業績決定要因と業績阻害要因をつかむ!

業績第一主義の経営はいつか行き詰まりがきます。なぜなら、誰かを犠牲にする経営になりがちだからです。社員に圧力をかけて辞職率を高めたり、取引先(仕入れ先)の値下げ交渉をしたり、品質を落として原価低減を図り、お客様離れを起こしたり…。

経営というのは、「人を幸せにする活動」のことですから、関わる人が須くWin- Win-Winになる環境づくりに挑戦すべきです。

経営には「業績決定要因」と「業績阻害要因」というものがあります。業績は文字通り「事業を営んだ成績」ですから、社会からいい評価を受けていくことに挑戦し続けるべきです。経営者も我々のようなコンサルタントも、企業の「業績決定要因」「業績阻害要因」を探り出すことが重要です。

「業績決定要因」は、ここを改善(戦略実行)すれば、業績が上がっていく(可能性が高い)という課題解決点のことを言います。

反対に「業績阻害要因」は、反対にこれを放置すれば、業績が悪化するという問題点のことを言います。

この二つの要因は、手間暇かけて丁寧に調査・診断していかなければ仮説特定できません。もちろん、要因それぞれは多数存在するのですから、解決の優先順位をつけて実直に実行していくことが重要です。

ヒアリングや一方通行からの情報で、この要因が特定できるほど簡単なものではありません。

様々な現場に赴き、様々な角度から観察・調査をしていかなければ、行き着くことができない課題点です。

 

ひとつ思い出したことが…。以前、一緒に仕事をした自称コンサルタント(女性)が、とあるクライアントの総合支援をしながら、取扱商品が何かを知らなかった時には閉口してしましました。(笑)

投稿日: 2020年10月30日 | 10:24 pm

『燃える人事考課制度』のメカニズムー12

【評価要素を定義付けする】

評価要素は、見出しのようなものであり、その意味付けが必要です。意味付けは定義となりますから、評価要素を定義付けする議論はとても重要なことです。

定義付けを間違うと、のちに説明する「評価基準」の文言が方向性を誤ることになります。それだけ、定義付けは深く深く議論する必要があります。

定義ですから、その評価要素は「定義によって固定される」ことになります。その定義からイメージされる姿は、6段階評価の3〜4あたりの評価基準として位置付けましょう。そうすれば、そこから派生する1〜2や5〜6の評価基準フレーズが策定しやすくなります。

これも後ほど説明しますが、「炎の人事考課制度」では評価基準を6段階でグラデーション化しています。

 

投稿日: 2020年10月22日 | 10:06 pm

士業の存在価値を考える…。

毎日のようにクライアントの課題解決のために、経営の現場を駆け回っていますが、最近特に考えさせられることがあります。中小企業には、様々なステークホルダーが関わっています。

金融機関、仕入れ先、外注先、販売先、マーケティング企業(広告代理店など)…そして士業の方々。士業といえば、代表的なのは税理士(会計事務所)ですが、そのほかにも給与計算や労務関係の手続きで社会保険労務士、法律顧問で弁護士…といった面々です。

もちろん、小生のような、中小企業診断士(経営コンサルタント)が経営顧問として関わる場合もあります。

先日もありましたが、会計事務所(税理士)の首をかしげたくなるような仕事。月額顧問料金(4万円)をクライアントは支払っていますが、試算表を今期に入って1度も持参していないという実態です。今期が始まって8ヶ月経過しているにもかかわらず、1度も試算表を出していないとは…。業務怠慢としかいえないでしょう!

特にコロナ情勢においては、経営の緊急事態です。自社の財政状態をタイムリーに把握することは、必定です。呆れてしまいました。

月額顧問料金は、何のために支払っているのでしょう。小生は「即刻返金してもらうか、もしくは、最速で試算表を作るよう要請してください!」と提言しました。

このような事例は、枚挙にいとまがないほどよく散見します。特に目立つのは、会計事務所の怠慢です。すべての会計事務所がそうであると思いませんが、あまりにもよく見る実例です。

