商品開発力が試される時!

ワクチンの浸透まで、一進一退の攻防が続きそうなコロナ禍。観光宿泊業(旅館、観光ホテル)や飲食店は打撃を受け、お客様を迎え入れたくてもできないもどかしさで、忸怩たる思いをされている経営者も多いことでしょう。

とはいえ、来客ないからと言って手をこまねいている場合ではありません。

時間的余裕があるときには、その時の”打つべき戦略”があります。

僕が、この時期に推奨している戦略は「新商品開発(新メニュー開発)」です。コロナ禍が未来永久に継続するはずはなく、来るべき収束時に備えて、着々と準備を進めておきましょう。

また、販促戦略を立案しておくこともお勧めします。ホームページを制作したり、SNSを活用した情報発信をしたり…。

つまり、お客の囲い込みを図ることです。来客を”顧客”に変える施策。

時間的余裕がある時こそ、やるべき戦略があるのです。今は、コストをかけずに販促戦略が展開できる時代。手間暇はかかりますが。この時期だからこそ試行錯誤できるものです。

また、新商品戦略はブランディングに直結します。すなわり、自社ならではの特徴を前面に出した、”トンガリ”を打ち出しやすくなるのです。

アフターコロナは、「セレクト時代」の到来が予想されます。「選ばれる企業」として生き残れるか?それとも、「見向きもされない企業」として淘汰されるか?

企業努力は必ず報われます。

この時期しかできない戦略を着々と立案、実行していきましょう。

 

投稿日: 2021年5月28日 | 5:14 am

社員を信じる…ということ。

中小企業経営者と触れ合っていると、中には我が社の社員を”全く信用していない”経営者に直面することがあります。断言しますが、社員を信用していない経営者は、よくありません。結果現象としての業績も、よくない傾向があります。

「あの社員はダメだ!」とか「あいつは、全く信用できない」という自社社員を誹謗する経営者を見ると、「じゃあ、なんで採用したのですか?」と聞きたくなります。

経営者は社員の、ひいては社員とその家族の運命を握っていると言っても過言でありません。運命を握っている以上、覚悟を持って採用し。教育を施す責任があるのです。

経営はある意味、”人間を見つめる営み”と言えます。自社社員を信用していない経営者が、社員から信頼されるでしょうか?信用されていない社員が、社長を信頼するでしょうか?

社員は”お金=給与”に固執して、その会社に属している訳ではないのです。

社員のモチベーションは、「社長が好き」とか「仕事が好き」とか「仲間・会社が好き」などといった単純な感情で左右されます。

逆に信頼されない経営者の元では、社員のモチベーションは著しく下がります。

重要なのは、採用活動です。採用は、「経営理念の理解に対する期待度」を測定しましょう。経営理念こそが、会社の大切な価値観を表すフレーズです。決してスキルや知識…例えば「稼ぐ」や「できる」など。それだけで採用を判断すると、後々困ったことになります。

大企業と違い、結束力が試される中小企業経営は、自社社員に対する信用・信頼…そして経営者がリスペクトされることがとても大切なのです。

投稿日: 2021年5月27日 | 5:27 am

社員教育の格差!

「社員教育格差」。これは、最近の中小企業経営における深刻な課題だと思っています。今後10年間を考えた時、社員教育に真摯に取り組んで、投資やコストを惜しまない企業と、社員教育にまったく向き合わない企業の格差は拡大すると断言できます。

理由は様々あります。

⒈  労働人口の減少で、現在の生産性を維持向上させようとすれば、業務効率化に意欲的に取り組む社員が重要。

⒉  商品自体の差別化が困難になっている今日。オンリーワン経営を実現するためのは、人財力での差別化が必定。

⒊  新しい人財を採用・育成していくために、現存社員の成長は必須条件。

⒋  選ばれる企業でないと、今後の生き残りは困難。選ばれる企業には選ばれる人財が集う。

以上のような理由からです。

経営は長期的視野に立って、運営する必要があります。時々、人財力よりも資金力(ヒトよりカネ)を地でいく経営者に会いますが、遠くない将来に経営が行き詰まることは、目に見えて明らかです。

