起業予備人が心得る(備える)こと

超情報化時代の今日。また、働き方の多様化が加速している今日。”起業”を志す人も少なくありません。

前述したように、日本の開業率は約5.2%(2017年統計 中小企業白書)ほどであり、欧米諸国と比較して決して高いとは言い難い現状です。

とはいえ、企業を志す人は実在し、商工会議所などの経済団体が主催する”創業塾”などの参加者も毎年存在しています。

がんばる中小企業を応援する立場の小生としては、起業して創業し、自己実現を図ってもらいたいと心から願っています。

起業は、成功するというより”失敗しない”ということが大切です。失敗とは”事業の断念”を意味しています。

起業することを構想している人(=起業予備人)は、あえて失敗しない準備をぬかりなく実施してもらいたいと切に願います。

起業を志す人が、不安を持っているファクターは「カネ」→「モノ」→「ヒト」の優先順位で表されると推察されます。

まずはカネの心配です。当たり前ですが、経営の血液たる「カネ」がないと事業がスタートできません。

また毎月の試算表で現状認識して対策を打っていかないと、たちまち資金が枯渇していきます。資金繰りという重要な課題です。

売上が思うようにいくか…?これもいわばカネの問題でしょう。

次にモノの心配。思うようなモノ(商品)が造れるか?仕入れることができるか?供給できるか?などです。

最後にヒトの問題でしょう。飲食店などを開業する場合、スタッフの確保も重要な課題です。

起業家(創業者)のみでオペレーションを進めていくことなど、まず不可能に近いからです。

投稿日: 2020年1月8日 | 6:46 pm

営業力・販売力の本質

中小企業経営の究極のあり方は、営業部を置かずに商品が勝手に売れていくようなブランディング構築だと考えています。

つまり、プッシュ型の営業展開ではなくプル型の「お客様からの引き合いが継続的にある」状態を作ることです。

とはいえ、売上を作り出す営業部門(販売部門)の強化は、一般的な中小企業経営には必須と言えましょう。

零細企業の場合は、営業という仕事を社長が担うことが多いですが、社員が増えていくにつれて営業(販売)スタッフを育成する必要があります。

では、営業(販売)力の本質は何でしょうか?

営業力とは、営業トークやプレゼン力を身につけて磨き上げること…ではありません。もちろん、それはテクニック(技術)として必要なファクターではあります。

以前、とある保険営業マンと「営業力」についてディスカッションしたことがありましたが、彼女は「お客様をいかに”その気(買う気)”にさせる話術”と主張していました。

正直言って、そのチープで自分勝手な主張に、とても違和感(嫌悪感)を抱いたことを今でも覚えています。

営業(販売)力というのは、人間力(人間的魅力=人格力)です。

営業スタッフが、魅力に溢れ、この人から買いたいと思ってもらえる人格力を備えているか?が全てです。

そして、優秀な営業スタッフが訴える会話の内容は、”商品説明”ではありません。

自分の所属する企業の努力(例:その商品がどんな努力で開発(仕入れ)されたか?)や価値(所属企業がどんなにいい会社か?)を訴えることに他なりません。

お客様が、「あなたの在籍する企業はきっといい会社なんでしょう。その会社で取り扱う商品はきっと素晴らしいはず…」と思ってもらえるかどうかが決めてなのです。

投稿日: 2020年1月7日 | 9:03 am

知性は知識を集め、知識は知恵の温床となる

知性というのは、物事を知り考え、判断する能力と一般的に理解されています。この知性は、社会人にとってとても重要なスキルだと考えています。

まず”知らないことを知る”喜びを、喜びと思うか何も考えないかでは、学び方・働き方に多く影響してきます。

知性があれば、豊富な知識を得ることができます。知識は情報そのものです。

そして豊富な知識は、”知恵”を育みます。

社会では知恵がもっとも大切であり、知恵は中小企業経営にとってとても大切な財産となりえます。

経営資源に乏しい中小企業経営にとって、構成員(メンバー)の知恵こそが武器となりえます。

 

