昨今のような環境時こそ、見直すべき経営戦略

コロナ情勢の先行きが見えない今日ですが、こういう時こそ自社経営の足元を見つめ直す時ではないかと思われます。利益創出のために、会計事務所などが提案するのは「コストダウン」が通例ですが、利益の源泉はあくまでも”売上”です。

ですので、こういうご時世だからこそ「売上=収入」アップのための施策・戦略を立案しておく必要があります。

もちろん、コロナのような世界的社会問題に直面している経済環境の中では、大胆な増収戦略はリスクも伴います。ですから「できることを着実に実施する増収戦略」が重要となるのです。

例えば、コスト削減に走るよりも「お客様ひとりひとり(1社1社)とのリレーションシップ強化」を意図したマンツーマンマーケティングを実施する方策です。

つまり、これまでご縁があったお客様(顧客や受注先)とのコミュニケーションを密にとり、新しい商品やサービス情報を発信すなどのオペレーションです。

情報発信の手段は、現在多様化しています。SNSやブログなどを活用してお客様の囲い込みと、関係性強化を図りましょう。

このような施策を実施すれば、昨今のような環境下では逆にチャンスかもしれません。

このブログで何度も訴えていますが、コスト削減は中小企業経営にとって限界施策です。過度なコスト削減施策は、企業の体力を奪い、メンバーのモチベーションを著しく下げます。無駄使い的なコストは見直す必要はありますが、まず優先施策は「増収戦略」であることを認識ましょう。

投稿日: 2020年8月6日 | 9:14 pm

リーダーにとって最も必要な要素

前日の記事で、幹部研修の優先について書きました。中小企業経営は”人本経営”です。人財の質が勝負を分けるのです。とりわけ幹部(リーダー)の資質は、中小企業経営の舵取りに多大な影響を及ぼすものです。

俗に、”王将と歩”の経営と呼ばれがちな中小企業経営においては、飛車角・金銀を育てていくことが重要です。ただし、リーダーの資質を的確に見抜かないと、人事登用において重大なミスを犯してしまいます。

ここに経営リーダーにとって必要なファクターを列挙しますので、参考にしてみてください。

① 揺るぎない情熱(パッション)を持っている

② 利他の価値観を持っている

③ 全体意識・全体最適感を持っている

④ 傾聴(人の話に耳を傾ける)スキルを有している

⑤ 状況判断のスピードが速い

⑥ 自己責任感が強い

⑦ ユーモアに溢れた魅力がある

強いリーダーがいる会社は、経営が上手くいく傾向があります。逆に、リーダーが育たない会社はその成長に限界がきます。

仕事ができる(捌ける)ことが、リーダーシップを約束するものではありません。リーダー人事を間違ってしまうと、スタッフが育たず退出者(退職者)が続出したり、ギクシャクした企業風土を生んでしまったりする不幸を招きます。

また、一度リーダーに登用した人材が不適格者だった場合、降格人事という事態に陥る可能性もあります。降格人事は、レアケースを除き多用してはいけません。他メンバーへの心理的影響が大きく、モチベーションに大きく影響してしまうからです。

投稿日: 2020年8月5日 | 10:05 pm

人財教育は幹部研修から着手する。

企業は最大の人材教育の場である…恩師・坂本光司先生の言葉を思い出します。中小企業診断士として、経営の現場を駆け回っていると、スタッフの人間的成長を実感することがよくあります。

ただし、研修や勉強会は刺激を受ける場(きっかけ)にしか過ぎません。人材を人財に変えて成長させるのは、現場での役割です。

さて、人財教育を企業経営の中に仕組みとして導入するとき、気をつけるべき点がいくつかあります。

人財教育制度を、経営に仕組みづくりとして導入する場合、階層別やテーマ別に企画立案することがあります。その際、必ず幹部(リーダー)の研修を盛り込みましょう。

階層別で研修や勉強会を企画実行する時に、幹部(リーダー)のあり方研修は必須です。

なぜなら、現場スタッフの成長過程をサポートするのは、幹部の役割だからです。新入社員研修を実施して、育成したのに退職してしまった…。このような現象は、一概には言えないのですが、現場の受け皿に課題がある場合が多い。