損得経営から脱却し、善悪経営に舵を切る。社員教育重視経営は、善悪経営に繋がる方策です。

また、いまどき社員のモチベーションを著しく削ぐような言動をする幹部・経営者は、全くもってナンセンスです。

経営は最終的に経営者の責任。人材も”採用した責任”というものに向き合わないと、どんな優秀な社員が入ってきても、いつの間にか潰れていく極めて悪い社風が育まれてしまいます。

いつの時代も、人財が「いいモノを創り(仕入れ)、カネを稼ぐ(業績を上げる)」ということを再認識しましょう。

投稿日: 2021年5月25日 | 10:02 pm

小学生空手大会で考えた経営学

去る5月16日日曜日。佐賀県内の小学生空手道大会があり、監督を務めて参りました。小学校1年生から6年生までの子供たちが、日頃の練習の成果を競い合います。

コロナ禍で、最大のケアをしながらの大会となりましたが、小学生たちの気合に僕も逆に元気をもらうことができました。

小学1年生の子供たちが、一生懸命に技を競う姿は、本当に感動します。

組手(くみて)試合は、正直怖いでしょう。安全具をつけているとはいえ、闘いですから。

また、保護者の方々の我が子を応援する姿もいいものです。

「決勝戦だ!勝っておかあさんを喜ばせてやれ!」。その子供は「ハイ!」と元気に答えてくれて、試合場に立ちました。

僕は思います、空手も経営も、つまりはハート(情熱や熱意、気合い)が最も大切な要素だと…。

技術やテクニックも、もちろん大切でしょう。ですが、技術の土台となるのは「心」だと僕は信じています。

経営は、この商品やサービスでお客様を感動させるのだ!という熱い想いが最も大切です。

空手の試合も大切なのは、日頃の練習の成果で「絶対に負けない!」という熱い想いです。共通しているのです。

経営の場合は、経営理念という価値観を表した言葉があります。

我が道場にも道場訓という共通の価値観があります。

僕が通う道場は、幼児から大人まで100人を超えます。人口が減少傾向にあるスポーツ(武道)である空手道場で、大規模道場は珍しい。

この日は、空手愛好家としても経営コンサルタントとしても、学びの多い日になりました。

 

投稿日: 2021年5月21日 | 5:08 am

何よりも社員のモチベーションを大切にする

企業が大きくなっていくと、経営は一人ではできなくなり、スタッフの頑張りが鍵を握っていきます。そのため、経営者は「社員のモチベーション」にケアする必要が出てきます。

…とこういう話を講演会やセミナーなどですると、「社員のご機嫌ばかりとってどうしますか?」とか「社員を甘やかしたらロクなことがない。」などという経営者の方々から質問を受けることがあります。

こういう場合は、僕の話の伝え方に問題があるのだ…と自責思案することにしていますが、どう伝えても伝わらないことがあります。

おそらく、経営(商売)の価値観に違いかと思われます。話が噛み合わないからです。

もちろん、経営は社員のご機嫌とりの場ではありませんし、社員を甘やかしてばかりではロクなことはありません。

僕が主張するのは、「社員が燃えるような情熱を持って、業務に打ち込むような環境を創る、あるいは整えることこそ経営者の大切な仕事なのです」…という意味なのです。

社員を大切にしない経営は、いつの間にか終焉を迎えます。理由は簡単!優秀な社員から、その企業に見切りをつけて、去って行くからです。

何度も訴えますが、中小企業経営で最も大切な経営資源は「ヒト(人)=人財」です。経営は、人を採用(雇用)し、人を育て、人を幸せにする営みなのですから。

業績はあくまでも結果現象!

