”いい会社”になるために…。その実像に迫るー1

大学院時代も、修了後も、そして今でも中小企業経営学の恩師である坂本光司先生。坂本先生が研究された”いい会社”になるための要因(ファクター)をまとめた、チェックリスト「いい会社になるための100の指標」というものがあります。

そのチェックリストを改めて吟味させていただきました。

内容を明かすことはできませんが、なるほど、いい会社というのは”スキ”がありません。

毎年、「人を大切にする経営学会」が主宰するアワードで、全国の中から「すばらしい経営をされている企業」を表彰するというイベントです。

そこは、忖度も何もない純粋かつ厳正な審査があります。賞はいくつか用意されていますが、もちろんあらゆる角度から、企業の姿勢や貴重な取り組み、努力を診られることになります。

このアワードには、「いい会社になるための100の指標」を100点満点中、70〜80点はクリアしていないと表彰の大賞にはならない…と坂本先生の言葉。

とてもハードルが高い難易度です。

”いい会社になるための100の指標”を詳細に分析していくと、業績に関するチェック項目は圧倒的に少ない。

では、何を診られるか…?それは経営に対する姿勢(あり方)なのです。業績(収益)はあくまでも結果現象。正しい経営を組織の隅々まで実践しているか…を問われますし、診られます。

今日のような緊急事態に対応できるのは、”いい会社”に実証される企業なんだと改めて考えさせられます。

内容は明かせませんが、次回項目を教えましょう

 

投稿日: 2020年4月8日 | 9:09 pm

”いい会社”になる取り組み…はじめませんか?

今日のような緊急事態において、これから将来にわたり企業経営の格差を覚悟する必要があります。正しい経営をしている中小企業…、損得勘定で”誰かを犠牲にする”正しくない経営をしている中小企業の”格差”は、ますます広がっていくでしょう。

今このような時期にこそ、”いい会社”になるための取り組みをスタートする時期です。これまでの経営の足跡、そして足元を見つめなおし、検証し、いい会社になるための戦略を考案しましょう。

”いい会社”とは…?。3者(社員、関係先・仕入先、お客様)に向き合った企業理念を打ち出し、理念経営を徹底して実践する企業です。

経営理念を明文化していない会社は、今すぐ理念を打ち出す準備を始めましょう。理念が明確になっている会社は、理念が組織に浸透しているかを検証しましょう。

理念にベクトルを向けた経営方針、経営戦略が確立されていますか?今一度振り返ってみてください。

正しい経営を実践している会社は、”支えられる経営”です。経営資源に乏しい中小企業は、支えられる経営の実践がマストです。いい会社になるための経営基盤強化については、別途紹介していきます。

”いい会社”って、業績がいい会社か…?というと決してそうではない。

『業績がいいからといって、いい会社であるとは限らない。いい会社だから業績がいいのです』

いい会社の真の姿を思い描かないと、その方向性が分かりません。

「業績が良ければ全てOK」「売上・利益が経営の最重要ファクターだ」「ゼニカネが経営の全てだ」

これらの考え方も、不正解ではないと言えます。価値観ですから…。経営の最終目的は、”永続発展”です。企業価値を高めて、売却しオーナー利益をもたらすことが目的ならば、経営者の人間性に惹かれて入社してきたメンバーを裏切ることになりますよね。

経営とは「関わる人たちの幸せを実現する営み」です。”お金”があれば幸せですか?

幸せとは、”日々を愉しく生きること”だと小生は考えています。企業経営は、企業に集う人たちを幸せする舞台なのです。

小生が提唱する”いい会社”とは、「関わる人たちの幸せに、しっかりと向き合う会社」です。

”いい会社”こそが昨今のような緊急事態においても、ブレない揺らがないしっかりとした経営を実践し生き残っていくのだということ。

大企業や上場企業では、実現できないような幸福感溢れる中小企業づくりを、今こそスタートするチャンスだと考えています。

 

投稿日: 2020年4月7日 | 6:00 am

コロナ終息後にもたらされる経営環境

明日にでも政府の緊急事態宣言が発表されそうです。7都府県に及ぶそうですが、このコロナショックは長期戦になることは間違いないでしょう。特効薬やワクチン開発がひとつの区切りとなると思われますが、まだまだ先のようです。

