社員教育の格差!

「社員教育格差」。これは、最近の中小企業経営における深刻な課題だと思っています。今後10年間を考えた時、社員教育に真摯に取り組んで、投資やコストを惜しまない企業と、社員教育にまったく向き合わない企業の格差は拡大すると断言できます。

理由は様々あります。

⒈  労働人口の減少で、現在の生産性を維持向上させようとすれば、業務効率化に意欲的に取り組む社員が重要。

⒉  商品自体の差別化が困難になっている今日。オンリーワン経営を実現するためのは、人財力での差別化が必定。

⒊  新しい人財を採用・育成していくために、現存社員の成長は必須条件。

⒋  選ばれる企業でないと、今後の生き残りは困難。選ばれる企業には選ばれる人財が集う。

以上のような理由からです。

経営は長期的視野に立って、運営する必要があります。時々、人財力よりも資金力(ヒトよりカネ)を地でいく経営者に会いますが、遠くない将来に経営が行き詰まることは、目に見えて明らかです。

損得経営から脱却し、善悪経営に舵を切る。社員教育重視経営は、善悪経営に繋がる方策です。

また、いまどき社員のモチベーションを著しく削ぐような言動をする幹部・経営者は、全くもってナンセンスです。

経営は最終的に経営者の責任。人材も”採用した責任”というものに向き合わないと、どんな優秀な社員が入ってきても、いつの間にか潰れていく極めて悪い社風が育まれてしまいます。

いつの時代も、人財が「いいモノを創り(仕入れ)、カネを稼ぐ(業績を上げる)」ということを再認識しましょう。

投稿日: 2021年5月25日 | 10:02 pm

小学生空手大会で考えた経営学

去る5月16日日曜日。佐賀県内の小学生空手道大会があり、監督を務めて参りました。小学校1年生から6年生までの子供たちが、日頃の練習の成果を競い合います。

コロナ禍で、最大のケアをしながらの大会となりましたが、小学生たちの気合に僕も逆に元気をもらうことができました。

小学1年生の子供たちが、一生懸命に技を競う姿は、本当に感動します。

組手(くみて)試合は、正直怖いでしょう。安全具をつけているとはいえ、闘いですから。

また、保護者の方々の我が子を応援する姿もいいものです。

「決勝戦だ!勝っておかあさんを喜ばせてやれ!」。その子供は「ハイ!」と元気に答えてくれて、試合場に立ちました。

僕は思います、空手も経営も、つまりはハート(情熱や熱意、気合い)が最も大切な要素だと…。

技術やテクニックも、もちろん大切でしょう。ですが、技術の土台となるのは「心」だと僕は信じています。

経営は、この商品やサービスでお客様を感動させるのだ!という熱い想いが最も大切です。

空手の試合も大切なのは、日頃の練習の成果で「絶対に負けない!」という熱い想いです。共通しているのです。

経営の場合は、経営理念という価値観を表した言葉があります。

我が道場にも道場訓という共通の価値観があります。

僕が通う道場は、幼児から大人まで100人を超えます。人口が減少傾向にあるスポーツ(武道)である空手道場で、大規模道場は珍しい。

この日は、空手愛好家としても経営コンサルタントとしても、学びの多い日になりました。

 

投稿日: 2021年5月21日 | 5:08 am

何よりも社員のモチベーションを大切にする

企業が大きくなっていくと、経営は一人ではできなくなり、スタッフの頑張りが鍵を握っていきます。そのため、経営者は「社員のモチベーション」にケアする必要が出てきます。

…とこういう話を講演会やセミナーなどですると、「社員のご機嫌ばかりとってどうしますか?」とか「社員を甘やかしたらロクなことがない。」などという経営者の方々から質問を受けることがあります。

こういう場合は、僕の話の伝え方に問題があるのだ…と自責思案することにしていますが、どう伝えても伝わらないことがあります。

おそらく、経営(商売)の価値観に違いかと思われます。話が噛み合わないからです。

もちろん、経営は社員のご機嫌とりの場ではありませんし、社員を甘やかしてばかりではロクなことはありません。

僕が主張するのは、「社員が燃えるような情熱を持って、業務に打ち込むような環境を創る、あるいは整えることこそ経営者の大切な仕事なのです」…という意味なのです。

社員を大切にしない経営は、いつの間にか終焉を迎えます。理由は簡単!優秀な社員から、その企業に見切りをつけて、去って行くからです。

何度も訴えますが、中小企業経営で最も大切な経営資源は「ヒト(人)=人財」です。経営は、人を採用(雇用)し、人を育て、人を幸せにする営みなのですから。

業績はあくまでも結果現象!