士業はよく”先生”と呼ばれます。小生も時々呼ばれますが、「先生と呼ばれるほど馬鹿でなし」。

クライアントの明るい未来を創る支援をすることが、士業の存在価値です。常に兜の緒を占めて、クライアントに寄り添い、課題解決支援に当たらねばなりません。

投稿日: 2020年10月21日 | 10:02 pm

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【40】

【中小企業診断士が成すコンサルティングサービス:階層別社員研修】

中小企業診断士の仕事は多岐に渡りますが、階層別の社員研修もそのひとつです。企業研修を手がけるインストラクターやコンサルタントがたくさんいる中、中小企業診断士として独自(オリジナル)の特性を打ち出さなければ、研修のお仕事のオファーは来ないと心得ましょう。

一方で、質の高い(喜ばれる)研修を提供できれば、お仕事としてリピートしていただくことが可能です。

継続してオファーが来るビジネス研修の特性があるので、ここにご紹介しましょう。

特徴1)インプット:アウトプット比率を工夫する…経験上、インプット:アウトプットの時間的な比率は1:2くらいで十分です。コンサルタント(中小企業診断士)は、ワークシートを準備して、考察時間を十分にとった時間的な構成を考えましょう。ちなみに、ここで言うインプットは「講義・レクチャー」。アウトプットは、「考察・ワークシート記入、プレゼン」などを指します。

特徴2)エンターテイメント性を持たせる…圧迫型のビジネス研修が横行する時代は、とっくに終わりました。研修自体も楽しく学べる工夫が、講師側にも求められています。小生も、研修プログラムに「ゲーム性」を持たせた「ディベート」「プレゼンコンテスト」「ゲームワーク」etc.などを取り入れます。

特徴3)ノウハウとして確立できるように工夫する…発表会・プレゼン機会などを設置して、経営者に参画してもらいます。経営者に対して、リアルに研修結果を報告するためです。また、報告会などを動画で撮影し、以降の研修会などの参考にしたり、ノウハウとして活用するよう提案します。

研修や勉強会は、中小企業診断士として提供できる大きな商品(コンサルティングサービス)となり得ます。

 

投稿日: 2020年10月20日 | 6:07 am

環境ビジネス企業のイノベーション

佐賀県鳥栖市。ここには、(有)鳥栖環境開発綜合センターという元気な企業があります。食品の廃棄物や産業廃棄物の処理、そしてリサイクルなどを事業の柱とする会社です。環境ビジネスは、時代の変遷とともに大きくイノベーション(経営革新)を余儀なくされてきました。

(有)鳥栖環境開発綜合センターは、そんな環境の変化に対応し、需要を喚起して躍進している会社です。

この企業は、食品リサイクル事業として「有機肥料バイグリーン」を製造販売し、メーカーとしての機能も備えました。有機肥料自体は、様々な企業が製造を手がけて価格競争に陥っています。つまり、オンリーワンポイントが不明確なのです。また「使ってみなければ分からない」という商品特徴は、消費者の”手に取る行動”を鈍らせてしまいます。

当社でも、長年この課題に取り組んできました。ところが、ここ数ヶ月で累計9000袋(1袋15kg入り)売れています。それもそのはず、経営陣のマーケティング活動が凄いのです。

拡大地図を利用した、チラシの配布エリア戦略。その写真です。

ちなみに、コンサルタントである小生がアドバイスしたわけではありませんよ。社長・専務が考案して実行している独自戦略です。脱帽!

この会社は、社内も清潔感が漂い愉しい雰囲気をとても大切にしています。

無農薬有機肥料「バイグリーン」は、販促も注力しています。何と販売のほとんどが、来店によるものです。現在キャンペーン中(一袋110円)です。

努力は実る!それは個人も企業も同じですね。

イノベーションは、頑張る企業にもたらされる、「選ばれた経営戦略」であることを再確認できた1日でした。

投稿日: 2020年10月19日 | 10:41 pm

魅惑のダマスクローズー2

昨日は佐賀市内にある元気な会社「ローズテラス 」に伺ってきました。この会社は、社長のユニークで大胆な発想力を活かした商品開発力が光る、とっても魅力的な会社なのです。ブルガリアの「バラの谷」で自然栽培されたダマスクローズを使った様々な商品を企画、開発して世の中に送り出している会社です。

ダマスクローズって??小生も勉強しました(笑)。およそ2万種類と言われるバラの品種の中でも、ダマスクローズは「バラの女王」と言われています。それは、世界で唯一認められている「食べられるバラ」だからです。ブルガリアの「バラの谷」では、およそ150kmに渡る距離でバラ園が開かれており、そこで栽培されるダマスクローズは、毎年5〜6月に一つ一つ手摘みで大切に摘み取られるそうです。

そして蒸溜所に送られたバラは、特殊な手法で蒸留され、ローズオイルを抽出されます。1gのローズオイルを抽出するために、2〜3000本のバラが使われるそうです。す、すごい!

