商品開発は実証実験と検証によって裏付けする。

先日、僕の大切な支援先(クライアント様)にて、新商品開発会議をお手伝いしてきました。新商品開発は、中小企業にとって経営のイノベーションを誘発する有効な戦略です。

今回取り組んでいるのは、これからの社運をかけた事業。ある飲料を開発しているのですが、企業秘密なのが惜しい。完成したらこのブログで、絶対に紹介します。

さて、新商品開発に関しては僕も書籍(中小企業が挑戦する新商品開発)を執筆し、電子図書として出版していますが、開発段階においての意思決定は、実証実験が不可欠です。

今回も実証実験により、商品のベースとなる原料を議論して決定しました。

商品のプロトタイプ(試作品)は、完成物にできるだけ近づける必要があります。

コンサルティングの本分は、「五感を研ぎ澄ませ、五感を使った現場密着支援」です。経営コンサルタントや、中小企業診断士の中には机上の空論で結論を導き出そうとする輩もいます。残念ですが、中小企業診断士であるならば「自らの目で見て、耳で聞いて、匂いを嗅いで、舌で味わって、手で指で触ってみて」判断し、経験による想定値を提案することが大切です。

マーケティングの理論や、経営戦略立案のためのフレームワークは各種ありますが、最も大切なのはコンサルタントの五感であること。

五感と経験から導き出される結論を、体系的に戦略構築するためにフレームワークを使用するだけです。

新商品開発を含めてコンサルティングの現場では、徹底した事実確認と、実証実験とコンサルタントの経験値から導き出した答えを、自信を持ってクライアントに提案・助言していきましょう。

投稿日: 2021年2月12日 | 10:07 pm

経営者の悩み解決に寄り添い、貢献する…

今日は、あるクライアント様に終日赴き、午前中は首脳(役員)会議、午後は幹部による経営方針会議に参画し支援してまいりました。会議後、社長から、「会社も社員も良い方向に変わりつつある。自分も、今まで悩むことが多かったが先生(小生のことです)とのご縁で、自分のミッション(社員を幸せにすること)が分かり、自信になっている。」と嬉しい言葉をいただきました。

このクライアント様には、関与して約1年になりますが、社員と組織(チーム)の主体性が明らかに変わっていっています。自ら考え、提案する組織。課題意識が高い組織に変貌しつつあるのです。

何より、経営者(社長)が「社員を幸せにすること」がミッションだと気付いてくれ、それを実践実行してくれていることが嬉しい。中小企業診断士、経営コンサルタントとしてこんなに嬉しい言葉はありません。

コンサルタントの中には、「私が関わって業績がV字回復!」とか「コンサルティングで昨対150%の売上・利益を達成!」などとホームページ上で宣う輩がいますが、なんとチープで幼稚な表現だといつも呆れます。業績の達成や回復は、間違いなく100%クライアントの功績です。

経営者からの感謝のお言葉は、ありがたく受け止めるべきですが、コンサルタントはクライアント様を「いい会社」にするために存在することを忘れてはならない。いい会社になった(あるいは近づいた)結果が業績なのですから。

志の高い経営者であればあるほど、課題意識が高く、お悩みが多い現状です。

中小企業診断士であれば、その悩みに寄り添い、不安を取り除き、自信を深めてもらうような親身のある支援を心がけたいですね。

投稿日: 2021年2月10日 | 10:41 pm

『燃える人事考課制度』のメカニズムー15

【評価基準の制定方法−3 評価文言の考察方法】

評価基準は6段階で制定する方が、人事考課制度を策定する際にはベターです。人事考課制度は、成長プロセスを明文化して、メンバー(社員・幹部)のモチベーションを上げることが目的だからです。成長プロセスは、4段階では短すぎ、8段階では長すぎます。そこで最も最適なステップ数が6段階なのです。

人事考課をする際の評価基準文言は、具体的にその”姿”がイメージできるように考察していきます。このプロセスは、とても根気とエネルギーが必要な作業となります。実際に僕は、プロジェクトチームを編成して「燃える人事考課制度」を策定する支援を展開していきますが、評価基準文言の策定考察が最も時間を費やします。

