『燃える人事考課制度』のメカニズムー1

【人事考課制度が必要な理由】

中小企業診断士として活動し始めて13年目を迎えていますが、数年前から「人事考課制度」を創りたいという相談を受けて、ご支援するようになりました。数件の策定実績を経て、ノウハウとして確立することができたので、考え方から策定方法まで紹介していきたいと思います。

人事というのは、最強最大の経営資源である「ヒト」に関する課題として、古くて新しい経営課題であると考えています。経営コンサルタントのプロである中小企業診断士として、経営に向き合う時、どうしても潜在的にあるいは顕在的に存在する大きな課題として立ちはだかります。

意識の高い組織づくりや、自立(自律)したチームづくりが、中小企業経営の基盤を作るという証なのでしょう。

社員を評価(考課)するという行為は、最新のケアを必要とし、かつ”できる限り”納得性の高い制度を構築しなければなりません。

もちろん、人事考課制度などない組織は理想で、皆のモチベーションが担保されるならこんなに楽で素晴らしいことはありません。しかしそれは、机上の空論というものではないでしょうか?大抵の企業は、納得性の高い人事考課制度を構築したいと考えているのです。

なぜなら、社員のモチベーションをできるだけ高めて、質の高い業務を遂行してくれることが会社の発展につながると気づいているからです。

ところが、多くの中小企業経営者が人事考課制度などを導入することなく「鉛筆ナメナメの感覚頼り」で評価を決めて、賞与・昇給を根拠なく決定している現状があります。

根拠のない人事考課制度や感覚での賞与・昇給決定制度は、メンバーのモチベーションを著しく下げます。

納得性の高い人事考課制度を導入する必要性は、年々高まっています。人財不足の経営環境が想定される今日、「選ばれる企業」として成長するには、人事に関する様々な制度を準備し、社員総活躍企業風土を形成する必要があるのです。

投稿日: 2020年8月18日 | 9:29 pm

いい会社プロジェクトー13 〜田島興産のキセキ〜

8月17日(月)、お盆休み明けの仕事開始は田島興産株式会社での”いい会社プロジェクト”支援でした。午前中は、新しい人事考課(モチベーションアップと現状により即した内容)を策定するプログラムです。

今日は、田島社長の59回目の誕生日で、やっぱり不思議なご縁を感じます。人事考課制度は、業務現場と業務内容に即した項目を策定しなければ意味がありません。ただ単に”評価する”だけでは、社員のモチベーションは上がらないのです。

ES(社員満足度)向上に真っ向から向き合う田島興産は、社内アンケート(モラールサーベイ)などを実施しても、メンバーの意識の高さを実感できます。

午後は、ES委員会において情報統一と共有について施策をディスカッションしました。3時間のプロジェクト会議はあっという間です。それだけ、メンバーの意識が高い。ファシリテーターの小生も、愉しい仕事ができるのはそのおかげでしょう。

今日も、ES施策を発見しました。田島興産では、社員の自己啓発(成長)のために一人当たり10万円の研修費が支給されます。社員数は50名ですから、年間約500万円を予算しているのです。また、業務スキル向上のための資格取得・受験料は会社支給です。

いや〜人本経営というのは、このような形をいうのでしょう。脱帽です。

田島興産は、赤字知らずの優良企業です。おそらく法人設立(60年)以来、ずっと黒字経営を続けています。当然ですよね。人財が”稼いでくれる”のですから。

今日の訪問の時、掲示板にこのようなPOPを発見しました。

社員自ら進んで様々なプロジェクトに向き合う会社。

こんな素敵な会社が、佐賀市内に存在していることをもっと多くの人に知ってもらいたい。そのミッションは、小生にあるのだろうと改めて思った1日でした。

投稿日: 2020年8月17日 | 10:49 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【32】