ダマスクローズを独自ルートで仕入れて、開発されたローズテラス の商品は、ノンアルコールスパークリング飲料「セイントローズ」やバラの花びらのジャム「ダマスクローズペタルジャム」として企画製造、販売されています。どれも、オリジナルPB商品です。

紅茶に入れてもとても美味。アイスクリームにつけて食べたら最高のスウィーツ になります。

高木社長の構想では、まだまだいろいろな商品構想があるのです。企業秘密で明かせないのが悔しい…笑。

大切な支援先である、ローズテラス 。佐賀市内の素敵な素敵な会社です。これから、紹介していきますね。乞うご期待!

投稿日: 2020年10月17日 | 6:37 pm

”こだわり”は、ブランディングの重要ファクターである。

あなたの会社が取り扱う商品やサービスに、”こだわり”はありますか?

これは、ブランディング戦略を立案する際に、経営者に必ず尋ねる重要なヒアリング項目です。高品質に寄るべき中小企業経営において、”こだわり”を最大の武器に変える、イノベーション力が問われていきます。

問題は、その”こだわり”がお客様に求められているものであるかどうか…です。お客様が求めていない”こだわり”はただのウザい代物に過ぎません。この”こだわり”は、USP(Unique Selling Proposition)と呼ばれ、絶対的な強みに変貌させることができます。

絶対的な強みは、そのままトンガった特徴として、価格競争を回避する高付加価値経営実現のための重要な味方になってくれます。

中小企業経営の目指すべき戦略は、ブランディング戦略に他なりません。ブランディングに成功すると、高付加価値(高粗利)経営が可能になります。高付加価値経営は、中小企業経営を劇的に改善させることが可能になります。

ですので、我が社で追及すべき”こだわり”部分を抽出して、USPに変換する作戦を立案しましょう。もしも、”こだわり”のファクターが思いつかなかった場合は、商品(サービス)の開発段階から、”こだわり”部分を付加するようにしてください。

何の”こだわり”もない、中小企業の商品はたちまち大企業の「大規模品揃え(MD)」や「大量仕入れによる低価格戦略」に対抗できません。

投稿日: 2020年10月16日 | 6:01 am

中小企業経営戦略のタブー 

中小企業の経営実態と、大企業のそれは根本的に違います。大資本を持って経営戦略を展開する大規模企業は、そもそも経営資源が豊富であり、実は戦略立案や実行がスピーディです。

中小企業が機動力を生かせるように思いますが、それは意思決定が早いだけのこと。資本に乏しい中小企業は、知恵(叡智)を駆使して、高付加価値経営を展開していくことが重要になります。

中小企業経営の戦略の基本は、いつもいいますが「高品質、高価格、高付加価値経営」に他なりません。

逆に言うと、低品質、低価格、低付加価値経営は、タブー(禁じ手)なのです。

まず、低品質ですが「安かろう、悪かろう」は絶対に商売になりません。お客様は、すぐに敏感にその品質(出来栄え)を感じ取ります。低品質な商品は、リピートが来ません。ただ一度のお買い物で終わり…の傾向があります。

中小企業経営は、リピート客の開拓と確保こそ命題なのです。

次に低価格戦略ですが、価格競争は絶対に避けるべき戦略です。低価格戦略は、必ず利益を圧迫します。利益の圧迫は、キャッシュフローの枯渇につながります。つまり、低価格戦略は、低付加価値戦略を招き”全く儲からない”商売になってしまいます。