それほど時間をかけて、文言(フレーズ)を策定しなければならないほど、このタスクは大変重要です。

また、1から6に向かう段階で、その成長難易度がグラデーションになっていなければならない。そこに難しさが存在するのです。

考察策定のコツを教えましょう。

まず最高の状態(6)がどんな状態か…策定します。出現率はかなり低い。10%未満でしょう。その次に最低の状態(1)の状態を策定します。これも10%未満の出現率。それから5→2→4→3(出現率それぞれ20%)のそれぞれの状態を考察策定していきます。

評価文言は、「燃える人事考課制度」の根幹をなす考え方であり、使える人事考課制度として機能するための重要なファクターです。ぜひ時間をかけて考察策定してください。

投稿日: 2021年2月9日 | 9:25 pm

販管費(販売費および一般管理費)における人件費の考え方

一般的に固定費として位置付けられる「販管費(販売費および一般管理費)」ですが、中でも多くのシェアを占めるのが人件費と呼ばれるものです。人材にまつわる経費のことですが、詳細にいうと「役員報酬」「給与手当」「法定福利費」「福利厚生費」「退職金」などです。

この人件費の位置付けですが、削減可能な現在経費として捉えている経営者が未だに多いことに驚かされます。人件費の削減を、悪い言い方をすれば「リストラ」と言います。これは大企業的な考え方。経営資源が豊富な大企業は、多少のマンパワーの減少を設備や情報、そして採用活動で補うことができます。

一方の中小企業経営では、考え方を180度変えないと大変な事態になります。優秀な人財の流出は、中小企業の経営体力を急速に奪っていくからです。

また、業績の悪化を利益捻出のために、すぐに「人件費を削りましょう!」と提案するコンサルタントもいるから困ったものです。はっきり言いますが、コストカッター型経営コンサルタントは付き合わない方がいい。経営者の役員報酬ならまだしも、一般社員・メンバーの人件費は、経営の聖域であると位置付けましょう。

つまり、人件費は「投資型の未来経費」として、削減のプライオリティ(優先順位)から外すことです。

誇りある経営者、経営コンサルタントであるならば、会社の価値を上げて、増収・増益のための知恵を出し、戦略実行すべきです。または、他経費を見直す。例えば、地代家賃や水道光熱費、接待交際費や消耗品費など…。もちろん限度があります。

限界があるから、最もインパクトのある人件費を削減する方策を考えがちになるのです。

経営者の皆様、人件費削減を真っ先に提案するコンサルタントとは、付き合わない方がベターです。

投稿日: 2021年2月8日 | 6:00 am

会計事務所(税理士事務所)のARIKATA考察

会計事務所出身の経営コンサルタントとして、業界の今後には特に注目しているつもりでいます。会計事務所自体は、経理代行や月次決算報告、決算申告書の作成だけで存続できる時代ではなくなりました。それは、もう10年以上前から言われている現象であり、今後は AIの発達とともに加速していきます。確実に!

先日も、危機感を覚える様な事態を経験しました。会計事務所は、二つの帰路に立たされていると思います。ひとつは完全なロープライスで経理代行を継続し、従来の業務を維持する方向性。ふたつめは、高付加価値化に取り組み、高価格で顧問契約する方向性です。当然、理想はふたつめでしょう。

それには、顧問先の総合的なコンサルティングができる体制づくりが必要です。

しかし、その道は険しく、組織的に構築するのは至難の技です。言えることは、旧態依然とした考え方やオペレーションでは、絶対にできないということ。

そして何より大切なのは、顧問先から経理や決算以外の相談を受けて、それに真摯に向き合うことが大切です。絶対に言ってはいけないことは、「それは専門外だからできません。」とか「我が社の方針で月次報告は短時間で終わらせる様に言われています。」などなど。

中小企業の経営者は、須く相談相手を求めています。最も身近な相談相手は、会計事務所ではないでしょうか?

会計事務所経営の目的は?何…?

「決算書・申告書を作ること?」「月次試算表の納品と報告?」「税の相談と対応?」すべてが手段にしか過ぎない。

顧問先企業の未来の繁栄!これこそが会計事務所の存在意義でしょう!