いい会社になることこそ、目標とすべき指標です。

いい会社とは…「周囲(社会)が、あの会社は”いい会社”だねと言われる会社」です。

投稿日: 2021年5月20日 | 5:34 am

人財育成投資の価値

中小企業の財務諸表を俯瞰して見る時、コストカッター型の経営コンサルタントは、販管費の中の”これ以上削れない経費”を削減しようとする傾向があります。

僕もそんな自称コンサルタントを知っていますが、平気で「人件費から削減すべき」と信じられない発言する姿が忘れられません。このブログで何度も言いますが、コストカッター型コンサルタントはプロではないと思います。

コストカットは、もちろんカロリーを消費する負荷のかかるミッションですが、プロコンである以上、収益の拡大をまずは模索すべきでしょう。

今日は、佐世保のクライアントで研修の仕事でした。「事業家養成講座」というタイトルの研修です。

第4回目(全12回)でしたが、参加者の成長を感じた、とても充実した研修だったと思っています。

そのクライアントは、人財の育成のための投資を惜しみません。人財こそ、中小企業の最大の経営資源だと認識されているからです。

「人件費からカットすべき」と言っていたコンサルタントの考え。経営コンサルタントにも様々なタイプがいますから、否定はしませんが、コストカット型コンサルティングは絶体に限界が来ます。

特に「人件費」「教育費」「研究開発費」「広告宣伝費」などの未来構築型経費を削減すると、企業の体力を著しく奪っていきます。

人財を育て、人財が活躍できる社風や仕組みづくり。これこそが経営者の最大のミッションなのです。

従って、中小企業診断士(経営コンサルタント)は、コストカットよりも収入改善(売上拡大)を実現する戦略をまずは立案してサポートすべきなのです。

投稿日: 2021年5月12日 | 11:14 pm

中小企業の戦い方 その2

今日は福岡にて、新しいクライアント様の商品開発会議でした。会議の途中、中小企業はかく戦うべし!ということを改めて伝えました。参加いただいた二人の経営者は、まだ25歳。エネルギーに満ち溢れた若者です。

こんな若者に会うと、僕の診断士としての魂に火が付くわけです。

開発会議はあっという間でした。合計5時間。様々な角度から検証・ディスカッションしていきました。

行き着くところは、やはりブランディングです。中小企業の戦い方は、ブランディングの確立以外何物でもない!

前回は、品質へのこだわりと高品質経営の実践を書きました。今回は、高価格に裏打ちされた高付加価値の実現です。

ブランディングに成功すると、価格決定主導権を握ることができます。つまり価格を自分で設定できる。

これは中小企業経営にとって最大の強みとなります。中小企業経営の最大のタブーは、価格競争だからです。価格競争は大企業に任せればいい。

新しい、斬新な、お客様が喉から手が出るほど欲しいような商品・サービスを構築(開発)することこそ、中小企業の戦い方の極意です。

したがって、オンリーワンを何で打ち出すか?経営資源別(カネ以外)で考察していきましょう。

ヒト(人材)とモノ(商品)、ジョウホウ(ノウハウ、知的財産)…。このファクターのどれでオンリーワンを確立するか?

これこそ、中小企業の経営戦略です。

企業ブランディングの確立こそ、中小企業の戦い方であると心得ましょう!

 

投稿日: 2021年5月10日 | 10:56 pm

中小企業の戦い方 その1

中小企業経営は、大企業のそれと根本的に違います。先日も、クライアントのご支援の際、この現実をまざまざと見せつけられる事例に遭遇しました。

大企業のあるある戦略の一つに、下請け企業への圧力というものがあります。資本力に乏しい中小企業は、仕事を”くれる”大企業の、いわば言いなりにならざるを得ないことが多くあります。