中小企業の社員教育を考えた場合、経営理念に沿った「ものの見方考え方を統一する」内容を盛り込むことと同時に、知性を磨き、知識を集めて知恵に変換する内容を盛り込むことが重要です。

中小企業の社員教育は、手法やテクニックを学ぶ前に、姿勢や意思を強化する(気づかせる)ようなプログラムが望ましいです。

「売り方」や「作り方」などの「…な方法」だけを学んでしまうと、テクニックに走る社員が出来上がります。

「策士策に溺れる」という言葉があるように、テクニックだけの仕事は限界があります。

まず大切なのは、自ら知性を磨く社員を育てること。

知性を磨けば、知識を集め始めます。そして、知恵に変える具体的な啓発プログラムを立案し、実行していくことが重要です。

 

表題の「知性は知識を集め、知恵の温床となる」は、現場で社員教育に携わる上で出した結論です。

投稿日: 2020年1月6日 | 9:07 pm

経営基盤強化メカニズム−3

「経営理念創出会議」は小生のコンサルティングサービスとして、確立することができました。何度も言いますが、経営理念は起業の「共通の価値観」として創出し、起業を構成するメンバーの行動指針としてマインド浸透させる必要があります。

経営理念の創出会議を演出するファシリテートは、中小企業診断士(経営コンサルタント)としてプロのなせる技であると断言できます。

小生のオフィス(エイチ・コンサルティング)では、研修スタイルでの創出会議を推奨・提供しています。

ざっと15時間(5時間×3日間)のプログラムです。一例を示しますので、是非参考にしてみてください。

一日目)

⒈レクチャー「経営理念の意義」「躍進起業の経営理念」

⒉ワーク「経営理念とマネジメント」

⒊SWOT分析によるグループワーク「我が社の強み」「我が社の弱み」→キーワードの創出

⒋SWOT分析によるグループワーク「我が社を取り巻く機会(チャンス)と脅威(リスク)」

二日目)

⒌外部環境の変化予想→経営者から発表→我が社の向かう市場に関するグループワーク

⒍経営者による講話「創業(事業承継)の経緯と創業時の価値(大切にしていること・マインド)」

⒎我が社の中期ビジョンの見える化・明確化→明文化ディスカッション

⒏行動基準の創出「社員への約束」「お客様への約束」「関係先への約束」

三日目)

⒐行動基準の決定・調整・完成

10.経営理念(一言フレーズ)の創出・完成

11.経営理念全社浸透戦略のディスカッション

以上です。

全行程にわたりブレーンストーミングスタイル(発言しやすい空気感の演出)で実施することが肝心です。

投稿日: 2020年1月5日 | 5:53 pm

”起業”を考える…。

2020年は、起業家の創業支援に注力しようと思っています。日本社会において、欧米諸国と比較した時起業率は5%台を推移しており、決して高いとは言い難いものがあります。

特徴的なのは、「周囲に起業家がいる」「周囲に起業に有利な機会がある」「起業するために必要な知識・能力・経験がある」という指標が極めて低いことが分かります(中小企業白書より抜粋)。

どうやら日本社会は、常に安定志向が根付いており、起業=リスクと捉える傾向があると思われます。

同時に廃業率も低く(3.8%前後)、国民性としての”起業せず”というマインドが基本となっているのでしょう。

しかし、小生は思うのです。大学生が”就活”という仕事探しがあるように「起業活」なるものがあってもいいのではないかと…。

大企業に就職することや公務員試験に合格することが、決して美徳とは言えない。

大学生の時に起業してベンチャー企業を立ち上げ、大成功した人もたくさんいます。

起業して会社という”船”を創り、市場という”大海原”に漕ぎ出すことは、とても魅力的でかっこいいことではないでしょうか?

