中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【32】

【中小企業診断士が成すコンサルティングサービス:経営理念創出支援①】

経営理念は、企業独自の価値観と目的を”見える化”したものです。経営理念は構成員(社員やメンバー)間で共通認識され、行動基準として確立されることが求められます。

中小企業経営の現場を駆け回っていると、経営理念に関して様々な認識を鑑みることができます。例えば…。

経営は儲けることが目的だという信念で、経営者自身が、理念など全く必要ないと思っている。

立派なフレーズの経営理念があり、名刺にも掲示されているのに、社員は全く重視していない(それどころか、名刺に経営理念が書かれていることすら気付いていない)。

経営理念はただのフレーズと化していて、経営者自身が全く遵守していない。

その他にも様々な様態を発見しますが、こういう形はかなりの確率で散見します。それだけ経営理念は大切であり、理念経営はとても難しいのです。

中小企業診断士は、この経営理念を創出する支援ができます。そして、このサービスはその後のコンサルティング支援(仕事)につながる重要なミッションとして認識することができます。

以前、一緒に仕事をしたことのある自称経営コンサルタント(女性)がこんなことをクライアント経営者に提言していました。

自称コンサルタント:「社長、御社では経営理念は制定されていますか?」

経営者:「いや〜、どうやって作っていいか分からなくてね。」

自称コンサルタント:「簡単ですよ。インターネットで検索すれば、いいフレーズがたくさん探せますから。参考になさってはいかがですか?」

経営者:「そうですね…」

こういう薄っぺらな提案をするコンサルタントがいるから困ったものです。

経営理念は、オリジナルで全社共通の価値観を明文化したものです。ですから、できるだけ多くの社員の”想い”を反映させて、オンリーワンで創出しなければ意味がありません。

経営者、幹部、現場スタッフのハートの中にある”想い”を形にして、美しいフレーズとして明文化する支援が望まれます。

投稿日: 2020年8月16日 | 8:20 pm

「商品開発で頼りたいコンサル会社」に選出されました!

「比較ビス」という外注先プラットホームサイトがあります。

この度、ご縁があって「商品開発で頼りたいコンサル会社9選」に選んでいただきました!

ホームページやブログをモニタリングしていただいていたようで、小生のメソッドに注目してもらった結果です。

認められて、声かけいただくということは嬉しいものですね。

https://www.biz.ne.jp/matome/2004859/

 

 

投稿日: 2020年8月15日 | 10:45 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【31】

【中小企業診断士のリサーチスキル・経営診断】

ひと昔前は、経営診断という形で有料コンサルティング契約が成立していました。現在は、経営診断は”予備診断”というサービス名に変わり、ほぼ”お金をいただけない”コンサルティングに変化していきました。

今やお金をいただけるようになるには、予備診断の後の処方箋やオペレーションを実行した時とされています。ということは、クライアントにとって効果的なコンサルティングを提案するスキルを有しないと、プロとして生業ができないことになります。

何度も言いますが、経営コンサルタントに資格は必要ありません。中小企業診断士は名称独占の国家資格ですから、経営コンサルタントの仕事自体は誰でもできます。

だからと言って、経営診断(予備診断)の価値が低くなったということはない。むしろ、ここで勝負が決まると言っても過言ではないでしょう。

経営診断のコツは、”現場に肉薄すること”です。

社員アンケート調査(実状調査やモラールサーベイ)とヒアリング、現場観察(定点観測)などを併用する。間違ってもアンケート調査のみで、診断結果を出さないようにしてください。

アンケート調査で仮説を立てて、ヒアリングや現場観察で検証する…という手順です。

また、診断報告書は分かりやすく文章だけでなく、写真や図柄を多用します。経営者は文章を嫌う方が、結構多い。「要するにこういうことです。」といった簡潔な報告書が好まれます。