要求の多くは、価格に関することです。次に納期、次に品質と言ったところでしょう。

時々、約束を反故にされるケースも見受けられます。

検討すると言って検討しない。調べると言って調べない。試作品を作ると言って作らない…など。

「バカにするのもいい加減にしろ!」と言いたいですね。

中小企業の戦略は、ただひとつ。オンリーワン経営です。つまり独自性の追求。

特に品質でのオリジナル性の追求が重要です。他にはない、強みを生かしたオンリーワンの商品を開発する…。突き抜けた品質の商品に仕上げる…。など戦略は無限です。

品質によるオンリーワンが実現できたら、次は価格です。

期待を裏切らない品質に裏付けされた、これまた突き抜けた価格の実現です。

思い切った価格政策を立案しましょう。基本的に「値段を下げることはいつでもできるが、上げることは難しい」ですから。

そして、お客様(取引先)を絞らないことです。特定の顧客に依存すると、サバイバビリティ(生存性)が著しく下がります。

取引先の業績や戦略に翻弄されますから。戦略は、自分たちでコントローすることが重要です。

投稿日: 2021年5月5日 | 5:53 am

コンサルティングと助言サービス

プロコンとして経営の現場を駆け回っていると、「以前サポートしてくれていたコンサルタントとは、違いますね。」と言われることがあります。

以前のコンサルタントは、アドバイスや助言に長けていたが、伴奏型サポートはしてくれなったという内容です。

経営コンサルタント業界の”あるある”現象なのですが、国家資格である中小企業診断士ならば、踏み込んだ伴走型支援はマストだと思っています。

立派な計画書を作っても、実行されなかったら「絵に描いた餅」になります。”餅を書いて終わり”ならば、根拠のない”あるべき論”を並べ立てるだけでいい。コンサルタントとして、こんなに楽なことはありません。

ですが、中小企業診断士は違います。町医者たる診断士は、ハンズオンの踏み込んだ支援が必要です。当然、発言の重みも違ってきます。責任もあります。ですので、一緒に苦しみ、のたうち回って課題解決に向き合う必要があるのです。

ここが、伴走型コンサルティングサービスと助言サービスの違いだと、僕は認識しています。

当然、喜ばれるのは「伴走型のコンサルティングサービス」。求められるのも同様です。

コンサルティングは助言サービスとイコール…。そう想っている中小企業診断士が意外と多い。決してそうではありません。

助言サービスは、あくまでもコンサルティングの中のほんの一部にしか過ぎない。大切なのは、一緒に悩み、一緒に苦しみ、一緒に解決策を実行支援する本物のコンサルティングです。

投稿日: 2021年5月4日 | 6:52 am

経費削減か?売上拡大か?

コロナ第4波の真っ只中ですが、企業経営自体を止める訳にはいきません。時短要請や休業要請に直面したとしても、接客時間が無くなったり短くなったりするだけです。企業経営そのものは、継続していかなければなりません。

このようなご時世になると、企業経営は「経費削減」を考えがちになります。コストカットを助言するコンサルタントも多いことでしょう。

はっきり言いますが、経費削減は、今やる戦略ではありません。いつでもできる戦略です。

今こそ実施する戦略は、「顧客創造戦略」です。特に中小企業経営は、顧客(市場)を開拓し続けることが重要です。

経費削減には限界があります。また、削ってはいけない経費もたくさんあります。その最たるものが、人件費でしょう。

人件費、研究開発費、広告宣伝費、教育費などの”未来型経費”は、企業の体力を著しく削ぎます。

過度な経費削減は、アフターコロナに備えた体制を整備できなくなるのです、

もしも、お客様が来なくて(接触できなくて)時間的余裕のある商売をなさっているとしらた…。今やるべきことを粛々と実施していきましょう。

特に、新商品(新サービス)開発戦略は、この時こそ逃してはなりません。じっくりと時間をかけて取り組む必要のある「新商品開発」戦略も、顧客創造戦略なのです。

顧客創造戦略は、売上拡大に直結します。来るべき、アフターコロナに備えてやるべきことをしっかりやる!これしかありません。

今こそ逆張り経営。経費削減よりも、売上拡大のための各種戦略を立案してください。

投稿日: 2021年5月1日 | 6:34 am