幹部が上手く新しいスタッフを導けることができれば、そのスタッフはみるみる成長していきます。

逆に、幹部に人間的魅力が欠けていれば、新しいスタッフは絶望し退出していく場合が多い。

従って、「幹部研修・勉強会」こそプログラムとして仕組み導入する最優先企画です。「育てるスキルや姿勢」を学んでいただく内容を盛り込んで、企画実行してください。

プロの経営コンサルタント業界においても、幹部の資質にかけて、部下を潰していく輩が多いものです。

投稿日: 2020年8月4日 | 10:14 pm

ヨットクルージングの一日

先日、熊本のクライアント様である株式会社ビックの安樂社長にお誘いいただき、ヨットクルージングに行ってきました。安樂社長は、良き友人でもあり、ヨットマンとしての大先輩でもあり、愉しい人生を送る達人として心からリスペクトする人です。もちろん一人の経営者として、応援している人でもあります。

安樂社長のヨットは、「少年海援隊Ⅱ号」と言います。

見てください、この雄姿!いつ見ても実にかっこいい。

写真は今回の航海で向かった先、湯島(猫島とも呼ばれる島)に停泊した姿です。

出港する少年海援隊Ⅱ号です。帆は畳んでいます。当日は、いい風が吹いていまして、とても気持ちの良いクルージングとなりました。

操船する安樂社長です。安樂社長は、若い頃にヨットを自作して、太平洋を横断したことのある筋金入りのヨットマン。本当にかっこいい人です。

「ヨットは、向かい風すら利用して前に少しずつ進む…。経営や人生と同じだよ。」と…。

ボート遊び中の安樂社長です。向かい側に写っているのは、大阪からの大型ヨット。

シーマンシップという言葉がありますが、海の男は実に気持ちの良い人たちばかり。海の上では、人間関係の壁など微塵もありません。

互いにリスペクトし、すぐに交流が始まり、コミュニケーションが生まれます。

中小企業診断士として、現場を駆け回っていると、安樂社長の言われる言葉の意味を心から噛み締めることができます。

「経営はヨット航海と同じ。風(外部環境)を利用し、行動判断(内部環境)を整えていく。」

リフレッシュしながらも、有意義な時間を過ごすことができました。

安樂社長、ありがとうございました!

投稿日: 2020年8月3日 | 9:38 pm

同族会社は利点を活かす。

中小企業診断士として活動していると、我々がご支援しているクライアントの90%以上は「同族会社」だと気づきます。同族会社の定義は、経営者やその一族が大株主であったり、取締役を大半の同族が占めている場合を指します。

近年、事業承継問題が顕在化してきていますが、同族企業であるがゆえに承継がうまくいかない場合が多いことにも気づかされます。

例えば、先代の経営者の時代には、カリスマ的な魅力で社員を率いていた企業風土が、息子に承継された途端、優秀な人財から会社を去っていくという現象。こうした事例は、枚挙にいとまがありません。

逆に、優秀な他人社員が承継した方が、会社に新しい新鮮な風が吹き込み、承継が上手くいったというケースも多くあります。

承継も含めた人事戦略というものは、人間的魅力が備わったリーダーを選ばなければ「大失敗する」例でしょう。

さて、同族企業はその利点を活かすことが大切です。同族であるが故に、「困った時」に有形無形の協力が得られるということが最大の利点でしょう。有形というのは代表的ものは「資金」です。無形は「労働力」など。

逆に仕事ができない、人間的魅力に欠けるような息子を優遇するような人事や給与制度を設けてしまうと組織が崩壊するような事態を招きかねません。

同族人材を入社させると自体は否定しません。むしろ、大きな戦力を得たと喜ぶべきでしょう。ただし、社風形成や人事制度を誤ってしまうと、経営の失敗を招いてしまうことに留意しましょう。