さらに、診断結果を踏まえた処方箋やオペレーションの提案は速やかに行いましょう。同時に提案することがベターです。

投稿日: 2020年8月14日 | 9:41 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【30】

【中小企業診断士としてのヒアリングの極意】

企業の様々な角度から調査をする目的は、一にも二にも事実確認ということになります。経営の実態に肉薄するためには、多様な角度からの検証が必要です。その手法の一つに”ヒアリング”という技術があります。

何だヒアリングか?と思うことなかれ。これは立派にプロのなせる技です。下手なコンサルタントは、ヒアリングが下手です。下手なヒアリングの特徴を並べます。

① 話を途中で遮って、持論を展開する…自意識の強いコンサルタントに見られますが、ヒアリングよりもスピーキングを重視してしまう。

② 具体的な話を聞けずに、総論で仮説を立ててしまう…ヒアリングというのは、具体的なイメージが着くまで聴くことが大切です。総論的に聞いて独自判断をしてしまうと、事実誤認の元になります。

③ メモを取りながら聴かない…人間は忘れる動物です。忘れることを前提に、メモを取りながらヒアリングします。メモ帳は必携です。

④ 確認しながら聴く…過度なオウム返は禁物ですが、ひとつひとつ確認しながら聴くことは大切です。マモと併用して、事実誤認を防ぎましょう。

⑤ 最後にメモ内容を確認する…ヒアリングの最後には、必ず復唱確認します。そのことで、ヒアリングされる側は安心感を持つものです。

以上①〜⑤は、一見「なんだそんなことか?」と思われがちなヒアリング技法ですが、ヒアリングは正確にかつ丁寧さが求められるブロフェッショナルな技法です。

とりわけ、経営者が心を開いていないとできないことですので、まずは”何でも話してくれる”ような関係性を構築しましょう。

中小企業診断士は、国家資格です。国家資格であるがゆえに、さもすれば先生よ呼ばれることに優越感を覚え、「自分が偉くなった」ような錯覚を覚えることがあります。呼ばれること自体は否定しませんが、中小企業診断士は”先生”ではありません。

ヒアリングも、伴走者である姿勢を見せて謙虚に実施しましょう。

投稿日: 2020年8月13日 | 11:45 pm

小規模企業持続化補助金 採択結果!

昨日、「令和元年度補正予算 小規模企業持続化補助金〈一般型〉」の結果が届きました。

結果は…「採択!」でした。日本商工会議所のホームページでも確認できました。

補助金というのは、公金であり税金が基になっています。ですので、今回いただく補助金は広く世の中に貢献できるような商品開発(試作品)に使わせていただこうと思っています。

内容は、以前から温めていた「子供(小学生)向けビジネスボードゲームの試作品開発」です。すでにプロトタイプは完成し、デザイナーに相談中。補助金採択を機会に、一気に加速させようと思っています。

それにしても嬉しい。小規模企業にとって「最大50万円(補助率2/3)」はとても助かります。

中小企業診断士が挑戦するものづくり!乞うご期待ください。

あとは、いい商品を開発して世の中に送り出したいと思っています。

投稿日: 2020年8月12日 | 11:35 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【29】

【中小企業診断士のコンサルティング技術〜ミステリーショッパー〜】

中小企業診断士として仕事を獲得できるには、成長過程があると思っています。プロセスは「調べる」「書ける」「話せる」「獲れる(契約できる)」です。

その最初の「調べる」とは調査できるという意味ですが、ひとつの技術にミステリーショッパー(覆面調査)というものがあります。

具体的な調査票に関しては、親しい方には差し上げたいと思いますが、基本的には自分で開発するものです。ここでは、手法についてお話ししたいと思います。

ミステリーショッパーは、事前環境整備が命です。クライアントにいつ訪問するか?誰が訪問調査するか?などを明らかにしては、何の意味もありません。クライアントが”構えて”しまって、実態調査ができないからです。これでは、時間もコストも無駄というもの。