儲からない商売は、成り立ちません。企業は結果として、儲からないと経営の意味がありませんから。

例えば、飲食店の場合も「こだわり抜いた食材と器にで提供される、感動的に美味しい料理」をお客様に出す訳です。その際も原価を的確に算出し、高付加価値経営を実現するような価格設定をします。

高付加価値経営は、高粗利経営と考えてください。適正な粗利益率を確保するための品質と価格設定を、間違わないようにしていただきたいと思います。

 

投稿日: 2020年10月15日 | 6:31 am

多様な人材がいる会社

会社には、実に多種多様な特徴のメンバーがいます。経営者は、その個性ある人財を操る手綱を取り、存分に能力を発揮してくれるような社風と仕組みを作ることが求められます。

過去に見てきた経営者で、「とにかく稼ぐことができる社員が好きで優遇する」人がいました。なるほど、経営は稼いでナンボ!利益は結果であり、結果が全てのプロの世界では稼ぐことこそ価値がある…その考えも理解できないわけではありません。

会社は役割分担で成り立っています。稼ぐことが優遇される社風や仕組みでは、ギスギスした雰囲気を形成しかねません。事実その会社は、営業成績が上がる社員の給与が高い仕組みを作っていましたから、稼ぐことが苦手な社員は、”虫けらのような扱い”を受けがちでした。

人財の強みを伸ばし、せっかく縁があって入ってきた社員が、存分に動き回り能力が発揮できるような仕組みづくりは、先述しましたが経営者の役目です。

稼ぐことが全ての人事考課制度を時々見ますが、”ロクでもない幹部が蔓延る”傾向があります。出てくる(頑張る)社員の活躍を歓迎するような、社風が形成されないからです。

かつて所属した会社の社長の言葉が忘れられません。「賞与は、業績(回収)額によって決定するから」。

小生は、その社長に尋ねました。「計算式を教えてください」これは当然の疑問ですよね。その社長(コンサル会社のトップですよ)は、答えをはぐらかすばかり。結局は、”鉛筆ナメナメ”で決めていたのですよ。何をか言わんや…です。

そのような社風の会社の末路は悲惨です。人財が退出する(辞める)傾向を作り、人財が育たず、結果として業績が頭打ちになります。

多種多様な人材がいて結構!人財の強みを活かし、伸ばし、活躍するようなステージを作ること。これが経営者の大きなミッションなのですから。

 

投稿日: 2020年10月14日 | 6:20 am

『燃える人事考課制度』のメカニズムー11

【評価要素の抽出・創出方法】

評価要素というのは、人事考課の評価視点というべきものです。つまり、そのメンバーの”何を”評価するのかという大変重要なキーワードです。キーワードですので、”見出し”的な分かりやすい文言を抽出します。

ではどこから抽出するのか…?それは紛れも無く”経営理念”や”行動基準”からに他なりません。人事考課は、評価がそのまま経営理念の体現や実現にベクトルが向かっていることが重要なのです。

例えば…建設業の中小企業の場合

経営理念が「我が社は、質の高い技術と品位ある顧客対応で社会の大切なインフラを構築していきます」であった場合、評価要素(案)として「質の高い技術」や「品位ある顧客対応」を抽出することができます。

他にも…食品製造業の場合

経営理念が「我が社は、お客様の笑顔溢れる幸せのために、美味しさを追求し続けます」であった場合、評価要素(案)として「美味しさを追求し続ける」を抽出できます。

経営理念の実現のためには、行動基準が必要です。つまり社員・メンバーとしての行動の”約束事”です。

例えば…アパレル企業の場合

お客様のために「私たちは、お客様の人生を豊にするオシャレを提案し、新しい自分発見のお手伝いをお約束します」という行動基準の時。

評価要素(案)として「人生を豊かにするオシャレの提案」や「新しい自分発見のお手伝い」が抽出できます。

評価要素というのは、「何を持って評価するのか」という”What”を明確にするものですから、設定を間違わないようにすることが大切です。

この評価要素は、理想として9〜10項目の抽出を推奨します。考課・評価する要素は全体で12項目がマックスだと考えています。あまり多いと考課者のモチベーションが下がりますし、あまりにも少ないと考課点数が偏ってしまうものです。

投稿日: 2020年10月13日 | 6:12 am