投稿日: 2020年8月1日 | 11:34 pm

情報は鮮度が命。

経営は判断の連続です。経営判断は、その時その時で自社の行く末を決める、重要な決定事項を固定していきます。

経営判断をする際に、判断材料が必要なので、それは経営現場における”情報”というものになります。

経営者の方々とヒアリングさせていただいていると、「昔はこうだった…」「以前は、こんな判断をした…」などと、過去の栄光や挫折を並べられることがよくあります。過去と現在の内部的環境の比較ならまだ判りますが、あまり長期的な過去の振り返りに意味はありません。

経営情報は”鮮度”が命です。

今(現時)、現場で何が起こっているのか?どんな物(商品やサービス、設備)が動いているのか?など…。

現時・現場・現物を常に確認、把握している必要があります。この現場確認(事実確認)の連続が、的確な経営判断を可能にするのです。

中小企業の経営者は、時に現場に降りていき、何が課題となっているかを掌握していきましょう。これを可能にするのは、デジタルではありません。経営者の目や鼻や耳や口、そして感覚などのアナログツールによるのです。

例えば、経営現場をカメラで確認するのではなく、同時に足を運んで確認する…。その地道な行為が、新鮮な経営情報をもたらしてくれます。

経営コンサルタント(中小企業診断士)も同じです。

コンサルタントの最大の武器(ツール)は、経験に基づいて研ぎ澄まされた五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、感覚)です。その感覚は、足で稼ぐ現場での事実確認からもたらされることを認識してください。

投稿日: 2020年7月31日 | 10:55 pm

リレーションシップバンキングは実施していますか?

「雨の降る日に傘を貸さず、晴れた日に傘を貸したがる」とは金融機関の融資を揶揄した例えです。曰く、貸して欲しい時に貸してくれず、借りる必要のない時に融資を提案してくる…と言った意味です。

中小企業経営にとって金融機関の存在は、実にありがたい時もあれば、「こんちくしょう!」と思わざるを得ない時もあります。

特に融資が必要な投資型産業の場合は、金融機関とうまく付き合っていくことに越したことはありません。

どうやってうまく付き合うか?簡単です。メインバンクには、経営情報をできるだけ開示して公開しておくことです。決算後や、半期の終了後など節目節目において、業績の報告をしておくこと。

担当融資係に来てもらい、現場の報告を”軽い気持ち”でしておくことが重要です。

特に昨今のコロナ禍における、先行きが全くわからない経済環境の中では尚更です。普段から、情報を開示しておけば融資が必要な時に、金融機関は迅速に対応してくれます。逆に、リレーションを全くしていないと資金繰りの悪化時において、融資に時間がかかり危機を招きます。

何より、精神衛生上よくありません。

このブログで、中小企業経営は「無借金経営」が理想と訴えていますが、それも業種業態にって変わります。

投資型業種の場合は、借入金に頼って当たり前です。ゆえに、しっかりとした資金繰り計画表の策定と現金管理、業績結果の開示による「リレーションシップバンキング」が必要なのです。

金融機関とは、上手に付き合い支援してもらう方がお互いにハッピーです。

投稿日: 2020年7月30日 | 9:47 pm

結束力ある会社が強い理由

中小企業経営は、基本的に一枚岩で団結力を図っていく必要があります。零細企業であれば尚更でしょう。なぜ、そのように訴えるのか?それは「結束力ある会社は強く、結果的業績が良くなるから」です。

それには明確な理屈があります。

結束力が強い会社は、価値観たる「経営理念」に意識が向きやすく、意識は行動に現れるからです。

経営理念を明文化して「見える化」する理由は、そこにあります。

では、結束力を強めるにはどのような戦略があるでしょうか?仕組みとしての、企業ない制度を整える方法ですが、その前に「理念教育」が必要です。

経営理念は、「我が社の商売の目的」ですから目的(何のために)に込められた意味を、深く組織に浸透させることが重要です。経営理念が浸透し、現場スタッフのハートの響いていない状態では、どんなに制度整備を進めていっても、徒労に終わることが多い。