【中小企業診断士が成すコンサルティングサービス:経営理念創出支援①】

経営理念は、企業独自の価値観と目的を”見える化”したものです。経営理念は構成員(社員やメンバー)間で共通認識され、行動基準として確立されることが求められます。

中小企業経営の現場を駆け回っていると、経営理念に関して様々な認識を鑑みることができます。例えば…。

経営は儲けることが目的だという信念で、経営者自身が、理念など全く必要ないと思っている。

立派なフレーズの経営理念があり、名刺にも掲示されているのに、社員は全く重視していない(それどころか、名刺に経営理念が書かれていることすら気付いていない)。

経営理念はただのフレーズと化していて、経営者自身が全く遵守していない。

その他にも様々な様態を発見しますが、こういう形はかなりの確率で散見します。それだけ経営理念は大切であり、理念経営はとても難しいのです。

中小企業診断士は、この経営理念を創出する支援ができます。そして、このサービスはその後のコンサルティング支援(仕事)につながる重要なミッションとして認識することができます。

以前、一緒に仕事をしたことのある自称経営コンサルタント(女性)がこんなことをクライアント経営者に提言していました。

自称コンサルタント:「社長、御社では経営理念は制定されていますか?」

経営者:「いや〜、どうやって作っていいか分からなくてね。」

自称コンサルタント:「簡単ですよ。インターネットで検索すれば、いいフレーズがたくさん探せますから。参考になさってはいかがですか?」

経営者:「そうですね…」

こういう薄っぺらな提案をするコンサルタントがいるから困ったものです。

経営理念は、オリジナルで全社共通の価値観を明文化したものです。ですから、できるだけ多くの社員の”想い”を反映させて、オンリーワンで創出しなければ意味がありません。

経営者、幹部、現場スタッフのハートの中にある”想い”を形にして、美しいフレーズとして明文化する支援が望まれます。

投稿日: 2020年8月16日 | 8:20 pm

「商品開発で頼りたいコンサル会社」に選出されました!

「比較ビス」という外注先プラットホームサイトがあります。

この度、ご縁があって「商品開発で頼りたいコンサル会社9選」に選んでいただきました!

ホームページやブログをモニタリングしていただいていたようで、小生のメソッドに注目してもらった結果です。

認められて、声かけいただくということは嬉しいものですね。

https://www.biz.ne.jp/matome/2004859/

 

 

投稿日: 2020年8月15日 | 10:45 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【31】

【中小企業診断士のリサーチスキル・経営診断】

ひと昔前は、経営診断という形で有料コンサルティング契約が成立していました。現在は、経営診断は”予備診断”というサービス名に変わり、ほぼ”お金をいただけない”コンサルティングに変化していきました。

今やお金をいただけるようになるには、予備診断の後の処方箋やオペレーションを実行した時とされています。ということは、クライアントにとって効果的なコンサルティングを提案するスキルを有しないと、プロとして生業ができないことになります。

何度も言いますが、経営コンサルタントに資格は必要ありません。中小企業診断士は名称独占の国家資格ですから、経営コンサルタントの仕事自体は誰でもできます。

だからと言って、経営診断(予備診断)の価値が低くなったということはない。むしろ、ここで勝負が決まると言っても過言ではないでしょう。

経営診断のコツは、”現場に肉薄すること”です。

社員アンケート調査(実状調査やモラールサーベイ)とヒアリング、現場観察(定点観測)などを併用する。間違ってもアンケート調査のみで、診断結果を出さないようにしてください。

アンケート調査で仮説を立てて、ヒアリングや現場観察で検証する…という手順です。

また、診断報告書は分かりやすく文章だけでなく、写真や図柄を多用します。経営者は文章を嫌う方が、結構多い。「要するにこういうことです。」といった簡潔な報告書が好まれます。

さらに、診断結果を踏まえた処方箋やオペレーションの提案は速やかに行いましょう。同時に提案することがベターです。

投稿日: 2020年8月14日 | 9:41 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【30】

【中小企業診断士としてのヒアリングの極意】

企業の様々な角度から調査をする目的は、一にも二にも事実確認ということになります。経営の実態に肉薄するためには、多様な角度からの検証が必要です。その手法の一つに”ヒアリング”という技術があります。