企業経営においても、甚大な影響がでることは間違いありません。このブログでも再三書いていますが、まずは運転資金の確保が先決です。そのうえで、シビアな資金繰り計画と投資計画を併用して策定し、的確な資金マネジメントをしていきましょう。

問題は、コロナが終息した後のことです。

おそらく、経営や商売に対する価値観の大変革が起こり得ます。大変革・大変化に対応する企業経営が求められます。

もっとも重要なのは、”ホンモノ経営”の追求です。中小企業経営の基本は「高品質・高価格・高付加価値経営」です。ですので、ますますの品質保持・向上経営が求めれると考えます。

企業間格差はますます進むでしょう。お客様から選ばれる企業経営を普段から実践しているか?社員を大切にする経営を普段から実践しているか?仕入先・関係先から支えられる経営を普段から実践しているか?

中小企業経営のコアである「高品質商品・高品質サービス」を研鑚・提供しているか…。

改めて試される時代が到来するはずです。

高品質は企業ブランディングの根幹です。ブランディング戦略を実践し、確立している企業は、コロナ終息後も打ち手は無限にあり、様々な環境に適応していけるでしょう。

コロナによる経済環境で、時間確保が容易になっている中小企業においては、今できる開発や技術研鑚、各種社内の制度構築や整備、お客様とのリレーションを強くするための施策などを実行に移してください。

新しい緊急中小企業経営対策として「持続化給付金」が発動されます。詳細は明日4月7日にネット上で公開されるようです。

各種セーフティネット制度をうまく活用し、この厳しい状況を乗り切りましょう。

”いい会社”に成長するためのチャンスと捉え、今できる戦略を実践していきましょう。

投稿日: 2020年4月6日 | 8:22 pm

企業内の部署価値を考える…。

企業経営はさまざまな部署の、さまざまな業務で成立しています。企業内には、必要性の薄い部署などなく、それぞれの役割が決まっているわけです。

よく、直接部門とか間接部門などという表現をしますが、表現自体がナンセンスだと思うのです。

以前在籍した会社でもありました。

営業部などの「お金を稼ぐ」部門が重宝され(実際に代表者もそういう思考を持っていました)、総務部などの「後方支援」部門が軽く見られる傾向…。

代表者自身が、稼ぐ部門を重宝する思考をしていたら、企業内に”よろしくない”社風が形成されます。一部の部署が”幅をきかせる”傾向です。このような社風は、会社全体の方向性にボトルネックを作ります。

戦国自体の国の戦においても、兵站確保などの後方支援が勝敗を分けたそうです。強い戦国大名は、兵站をしっかり確保することを戦略立案の第一に置いたそうです。

つまり、強い会社はそれぞれの部門同士がよく連携されており、リスペクトされています。互いが互いの業務価値を認め合い、強めるための努力をしていきます。

いわゆる”間接部門(この言い方はナンセンスですが)”である、総務部や開発部、技術部などが軽視される傾向の会社は、企業基盤が強化されることはありません。

今日のような、緊急事態になればなるほど、企業経営基盤が試されます。

全体のバランスを見ながら、企業の最適な資源配分を決めていく必要があります。ブレない、強い経営基盤を構築しましょう。

同じように、企業には無駄な”人材”も存在しません。人材を人財として戦力化することは、経営者の重要な責務です。最大限の教育とチャンスを提供することからスタートします。

 

 

投稿日: 2020年4月5日 | 10:08 pm

経済の緊急事態に対応する中小企業経営−4

日々コロナウィルスの感染者が増え続け、政府が外出・移動の自粛を要請している今日。中小企業経営は、生き残りの知恵と行動が試される時だと思います。まさに日本経済の基盤を支えている中小企業全体の危機的状況と言えるでしょう。

では、この状況に”まな板の鯉”状態で、外部環境に翻弄されるままでいるのか…。それとも、今やれることを実施しておくのか…。この2つの岐路で”これから”が決まっていきます。

今このような自粛状況下において、普段なかなか実施できていなかったことを実施する時間にあてることが経営者の使命だと思っています。

そのひとつが”商品・サービスの検証・改善・開発”というものがあります。今、飲食店や観光業、理容店などでは売上昨対比が50〜80%の落ち込みとなっている状況だと推察します。もっと酷い状況もあると思われます。