いい会社になることこそ、目標とすべき指標です。

いい会社とは…「周囲(社会)が、あの会社は”いい会社”だねと言われる会社」です。

投稿日: 2021年5月20日 | 5:34 am

人財育成投資の価値

中小企業の財務諸表を俯瞰して見る時、コストカッター型の経営コンサルタントは、販管費の中の”これ以上削れない経費”を削減しようとする傾向があります。

僕もそんな自称コンサルタントを知っていますが、平気で「人件費から削減すべき」と信じられない発言する姿が忘れられません。このブログで何度も言いますが、コストカッター型コンサルタントはプロではないと思います。

コストカットは、もちろんカロリーを消費する負荷のかかるミッションですが、プロコンである以上、収益の拡大をまずは模索すべきでしょう。

今日は、佐世保のクライアントで研修の仕事でした。「事業家養成講座」というタイトルの研修です。

第4回目(全12回)でしたが、参加者の成長を感じた、とても充実した研修だったと思っています。

そのクライアントは、人財の育成のための投資を惜しみません。人財こそ、中小企業の最大の経営資源だと認識されているからです。

「人件費からカットすべき」と言っていたコンサルタントの考え。経営コンサルタントにも様々なタイプがいますから、否定はしませんが、コストカット型コンサルティングは絶体に限界が来ます。

特に「人件費」「教育費」「研究開発費」「広告宣伝費」などの未来構築型経費を削減すると、企業の体力を著しく奪っていきます。

人財を育て、人財が活躍できる社風や仕組みづくり。これこそが経営者の最大のミッションなのです。

従って、中小企業診断士(経営コンサルタント)は、コストカットよりも収入改善(売上拡大)を実現する戦略をまずは立案してサポートすべきなのです。

投稿日: 2021年5月12日 | 11:14 pm

中小企業の戦い方 その2

今日は福岡にて、新しいクライアント様の商品開発会議でした。会議の途中、中小企業はかく戦うべし!ということを改めて伝えました。参加いただいた二人の経営者は、まだ25歳。エネルギーに満ち溢れた若者です。

こんな若者に会うと、僕の診断士としての魂に火が付くわけです。

開発会議はあっという間でした。合計5時間。様々な角度から検証・ディスカッションしていきました。

行き着くところは、やはりブランディングです。中小企業の戦い方は、ブランディングの確立以外何物でもない!

前回は、品質へのこだわりと高品質経営の実践を書きました。今回は、高価格に裏打ちされた高付加価値の実現です。

ブランディングに成功すると、価格決定主導権を握ることができます。つまり価格を自分で設定できる。

これは中小企業経営にとって最大の強みとなります。中小企業経営の最大のタブーは、価格競争だからです。価格競争は大企業に任せればいい。

新しい、斬新な、お客様が喉から手が出るほど欲しいような商品・サービスを構築(開発)することこそ、中小企業の戦い方の極意です。

したがって、オンリーワンを何で打ち出すか?経営資源別(カネ以外)で考察していきましょう。

ヒト(人材)とモノ(商品)、ジョウホウ(ノウハウ、知的財産)…。このファクターのどれでオンリーワンを確立するか?

これこそ、中小企業の経営戦略です。

企業ブランディングの確立こそ、中小企業の戦い方であると心得ましょう!

 

投稿日: 2021年5月10日 | 10:56 pm

中小企業の戦い方 その1

中小企業経営は、大企業のそれと根本的に違います。先日も、クライアントのご支援の際、この現実をまざまざと見せつけられる事例に遭遇しました。

大企業のあるある戦略の一つに、下請け企業への圧力というものがあります。資本力に乏しい中小企業は、仕事を”くれる”大企業の、いわば言いなりにならざるを得ないことが多くあります。

要求の多くは、価格に関することです。次に納期、次に品質と言ったところでしょう。

時々、約束を反故にされるケースも見受けられます。

検討すると言って検討しない。調べると言って調べない。試作品を作ると言って作らない…など。

「バカにするのもいい加減にしろ!」と言いたいですね。

中小企業の戦略は、ただひとつ。オンリーワン経営です。つまり独自性の追求。

特に品質でのオリジナル性の追求が重要です。他にはない、強みを生かしたオンリーワンの商品を開発する…。突き抜けた品質の商品に仕上げる…。など戦略は無限です。

品質によるオンリーワンが実現できたら、次は価格です。

期待を裏切らない品質に裏付けされた、これまた突き抜けた価格の実現です。

思い切った価格政策を立案しましょう。基本的に「値段を下げることはいつでもできるが、上げることは難しい」ですから。

そして、お客様(取引先)を絞らないことです。特定の顧客に依存すると、サバイバビリティ(生存性)が著しく下がります。

取引先の業績や戦略に翻弄されますから。戦略は、自分たちでコントローすることが重要です。

投稿日: 2021年5月5日 | 5:53 am

コンサルティングと助言サービス

プロコンとして経営の現場を駆け回っていると、「以前サポートしてくれていたコンサルタントとは、違いますね。」と言われることがあります。

以前のコンサルタントは、アドバイスや助言に長けていたが、伴奏型サポートはしてくれなったという内容です。

経営コンサルタント業界の”あるある”現象なのですが、国家資格である中小企業診断士ならば、踏み込んだ伴走型支援はマストだと思っています。

立派な計画書を作っても、実行されなかったら「絵に描いた餅」になります。”餅を書いて終わり”ならば、根拠のない”あるべき論”を並べ立てるだけでいい。コンサルタントとして、こんなに楽なことはありません。