何だヒアリングか?と思うことなかれ。これは立派にプロのなせる技です。下手なコンサルタントは、ヒアリングが下手です。下手なヒアリングの特徴を並べます。

① 話を途中で遮って、持論を展開する…自意識の強いコンサルタントに見られますが、ヒアリングよりもスピーキングを重視してしまう。

② 具体的な話を聞けずに、総論で仮説を立ててしまう…ヒアリングというのは、具体的なイメージが着くまで聴くことが大切です。総論的に聞いて独自判断をしてしまうと、事実誤認の元になります。

③ メモを取りながら聴かない…人間は忘れる動物です。忘れることを前提に、メモを取りながらヒアリングします。メモ帳は必携です。

④ 確認しながら聴く…過度なオウム返は禁物ですが、ひとつひとつ確認しながら聴くことは大切です。マモと併用して、事実誤認を防ぎましょう。

⑤ 最後にメモ内容を確認する…ヒアリングの最後には、必ず復唱確認します。そのことで、ヒアリングされる側は安心感を持つものです。

以上①〜⑤は、一見「なんだそんなことか?」と思われがちなヒアリング技法ですが、ヒアリングは正確にかつ丁寧さが求められるブロフェッショナルな技法です。

とりわけ、経営者が心を開いていないとできないことですので、まずは”何でも話してくれる”ような関係性を構築しましょう。

中小企業診断士は、国家資格です。国家資格であるがゆえに、さもすれば先生よ呼ばれることに優越感を覚え、「自分が偉くなった」ような錯覚を覚えることがあります。呼ばれること自体は否定しませんが、中小企業診断士は”先生”ではありません。

ヒアリングも、伴走者である姿勢を見せて謙虚に実施しましょう。

投稿日: 2020年8月13日 | 11:45 pm

小規模企業持続化補助金 採択結果!

昨日、「令和元年度補正予算 小規模企業持続化補助金〈一般型〉」の結果が届きました。

結果は…「採択!」でした。日本商工会議所のホームページでも確認できました。

補助金というのは、公金であり税金が基になっています。ですので、今回いただく補助金は広く世の中に貢献できるような商品開発(試作品)に使わせていただこうと思っています。

内容は、以前から温めていた「子供(小学生)向けビジネスボードゲームの試作品開発」です。すでにプロトタイプは完成し、デザイナーに相談中。補助金採択を機会に、一気に加速させようと思っています。

それにしても嬉しい。小規模企業にとって「最大50万円(補助率2/3)」はとても助かります。

中小企業診断士が挑戦するものづくり!乞うご期待ください。

あとは、いい商品を開発して世の中に送り出したいと思っています。

投稿日: 2020年8月12日 | 11:35 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【29】

【中小企業診断士のコンサルティング技術〜ミステリーショッパー〜】

中小企業診断士として仕事を獲得できるには、成長過程があると思っています。プロセスは「調べる」「書ける」「話せる」「獲れる(契約できる)」です。

その最初の「調べる」とは調査できるという意味ですが、ひとつの技術にミステリーショッパー(覆面調査)というものがあります。

具体的な調査票に関しては、親しい方には差し上げたいと思いますが、基本的には自分で開発するものです。ここでは、手法についてお話ししたいと思います。

ミステリーショッパーは、事前環境整備が命です。クライアントにいつ訪問するか?誰が訪問調査するか?などを明らかにしては、何の意味もありません。クライアントが”構えて”しまって、実態調査ができないからです。これでは、時間もコストも無駄というもの。

小生は、これまでミステリーショッパー事例を30件ほど実施したと思います。調査の際に、調査票を手に持っていては当事者に怪しまれます。あくまでも、お客様になり切って調査を進めましょう。ですので、調査のポイントを事前に頭の中に叩き込んでおく必要があります。