お客様が来ないからと言って、何もしないのは実にもったいない。

飲食店は「現メニューの検証・改善と新メニューの開発」を、理容店・美容店であれば「現在のサービスの見直しと新サービスの開発」を手がけましょう。もちろん、緊急融資政策の活用などによる資金確保を行った上で…です。

”検証・改善・開発”というのは、時間を確保してじっくりと取り組むに限ると思っています。

今このような環境下において、時間を確保をしやすい状況を逆手にとって、企業戦略の根幹「品質戦略」を見直し、振り返り、磨き上げ、実行していくことが肝要です。

投稿日: 2020年4月4日 | 8:23 pm

理と利の統合…。

理と利とは「理=理念、経営理念」、「利=利益」のことを指します。

最強の企業文化確立手法『理念経営』に立ち向かう時、この課題にぶつかってしまうことがよくあります。理念経営の本質は、「理念を体現する企業運営を確立する」ことであり、決して「理念を掲げて唱和する」だけのようなチープなものではありません。

朝礼や会議では、経営理念やクレドを”元気よく”唱和していても、実際の業務遂行の際には”全く違う(理念に反する)言動”をしている企業経営は、よく見られる現象です。

はっきり申し上げますが、理念と利益はセパレート(並列)ではありません。直列です。「理念経営を組織の隅々まで浸透させ、メンバーの判断基準・言動基準として確立された際に、その結果成果として「利益」がもたらされるのです。

それだけ、理念経営は難しい…。しかし、中小企業経営の目指すべき本当に価値ある取り組みなのです。

「経営理念は掲げたけれど…それはただの標語にしか過ぎない。」

「経営理念は、社員の意識を統一するための、ただのフレーズである。」

「経営理念ってうちの会社にあったの?」(受け取った名刺に立派に記載されてありましたが…。)

実際に聞いた、とある中小企業の経営者、社員の発言事例です。

どれもすべて間違い。

経営理念に明記されている文言(フレーズ)が、すべての構成員の「価値判断基準、言動基準」となっていますか?

「業績目的経営」は、判断基準が損得になりがち。「理念目的経営」は、判断基準が善悪判断になります。

損得判断経営は、いつの日か行き詰まります。なぜなら「誰かを犠牲にする経営」になってしまうからです。

投稿日: 2020年4月3日 | 9:49 pm

経営者・幹部はアナウンススキルを磨く…。

”想いを伝える力(パワー)”というものは、リーダーにとって必要不可欠なスキルだと考えています。企業経営を見た場合、意志を奮い立たせるような経営者の発信力は、メンバーのモチベーションを上げるために有効です。

同時に、会議やプロジェクトの内容を社内浸透させるには、アナウンススキルが必要です。会議決定事項が組織浸透するには、社内にムーヴメントを起こす必要があるからです。

「どうせ会議メンバーだけで話し合って決めているないようだろ…」などと、第3者的な空気が組織に流れてしまうと、せっかくの会議内容が無駄になってしまうことがあるのです。

プレゼンテーションといってもいいでしょう。リーダには絶対に身につけてほしいスキルです。

昨今のコロナウィルス蔓延による社会経済情勢の悪化は、社員・構成メンバーの先行き不透明の不安感を助長しています。

こういうときにこそ、リーダーのリーダーシップが試される…。

会社の方向性を決定し、揺るぎない信念のもと戦略を打ち出し、その内容を堂々と社内外にアナウンスしてください。

先行きが不透明なときの不安感は、構成員のモチベーションを下げます。そして、モチベーションの低下は業績の悪化を招きます。

モチベーションを維持し、向上させるためには不安を取り除いて上げることです。不透明感を透明(クリア)にするこです。

今こそ、経営者はじめとしたリーダー(部門長)のアナウンス力・プレゼンテーション力が試されるときです。

投稿日: 2020年4月2日 | 8:40 pm

いい会社プロジェクト−6 〜田島興産のキセキ〜

令和2年4月1日。佐賀市の田島興産株式会社では、新入社員入社式と新年度(第60期)の経営方針発表会が開催され、小生もお招きいただき取材を兼ねて伺いました。

コロナウィルスの集団感染に最大の注意を図り、全員がマスク装着、窓を開ける換気もこまめに行いながらの進行です。

感動したのは、新卒新入社員の挨拶です。まだ20代前半の若者とは思えない、堂々とした発言。今年入社した二人の若者は、それぞれの部署に配属され、独自の育成プログラムで成長していきます。

マスク姿…仕方ないですね。けれども二人ともとてもかっこよかった!