経営理念を浸透させる研修や勉強会を進めていくと同時に、経営理念にマッチした(向いた)各種経営制度を創りあげていきます。

経営制度とは、経営方針書(計画書)の策定や人事考課制度、各種会議の内容充実や、人材育成制度などのことです。人が組織を構成し、組織が業績を作っていきますから、結束力ある組織(チーム)づくりは、強い経営基盤の必要条件です。

「現場の仕事で忙しく、会議に出席できない」とか、「必要性を感じないから、経営制度には賛成できかねる」などの御託を並べて、経営参画できない幹部の存在は、結束力を弱めることになり、経営とっていいことはありません。

投稿日: 2020年7月29日 | 10:08 pm

人とファッションをこよなく愛します…6

約3ヶ月ぶりに、全店の店長が集いT L会議(店長会議)を実施することができました。

コロナ情勢により、なかなか一同に介して会議ができなかったのですが、今回は下半期の経営計画を立案する重要な内容ということもあり、最大限のケアをしながら結構することになったのです。

 

全員マスク着用、密接を避けるための席配置、手の消毒をまめに行いながらの会議となりました。

今回は、新店長が3人も誕生し、新しい店長会議の雰囲気の中それぞれが店舗における内外の課題にじっくりと向き合ってくれました。

 

マレットメットは、顧客様(ファン)をとても大切にする会社です。その姿勢や熱意は、お客様に伝わり、6月はコロナ禍においても全店舗予算達成という奇跡を演出してくれました。

経営基盤の正体は、顧客様(ファン)の絶対数であるということを証明してくれます。本当に頼もしい。

今日集ってくれた店長の成長ぶりが、よく分かります。

 

経営計画書の策定ワークでは、それぞれの店長が下半期の戦略や成長計画、仕掛けや課題解決をじっくりと練ってくれました。上半期の振り返り、振り返りから炙り出される課題、そして課題に向き合う戦略(取り組み)の立案…。

 

社員同士の結束力が強い会社は、結果的業績も好調です。マレットメットは、店長同士の情報交流や風通しを良くして、皆で「いい会社」にしていこうとする企業です。

 

今回の会議で習得した情報や店舗運営のヒントを、メンバーに落とし込み、お店全体で目標予算に向き合ってくれることを祈念しています。

投稿日: 2020年7月28日 | 10:17 pm

いい会社プロジェクトー12 〜田島興産のキセキ〜

お客様の幸せのために…。これは、田島興産が最も大切にしている価値観です。お客様本意というマインドは、経営理念を基に組織に浸透し、「理と利の統合」実現のために邁進します。

昨日も、プロジェクト会議に参加してきました。プロジェクトは、ES(社員満足度)、CS(顧客満足度)、RS(関係先企業満足度)の3つの満足度を上げて、さらに「いい会社になろう!」というプロジェクトです。

昨日は、「真のCS(お客様満足度)とは?」という命題を深く考えました。お客様は、無料奉仕やわがままを聞いてくれることを必ずしも望んできるわけではありません。お客様は本当に望んで、満足度が上がること…それは。「間違いのない品質」です。

自分の望んだ通り、いやそれ以上の品質を提供してもらった時、お客様は「リピート」してくれます。

リピートは、顧客満足度のバロメーターなのです。

本質の前に、企業人としての基本動作(挨拶や身嗜み、所作など)を徹底することは当たり前ですよ。

いや、それもまた品質の一部ということになるのでしょう。間違いのない品質(クオリティ)は、ブランディングの根幹を形成するものです。

お客様が喜ぶからと言って、「無料奉仕(サービス)を多様」することは、結局のところ企業の収益を圧迫し、提供業務のクオリティを下げます。結果として、顧客満足度(CS)を下げ、何一つ良いことなどない状態を作ってしまうのです。

田島興産では、若い女性営業スタッフから「紹介を受けたお客様から、様々なリピート注文をいただいています」という報告がなされました。

これこそ企業ブランド。ブランディングが、中小企業経営の目指す形なのです。

投稿日: 2020年7月27日 | 10:05 pm