投稿日: 2021年2月5日 | 11:14 pm

魅惑のダマスクローズー4

バラにまつわるオリジナル商品開発・製造販売を手がける株式会社ローズテラス 。毎年この時期に発売される、超人気商品があります。商品名は「ノーベルガナッシュ」と言います。

ベルギーの最高級ミルクチョコレート「カレボー」に、スウェーデン 王室御用達の北欧紅茶「セーデルブレンド」を練り込んだ、と〜っても贅沢なチョコレートです。1月の発売開始当日に即完売。2月に追加発注されていますが、即予約完売しました。

手作りのため数に限りがある、まさに至高の幻チョコです!

今回は特別にひとつ譲っていただきましたので、食してみました。笑

とろける様な食感はもちろんですが、全くしつこくない、あっさりとした爽やかなホワイトチョコ。紅茶の風味がしっかりと味わえます。

本当に美味しい。こんなチョコレートは初めて食べました。笑

食べたら思わず(大人が)笑顔になるチョコという感じです。紅茶にと一緒に楽しんでもいいですが、ワインのおつまみにもいいです。

僕はアウトロー的に、辛口の吟醸日本酒とともに味わいました。これも美味しいですよ!

ローズテラス は、企業理念を「幸せな時間の提案」としています。理念に徹底してマッチさせた商品の開発には、一切の妥協がありません。だからこそ、ファンが離れない。今この瞬間においても、素晴らしい商品の数々が誕生を待っているのです。

ローズテラス

〒840-0804  佐賀市神野東4丁目12-10  TEL 0952-30-7118

rose-terrace.co.jp

 

 

投稿日: 2021年2月4日 | 5:51 am

経済雑誌「Kin Chu」2月号の発刊にあたって…。

本日2月1日。会員向け経済雑誌「Kin Chu(近代中小企業)」の2021年2月号が発刊されました。1月号からの連載企画「小さな会社が挑戦する新商品開発」の第2回原稿が掲載されています。思い出せば、昨年の6月頃に発行元「中小企業経営研究会」からお話をいただき、9月号に「コロナに負けない中小企業の取り組み」を執筆する機会をもらったことがきっかけです。

中小企業診断士として活動する時、ジャーナリズムへのアプローチはある意味必須条件であると考えています。ブログ内での自らの「主義主張」の発信、メルマガでの価値観の訴求など…。中小企業経営の”あるべき姿”を研究していく立場として、アウトプットを設置することは大切な取り組みだと信じています。

今回の記事内容は、熊本のクライアント「株式会社あんらく」の安樂社長に協力いただき、企画開発商品「コナイくん」の誕生秘話を取材・執筆させていただきました。

コナイくんについては、このブログでも何度も紹介しています。防犯・鳥獣害対策器具「コナイくん」は、安樂社長の長年の構想と努力の末、誕生したスグレモノです。記事をぜひご講読ください。

以下ダウンロードできます!

「Kin Chu」2月号原稿【新商品開発】

 

発行元情報はこちらです!

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「近代中小企業」
発行:中小企業経営研究会
https://www.kinchu.jp
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投稿日: 2021年2月1日 | 6:26 am

中小企業経営にまつわるフランチャイズ戦略

このご時世、自ら起業して新しい価値を社会に投下して対価を得ようとする人たちが、増加していくものと考えています。つまり長いコロナ禍により、しばらく日本経済はでの景気に見舞われるでしょう。その時、雇用されないなら起業して商売を…と思い立つ人が現れるのも自然な話だと思います。

中小企業診断士という立場から、起業そのものは心から応援しています。実際に僕も起業しましたから。

しかし、起業そのものは難しいことではありません。「起業を軌道化すること」が難しいのです。すなわち、事業を継続していくことです。

さて、フランチャイズ経営という分野があります。本部(フランチャイザー)からノウハウを教授して、その対価を支払いながら商売をする形態です。

コンビニエンスストアや飲食店、カフェなどに多い事業形態です。最大のメリットは、本部からのノウハウを提供してもらうことによる、時間の短縮でしょう。

安易に始めたフランチャイズ事業が軌道化できずに、早々と閉めてしまったというケーズは数知れません。

結構な確率で散見される事象として、本部が出した甘めのデータを信じてフランチャイジー契約したが、思うように売上が伸びないとう現象…。

フランチャイズ型経営はの最大のデメリットは、各種独自戦略が制約されている、あるいは全く不可能であるということです。中小企業経営は、オンリーワン戦略をどう立案するか?がその成否を分けます。