小生は、これまでミステリーショッパー事例を30件ほど実施したと思います。調査の際に、調査票を手に持っていては当事者に怪しまれます。あくまでも、お客様になり切って調査を進めましょう。ですので、調査のポイントを事前に頭の中に叩き込んでおく必要があります。

調査が一通り終わったら、速やかに(小生は車中で実施します)調査項目を振り返り、メモしておきます。

忘れてはならないのは、写真撮影です。できるだけ携帯カメラを使用して、写真を残します。写真は情報の宝庫です。かなりの説得力になりますし、動画撮影が可能だったらなおさらです。

調査終了後は、報告書(レポート)を策定しますが、図柄や写真を多用した「見る」報告書を策定してください。文字だらけのだらだらとした報告書は、経営者に敬遠されがちです。

投稿日: 2020年8月11日 | 8:05 pm

コロナ禍がもたらす経営環境変化 〜会議の場合〜

昨今のコロナ情勢は、中小企業の経営環境に対しても大小の影響を及ぼすことは間違いないようです。特にインターネット利用による情報伝達手段は、「オンライン飲み会」や「Zoom飲み会」と言ったこれまでなかった文化をもたらしました。

中小企業経営の現場においても、オンラインを使用したミーティングなどが普及していくことでしょう。しかし、だからと言ってありとあらゆる会議が、オンラインという手法で成立するわけではありません。

一昔前に「TV会議」というものは流行りましたが、それほどの普及はなりませんでした。なぜか?やはり、大切な意思決定をする場合の議論(ディスカッション)は、同じ空気感の中で展開することが重要だからだと思います。

例えば、伝達事項で済むような簡単なミーティングや報告会などは、オンラインで十分ですし、コストをかけて移動するには非効率でしょう。社員が移動すれば、移動時間だけでコストです。これが削減できるのならば、導入をした方がいい。

しかし、何でもオンラインによる会議形態にしてしまうと、議論が深まらずに大切な意思決定に支障が出ます。

いつに時代でも、そんな場面でも、”想い”と伝え”想い”を受け取るような重要な会議場面では、フェイストゥフェイスのライブ会議が最も効果的ですし、間違いのない議論が可能になるのです。

経費削減や時間短縮、効率性を重視するあまりに、大切な経営会議をオンラインで実施しようという愚行をしないよう留意して欲しいものです。

投稿日: 2020年8月10日 | 11:01 pm

会計事務所(税理士事務所)との上手な付き合い方

創業したての零細企業でも、ある程度の売上規模になってきたら決算業務を会計事務所に委託することをお勧めいたします。税理士は全国に9万もいますので、どの税理士に依頼するかは悩みますよね。そして、会社の経営状態(業績や経営数値)を明らかにしなければならない、税理士との付き合いは慎重にならざるを得ません。

時々、税理士事務所とうまく付き合えないという(ほとんどが会計事務所への不満ですが)相談を受けることがあります。

税理士(会計)事務所は、明確に「提案型」をセレクトしてください。「うちの事務所は、経理代行と決算申告書を作るだけですから」と開き直る会計事務所は付き合うに値しません。

そして、会計事務所は金融機関と同じ感覚で付き合う方がベターです。

様々な会計上や利益、税金に関する相談を遠慮なく問い合わせる。その相談に真摯に対応してくれる事務所がお勧めです。

税理士(会計事務所)の得意分野といえば、資金繰りや経費管理、節税や納税と行ったところです。

しかし、それに加えて保険や設備投資などの提案をしてくれる事務所とは付き合うに値します。

厄介なのは、付き合ってみないとその会計事務所の特徴やサービス品質が測定できないことです。

経営コンサルタント(中小企業診断士)のセレクトよりも、もっと慎重に吟味した方がいい。

一度顧問契約した会計事務所から、他の事務所に切り替えるときは、会計ソフトや手続き、書類の統一などかなりの労力や手間を必要とします。

もちろん上から目線で、アドバイスしたりしてくる税理士は言語道断。お付き合いする価値すらありません。

投稿日: 2020年8月9日 | 8:20 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【28】

【中小企業診断士のコンサルティング技術〜ベンチマーク〜】

自社企業の経営を振り返る時、ベンチマークという経営手法が役に立ちます。ベンチマークとは、「自社の経営戦略を改善するために、優良他社の手法や指標を参考にすること」を言います。