小生も44歳の時にコンサルティングオフィスを創業し、起業しました。自分自身で切り開く”経営”は、とても魅力的でダイナミズムに溢れています。

何より、何のしがらみもなくお客様(クライアント)のお役に立つことに集中できます。

サラリーマン時代には味わえなかった、”やればやっただけの評価(=報酬)”を手に入れることができました。

投稿日: 2020年1月4日 | 3:40 pm

”働き方”がもっと見直される時代(とき)。

現在、政府が提唱してる”働き方改革”というものが、中小企業経営の実態に即していない場合がずいぶん見受けられます。

賛否両論あるのが実情なのですが、およそ10年前から見れば、就労者にとって良い条件となっていることは確かでしょう。

2020年は、”働き方”というものがさらに見直される年になりそうな気がしています。

真の働き方改革とは、「働いて愉しい会社を創り上げること」というのが小生の主張です。

小生の大切なクライアント様において、”いい会社プロジェクト”というものを進めている企業があります。

社員教育にとことん注力し、社員の会社へのロイヤルティ(忠誠心・愛社心)も高く、顧客満足度に誠実に向き合っている素晴らしい会社です。

本当の働き方改革とは、時短の制度や賃金規定などのガイドラインを整えることだけではない。

どちらかというと、制度整備は中小企業の経営を圧迫してしまう事態も兼ね備えています。

働く人が、「時間も忘れて夢中になり、仕事自体を愉しむ環境づくり」こそ真の働き方改革と言えるでしょう。

どうやら日本的経営の負の面として「働くこと=きつくて苦しいこと=お金をかせぐための行為」などという風潮が根付いているような気がしています。

働くということは「人のお役に立つこと=喜びを得られる行為=愉しいこと」であるはずなのです。

中小企業経営は、機動性があります。様々な取り組みが機動的に展開できる特徴があります。

2020年度は、がんばる中小企業がますます脚光をあびる年となるでしょう。

投稿日: 2020年1月3日 | 9:13 am

乾坤一擲

乾坤一擲(けんこんいってき)という言葉が好きです。意味は、「最大限の準備をして、運を天に任せた一世一代の勝負をすること…」と理解しています。

中小企業経営を達観していると、乾坤一擲の勝負をする場面が多々あります。

大切なのは、”最大限の準備をすること”であり、勝負をすることではありません。

今、自分のコンサルタント人生における乾坤一擲の勝負をする準備を着々と進めているところです。

発動は4月の初めでしょうか…笑。自分自身も楽しみにしている取り組みです。

 

経営資源に限界がある中小企業が、新規事業をスタートさせる時…創業して新しいビジネスを始めようとする起業家…など、乾坤一擲の場面は多々あります。

徹底した準備は、ぬかりなきよう進めたいところです。

準備は、あらゆる局面をシュミレートすることですが、「根拠のある事業計画書」もその一つでしょう。

また、経営にとっての血液である「資金」の準備をどうするか…。

人材をどう配置するか…。そして、撤退戦略を想定しておくことも必要です。

 

中小企業は、戦略・戦術(打ち手)を断続的に投下していく必要があります。

とはいえ、価格競争はさけなければなりません。価格ではない、価値をいかに創造するか、価値をいかに市場に伝導させるか…。

受け身の経営は、外部環境に翻弄され、業績悪化の一因となっていきます。

2020年のスタート。今年も新しい経営者、元気な中小企業とのご縁があるでしょう。

乾坤一擲の場面に、どれだけ遭遇し支援する機会があるか…これから本当に楽しみです。

投稿日: 2020年1月2日 | 7:16 am

2020年の錨を上げよ!

2020年がスタートしました。新年明けましておめでとうございます。

どうか、ご縁のある方々に幸せが訪れますように心より祈念しています。

中小企業診断士として、新たな領域(海域)に踏み込み、経験したことのない未知の挑戦をしていきます。

経営は航海と似ています。

小生も、コンサルティングオフィスを法人(株式会社)として、創業して6年目の年になります。

経営コンサルタントとしては、20年目に入ります。

この数日は、2020年にプロの経営コンサルタントとして挑戦していくアイデアを、じっくりと考察する時間にあてます。

そしてまた、6日(月)を皮切りに、錨を上げ、2020年の航海に出港します。

決意…

1.中小企業経営支援の真髄を極める…新しい価値を創造し続ける。

2.新しいビジネスモデルを確立する…すでに準備を整えつつあります。

3.新しい趣味を始める…今まで経験のない新しい人生の愉しみを見つける。

4.空手の大会で爪痕を残す…3月の九州大会、9月の全国大会で悔いのない成績を残す。

5.母校、法政大学経営大学院に行き、授業を受けて初心に戻る…笑。

6.ITを使った新規事業をスタートする。

7.2019年以上に愉しく生きる!