フランチャイジーとして経営する時は、戦略に足枷手枷をつけられることを覚悟することです。

現在多くのフランチャイズ本部が展開している事業に、フランチャイジー(加盟店)として契約する際は、十分な事前調査と覚悟と、十分な財力を持って望むようにしましょう。

投稿日: 2021年1月28日 | 6:45 am

粗利益(売上総利益)は中小企業経営指標の根幹である!

企業ブランディングを探求するプロとして、ここ最近行き着いた経営指標に関する結論があります。

数ある経営指標のうち、もっとも重要な指標であるのが粗利益(売上総利益)であろうという考えです。

売上から売上原価を引いた数値が粗利益です。そして粗利益を売上で割り、パーセンテージ表示した数値が粗利益率と呼ばれます。

※売上総利益ともいいます。建設業や建築業では、限界利益という言い方もしますが、ここではその違いは割愛します。

粗利益率は、企業ブランディングを評価する上でとても有意義な指標です。基本的には、粗利益率が高いとブランディングが高まっていると判断します。しかし、高ければ高いほどいいというものではない。ここが難しいところです。

つまり、原価には適正原価というものがあり、原価を下げると当然、粗利益が高まるのですが、下げた原価は”品質(クオリティ)”に跳ね返ってきます。

何度も言いますが、ブランディングの基本戦略は「高品質・高価格・高付加価値」ですから。お客様に感動されるような品質を実現できる適正原価を、実現・提供できるかで粗利益率を測定することが重要です。

よく、会計事務所が営業利益を上げるために、販管費(固定費とよばるいわゆる経費)を下げることばかり提言しますが、これは確実に限界があります。人件費などはもってのほか!

まずは、「適正原価を測定し、適正原価をギリギリまで低減させ、粗利益を最大化する経営戦略」が大切なのです。

全社を挙げて、ブランディングに取り組んでいく経営戦略が望まれる中小企業経営にとって、粗利益がもっとも注視すべき経営指標であることは間違いないようです。

投稿日: 2021年1月27日 | 6:14 am

『燃える人事考課制度』のメカニズムー14

【評価基準の制定方法−2 6段階評価の意義】

「燃える人事考課制度」では、何よりもメンバー(被考課者:評価されるスタッフ)のモチベーションを重視します。したがって、偶数評価で設定します。よく目にするのが、5段階での評価です。これは、「中心化傾向」という望ましくない現象を招きます。

つまり、1〜5の5段階評価の3をつけてしまう現象です。人事考課というものは、本当に手間がかかり、時間も要する負荷のかかる仕事です。なぜなら、評価ひとつでメンバーの人生を左右することになりかねないからです。

手間がかかるだけに、考課者(経営者や幹部などの評価を担うメンバー)の神経はすり減らされるほどエネルギーを消費するものです。

人間のモチベーションは、「中心よりも上、中心よりも下」という結果で大きく変わっていきます。ですので、評価自体は偶数にすべきなのです。4段階でもいいのですが、経験上少ないです。8段階は多すぎて、評価基準の設定が非常に困難になります。

最もベターなのは、6段階により評価基準の設定です。S、A、B、C、D、Eの6段階評価。

特評価Sをつけることができるメンバーは、非常に出現率が低い基準を設定します。低評価Eも同様です。出現率が低いといっても、絶対に現れないような評価基準はナンセンスです。

時々、このような評価人材は絶対に出現しないでしょう…といった基準を設定されている文言を見ますが、かえってメンバーのモチベーションは下がります。なぜなら、到底到達できない基準だからです。

ゆえに、評価基準は6がもっとも理にかなった段階と言えるのです。

投稿日: 2021年1月26日 | 6:43 am