオリティを決めます。

嶋田先生は、小生が新卒入社した時のコンサルファームにおける上司なのです。

当時の上司というのは、不思議なものでまさに「あひるの雛の刷り込み行動」。

経営している会社は違うのに、永遠の上司という感覚が拭えません(笑)。

嶋田先生、今日も本当に勉強させてもらいました。ありがとうございました。

投稿日: 2019年6月20日 | 11:40 pm

10年ひと昔…独立5年目の夏

令和元年のスタートである5月は、小生のコンサルティング・オフィス「エイチ・コンサルティング」第5期目のスタートでもありました。

あす、小生は誕生日を迎えます。この10年を振り返り、30代はひたすら走った時代のおかげで、充実した40代を過ごせている…と思うこの頃です。

独立したのは4年前です。

この4年間は、当初は苦しい時もありましたが、徐々にクライアント様にも恵まれ今日に至りました。

独立して本当に良かったと思っています。

フリーの中小企業診断士(経営コンサルタント)は、何から何まで自己責任です。

クライアントの未来を創るお手伝いをしている以上、自分の経験や知識・智恵、人脈をフルに駆使して、寄り添うことが重要です。

志高い中小企業診断士の皆様には、ぜひフィールドに飛び出して「困っている中小企業経営者」のために奔走してほしいと切に願っています。

よく、中小企業診断士は「喰えない資格」と言われます。

小生が資格挑戦する時も、「一銭にもならない資格を取ってどうすんの?」とありがたい(笑)言葉をかけられたこともあります。

断言しますが、どんな士業でも”何もしなければ”食えることはありません。

中小企業診断士は、”立派に食える資格”です。では、収入を上げて独立・自活していくには、どのような戦略を立案するか?が大切ですよね。

それに、企業内でぬくぬくとしている診断士に、毎日毎日「生きるか死ぬか」の勝負をしている経営者が仕事を依頼しますか?

小生が独立開業した理由は、「経営者と同じ土俵に立つべき」という信念があったからです。

独立5年目の夏を迎えました。

様々な趣味で、生きる愉しみを味わいながら、仕事でも中小企業の経営現場を思う存分駆け回りたいと思います。

投稿日: 2019年6月19日 | 11:57 pm

生涯就労時代の到来

中小企業診断士として活動していると、企業経営の最終目的は「人を幸せにする」ことだと実感します。

ヒトの中でも、とりわけ一番に来るのは「社員(無期・有期関わらず)」を幸せにすること…というのは恩師・坂本光司先生の言葉です。

小生も全くその通りだと思っています。

企業経営は、「お客様第一主義」の前に「社員第一主義」でなければならない。

なぜならば、社員が幸せでないと、お客様を幸せにすることなど到底できないからです。

人の幸せは、”働く”ということで実現できると考えています。

働き、人に接し、人に喜ばれ、自分も喜ぶ…これが生きているという証ではないでしょうか?

 

超高齢化社会の今日、我々40〜50代の人が、年金だけをもらいながら豊かで幸せな老後を送ることなどできっこありません。

人生の最終コーナーに入り、悠々自適な暮らしを愉しんでいくためには…?

本当に、向き合わなければならない命題です。

静岡県磐田市にコーケン工業という会社があります。

仕事をしているスタッフの年齢は、10代からなんと90代までの方々です。

コーケン工業には定年制がありません。働けなくなるまで働ける会社です。

当然、障害者の雇用にも注力しています。

4世代が頑張っている企業として脚光をあびる優良企業。こんな会社が、増えていけばいいなと思います。

これからは、まさに生涯就労の時代。

生涯にわたって社会に貢献し、収入を得ていく。その収入で幸せな老後を送る…こんな人生を目指したいですね。

投稿日: 2019年6月18日 | 11:00 pm