田島興産株式会社には、昨年度の新卒採用枠への学生エントリーが260人を超えています。

その後の一次審査には、47名の学生が応募。何度かの審査を経て、晴れて二人の若者が入社しました。

選ばれる企業には、選ばれる理由があります。人が集まるためには、”いい会社”になること…。このことを証明してくれる会社です。

 

入社式の後は、経営方針発表会でした。

写真は田島社長の方針表明です。

そのほか、各部門長からの方針発表プレゼンテーションがあり、社員全員にシェアされました。

経営方針発表会は初年度の進む方向を指し示して、意志を共有する大切な取り組みです。

コロナウィルスで多くの中小企業が苦境に立たされる中、理念経営を実践していけば”経営基盤は揺らがない”ことを証明してくれるでしょう。

こんなステキな会社にいただいたご縁に感謝して、これからも誠心誠意お手伝いしていきたいと思います。

投稿日: 2020年4月1日 | 8:53 pm

”ご縁”を大切にして生きる…。

昨日、志村けんさんが亡くなりました。コロナウィルスに感染し、肺炎が原因という…。子どもの頃、「8時だよ!全員集合」でどれだけ笑ったか…。若い頃体調を崩し、入院した時も「ドリフの大爆笑!」でどれだけストレスが解消されたか…。

あの志村けんさんが、まさかコロナであっけなく亡くなるなんて…。本当に悔やまれます。

 

中小企業診断士は、「人と会う」仕事です。人に会い、人と話し、人から聴き、人へ助言する…。まさに人間同士のふれあいが最も大切になる仕事です。

だからこそ、ご縁を大切にしたい。

縁あってお手伝い(ご支援)することになった、クライアント様や経営者、スタッフの皆様には須らく幸せが訪れて欲しいと心から願っています。

志村けんさんのような、メディアを通じて本当に大勢の方々を元気にすることは、叶わないかもしれません。しかし少なくとも、小生の世界観の中に生きている方々には、元気と勇気を届けたいと心から思います。

今日は令和3月31日。コロナウィルスが猛威をふるい、政界的な社会問題となっている今日。

自分は何ができるか…?何をもってお役に立てることができるか…?

考えさせられた、志村けんさんの訃報でした。

これから社会全体がどうなってくのか…まだ不透明で分かりません。

以前のブログにも書きましたが、「今やれること。やるべきことを粛々としっかりやり、来たるべき終息に備える」ことが最も大切なのです。明けない夜明けはありません…。

投稿日: 2020年3月31日 | 9:01 pm

新規出店、新事業所進出の判断基準

7年ほど前のことです。小生はある飲食店のコンサルティングに携わっていました。その飲食店は、3店舗目を出店し、すごい勢いで売上を伸ばしている新進気鋭の会社でした。

独立を機にご縁がなくなりましたが、その後の勢いもとどまることを知らず、令和現在約10店舗に広げているそうです。

先日ある知り合いから、その会社が”危ない…”という情報を聞きました。新規出店の連続で、資金繰りが行き詰まり、倒産のリスクにさらされているとのことでした。

ほんの数年前までは、勢いの止まらなかった会社の業績も、落ちていくのはあっという間です…。

コロナウィルスで、さらなるリスクにさらされておられることを察します。本当に頑張って立ち直って欲しいと思います。

さて、新規出店や新事業所進出の判断基準は、”損得”であってはなりません。千載一遇のチャンスとばかりに新規出店を決断し、資金繰りに困窮して事業自体が失敗したというケースは枚挙に暇がありません。

その判断基準は何か…答えは”人(ヒト)=人財”です。

この人間になら、新しいお店(事業所)を任せられる!といった自信と経営者としての覚悟が必要です。

間違っても、任せる人財もいないのに「立地がいいから…」とか「家賃が安価だから…」などといった損得の理由で進出を決めないようにしてください。

断続的な新規出店(拠点)は資金繰りの悪化とともに、経営理念の希薄さというソフトリスクも伴います。そこが大きな大きな落とし穴なのです。

 

投稿日: 2020年3月30日 | 10:54 pm