調査が一通り終わったら、速やかに(小生は車中で実施します)調査項目を振り返り、メモしておきます。

忘れてはならないのは、写真撮影です。できるだけ携帯カメラを使用して、写真を残します。写真は情報の宝庫です。かなりの説得力になりますし、動画撮影が可能だったらなおさらです。

調査終了後は、報告書(レポート)を策定しますが、図柄や写真を多用した「見る」報告書を策定してください。文字だらけのだらだらとした報告書は、経営者に敬遠されがちです。

投稿日: 2020年8月11日 | 8:05 pm

コロナ禍がもたらす経営環境変化 〜会議の場合〜

昨今のコロナ情勢は、中小企業の経営環境に対しても大小の影響を及ぼすことは間違いないようです。特にインターネット利用による情報伝達手段は、「オンライン飲み会」や「Zoom飲み会」と言ったこれまでなかった文化をもたらしました。

中小企業経営の現場においても、オンラインを使用したミーティングなどが普及していくことでしょう。しかし、だからと言ってありとあらゆる会議が、オンラインという手法で成立するわけではありません。

一昔前に「TV会議」というものは流行りましたが、それほどの普及はなりませんでした。なぜか?やはり、大切な意思決定をする場合の議論(ディスカッション)は、同じ空気感の中で展開することが重要だからだと思います。

例えば、伝達事項で済むような簡単なミーティングや報告会などは、オンラインで十分ですし、コストをかけて移動するには非効率でしょう。社員が移動すれば、移動時間だけでコストです。これが削減できるのならば、導入をした方がいい。

しかし、何でもオンラインによる会議形態にしてしまうと、議論が深まらずに大切な意思決定に支障が出ます。

いつに時代でも、そんな場面でも、”想い”と伝え”想い”を受け取るような重要な会議場面では、フェイストゥフェイスのライブ会議が最も効果的ですし、間違いのない議論が可能になるのです。

経費削減や時間短縮、効率性を重視するあまりに、大切な経営会議をオンラインで実施しようという愚行をしないよう留意して欲しいものです。

投稿日: 2020年8月10日 | 11:01 pm

会計事務所(税理士事務所)との上手な付き合い方

創業したての零細企業でも、ある程度の売上規模になってきたら決算業務を会計事務所に委託することをお勧めいたします。税理士は全国に9万もいますので、どの税理士に依頼するかは悩みますよね。そして、会社の経営状態(業績や経営数値)を明らかにしなければならない、税理士との付き合いは慎重にならざるを得ません。

時々、税理士事務所とうまく付き合えないという(ほとんどが会計事務所への不満ですが)相談を受けることがあります。

税理士(会計)事務所は、明確に「提案型」をセレクトしてください。「うちの事務所は、経理代行と決算申告書を作るだけですから」と開き直る会計事務所は付き合うに値しません。

そして、会計事務所は金融機関と同じ感覚で付き合う方がベターです。

様々な会計上や利益、税金に関する相談を遠慮なく問い合わせる。その相談に真摯に対応してくれる事務所がお勧めです。

税理士(会計事務所)の得意分野といえば、資金繰りや経費管理、節税や納税と行ったところです。

しかし、それに加えて保険や設備投資などの提案をしてくれる事務所とは付き合うに値します。

厄介なのは、付き合ってみないとその会計事務所の特徴やサービス品質が測定できないことです。

経営コンサルタント(中小企業診断士)のセレクトよりも、もっと慎重に吟味した方がいい。

一度顧問契約した会計事務所から、他の事務所に切り替えるときは、会計ソフトや手続き、書類の統一などかなりの労力や手間を必要とします。

もちろん上から目線で、アドバイスしたりしてくる税理士は言語道断。お付き合いする価値すらありません。

投稿日: 2020年8月9日 | 8:20 pm