参考にした指標や手法は、自社の経営におけるそれと比較して、ギャップを分析し「取り入れるべきは取り入れる」ことが大切です。

中小企業診断士として現場でコンサルティングしていると、このベンチマークという手法がとても役に立つ技法であることが分かります。

ただし、下手なコンサルタントは大きなミスを犯してしまうことがあるので要注意です。

以前、こんなことがありました。

自称コンサルタントと、クライアントのコンサルティング支援について打ち合わせしていた時のことです。

クライアントは、京都にある観光旅館でした。

小生 「ベンチマークを取り入れて、スタッフの皆様に接客研修をしてもらったらいかがでしょう?」

自称コンサルタント 「もうやったから必要ないよ。」

小生 「そうなんですね。どこをベンチマークされたんですか?」

自称コンサルタント 「リッ◯◯ールトン!!」(ドヤ顔)

小生 「そうですか…」(苦笑)

はっきり言っておきますが、ベントマークという手法は「同規模同業他社のベストプラクティス(優良事例)」を実行しないと意味がありません。

ましてや、資本力も桁違いに差がある同業他社と比較しても、参考にも何にもならないのです。持っている経営資源が違うのですから。

中小企業診断士として「お役に立つ」ということは、できるだけ現場の実態に肉薄して、事実確認することがスタートです。

的外れなコンサルティングを提案して、クライアントに無駄な経費を使わせることがないようにしたいものですね。

 

投稿日: 2020年8月8日 | 10:54 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【27】

【中小企業診断士の仕事開発】

中小企業診断士は、経営コンサルタントなので経営課題を解決する支援をすることがミッションとなります。ところが、本来のコンサルティングとは違う業務で生業を立てている診断士が、あまりにも多いような気がしています。

自治体からの調査業務受託、金融機関や信用保証協会からの経営改善計画書策定、経済団体(自治体や国)からの専門家派遣やセミナー講師…。このような業務も、中小企業診断士の立派な仕事だと思います。

ただ、定例的に訪問支援して、個別具体的な経営課題に向き合う現場型のコンサルティング支援が理想でしょう。

では、中小企業診断士がお仕事を開発(いただく)ことができるには、どうしたらいいでしょうか?

「私は中小企業診断士です。何か仕事をいただけませんか?」などと営業活動していく訳にはいきませんよね。

コンサルティングサービスが商品だと勘違いしそうですが、中小企業診断士の商品は「自分」です。

仕事を獲得するには、中小企業診断士としての技術よりも姿勢やハートを磨くことが大切です。

とはいえ、仕事を獲得するための戦略・戦術も存在するので、紹介していきましょう。

経済団体からの講演会やセミナーをきっかけにして、クライアントとのご縁を演出する方法もありますが、かなり難易度が高い。自分にとって「これだけは負けない」というUSPがないと、「では仕事を依頼してみようか?」と思ってもらうことはできません。

また、クライアントからの紹介でお仕事につながることもあります。「友人の経営者が困っているんだ、相談に乗って見てくれないか?」という具合に、紹介してもらう訳ですが、これもかなりの難易度です。現在のクライアントに対して、極上のサービスを提供して満足度が高い条件がつきますから。

このように、中小企業診断士として経営顧問契約を獲得するには、高いハードルが立ちはだかります。高いからと言って、向き合わなければ打開できない課題と言えましょう。

 

投稿日: 2020年8月7日 | 9:16 pm