さて、どんな年になるのか…。

みなさん、変革を愉しみ、変革を恐れず、変革を起こしていきましょう!

投稿日: 2020年1月1日 | 12:00 am

中小企業経営支援の真髄を極める…

今日で2019年が終わります。今年一年の仕事を振り返ると、良かった点、課題点などさまざま浮かんできます。

できなかったことも多々。できたことも多々。

思わぬ発想が浮かび、新しいビジネスの準備ができたなど、愉しみなアイデアを形にできそうなことなど…来年の布石もできました。

 

そして、クライアントさまへの支援内容に純粋に向き合ったか?手を抜いたことはなかったか?何より、ご縁のあったクライアント様を元気にできたか…?

さまざまな振り返りをしますが、何より愉しく仕事ができたか?と言われると迷わず”YES!”と答えることができます。

本当に愉しい、ワクワクする一年でした。

中小企業診断士(経営コンサルタント)の仕事は、小生にとって”これぞ天職!”ということを再確認できました。

 

さあ、2020年が始まります。あと18時間後というところでしょうか?

年明け早々に、2020年の活動指針ともいうべき、仕掛けを考えています。

 

表題「中小企業経営支援の真髄を極める…」は、来年2020年の小生の活動スローガンです。

中小企業診断士として、さらなる活動の質と量と範囲を拡大していこうと決意しています。

何よりも、”新しい価値を創造し、社会に投下してく…”。

 

中小企業診断士の仕事は”無限である”ということを証明したいと思っています。

 

さよなら2019年…。またひとつ、人生の年輪を刻むことができました。

2020年からの10年間は、中小企業診断士・川﨑英樹の集大成となる期間とします。

 

投稿日: 2019年12月31日 | 6:05 am

ビジネスは無限である、コンサルティングは無限である

中小企業経営者に、現在の業況苦戦している原因を尋ねると…「近隣に大型ディスカウント店舗ができたから」とか「消費税が始まったから」などと外部環境に責任転嫁する方がおられます。

大型ショッピングセンターの台頭や、消費税のUPなど突然始まった現象ではない。

いずれ直面する逆風だと知りながら、”打ち手”を講じてこなかったことが”原因”なのです。

いつの時代も、どんな景気でも”経営戦略(打ち手)”は無限だと信じて、逆張り経営を徹底している中小企業はあるのです。

まさに、ビジネス(事業)は無限の可能性を秘めています。

経営者として、外部環境に責任を転嫁するならば、即刻事業を畳んだほうがいい。いずれ、やってくる逆風に立ち向かうことができずに、倒産の憂き目に会うことが必然です。

また、中小企業診断士として現場を駆け回っていると”コンサルティング支援も無限である”ことに気付かされます。

どんな企業でも課題があり、とくに中小企業は課題難題の連続です。

経営者と一緒に、幹部・社員の方々と寄り添いながら、課題難題解決に向き合わなければなりません。

課題解決の手法・戦略は無限なので、実践具体策を立案し、優先順位をつけて実行していく。

優先順位は「効果性(効果が大きい策)」「経済性(コストを勘案)」「持続性(続けることができるか)」から検証します。

業績向上・回復が課題ならば、コストを下げるよりもまずは収入(売上)を上げる戦略から考えることが優先です。

コスト削減ならば、人件費(未来経費)よりも水道光熱費・交際費・地代家賃などの現在経費を削減する策が優先なのです。

投稿日: 2019年12月30日 | 10:12 pm