ですが、中小企業診断士は違います。町医者たる診断士は、ハンズオンの踏み込んだ支援が必要です。当然、発言の重みも違ってきます。責任もあります。ですので、一緒に苦しみ、のたうち回って課題解決に向き合う必要があるのです。

ここが、伴走型コンサルティングサービスと助言サービスの違いだと、僕は認識しています。

当然、喜ばれるのは「伴走型のコンサルティングサービス」。求められるのも同様です。

コンサルティングは助言サービスとイコール…。そう想っている中小企業診断士が意外と多い。決してそうではありません。

助言サービスは、あくまでもコンサルティングの中のほんの一部にしか過ぎない。大切なのは、一緒に悩み、一緒に苦しみ、一緒に解決策を実行支援する本物のコンサルティングです。

投稿日: 2021年5月4日 | 6:52 am

経費削減か?売上拡大か?

コロナ第4波の真っ只中ですが、企業経営自体を止める訳にはいきません。時短要請や休業要請に直面したとしても、接客時間が無くなったり短くなったりするだけです。企業経営そのものは、継続していかなければなりません。

このようなご時世になると、企業経営は「経費削減」を考えがちになります。コストカットを助言するコンサルタントも多いことでしょう。

はっきり言いますが、経費削減は、今やる戦略ではありません。いつでもできる戦略です。

今こそ実施する戦略は、「顧客創造戦略」です。特に中小企業経営は、顧客(市場)を開拓し続けることが重要です。

経費削減には限界があります。また、削ってはいけない経費もたくさんあります。その最たるものが、人件費でしょう。

人件費、研究開発費、広告宣伝費、教育費などの”未来型経費”は、企業の体力を著しく削ぎます。

過度な経費削減は、アフターコロナに備えた体制を整備できなくなるのです、

もしも、お客様が来なくて(接触できなくて)時間的余裕のある商売をなさっているとしらた…。今やるべきことを粛々と実施していきましょう。

特に、新商品(新サービス)開発戦略は、この時こそ逃してはなりません。じっくりと時間をかけて取り組む必要のある「新商品開発」戦略も、顧客創造戦略なのです。

顧客創造戦略は、売上拡大に直結します。来るべき、アフターコロナに備えてやるべきことをしっかりやる!これしかありません。

今こそ逆張り経営。経費削減よりも、売上拡大のための各種戦略を立案してください。

投稿日: 2021年5月1日 | 6:34 am

中小企業の営業、販売戦略

中小企業の経営コンサルティングを現場で展開している時、営業戦略や販売戦略を練ることがよくあります。

カネという大切な経営資源を生み出す源泉は、販売や営業の戦略によるものだからです。当たり前ですが…。

究極の究極な、中小企業の営業戦略は「営業しないこと」です。つまり喉から手が出るほど、欲しい商品を開発(あるいは仕入れ)してお客様から”わざわざ”来てくれるような、そんな戦略が理想です。

あくまでも理想論なので、現実で考えた場合、中小企業の営業・販売戦略を列挙しましょう。

1 取り扱う商品(サービス)の特徴(USP)を磨き上げ、高価格設定を実現すること

2 1社(少人数)依存型の販売・営業戦略を取らず、客数(取引会社数)をできるだけ増やしていくこと

3 リピートしてもらうような、丁寧な応対・接客を実現すること

4 お客様の情報をこまめに収集し、ワンツーワン・マーケーティングを実現すること

5 新商品や新開発商品を出した時、必ず情報提供して案内すること

6 常に”仕掛ける”こと。情報発信を常時できる体制を整えること

7 ビジュアル的な案内ツール(企業情報なども掲載)を用意して、”見せる”販売・営業を展開すること

最後に、営業力は「企業力」であり、営業スタッフの「人間力」であることも重要なファクターです。

トークを磨き、プレゼンテーションだけで完結させる販売・営業戦略は、いつか限界がきます。

ですので、細かい配慮や心配り、お客様が感動するような販売・営業戦略こそ、中小企業にふさわしいことを認識しましょう。

投稿日: 2021年4月30日 | 5:26 am

企業は利益を上げてナンボか…?

コロナ禍による経済情勢の厳しさに直面すると、企業経営の進化が問われる事態が到来します。経済情勢の厳しさとは、不況のことを言うのですが、まさに淘汰の時代到来といえるでしょう。

このご時世において、経営者の真価(進化とも言えますね)が問われる時でもあります。このブログで何度も訴えているのですが、経営とは「やり方」ではなく「あり方」が問われる人間の営みである…ということ。

つまり、企業は利益を上げてナンボ…という価値観は、どこかで躓く運命にあります。

企業経営は「世の中に価値をどれだけ投下したか?」が問われるのです。したがって、「価値を創ってナンボ」という価値観が正解です。

特に昨今のコロナ禍においては、消費者の感性が研ぎ澄まされます。本当に”いいもの(いいサービス)”を提供している企業(お店)かどうか?で、今後(これから)が決まっていくのです。

中小企業診断士として、現場を駆け回っているとまだまだ「企業は利益を上げて(儲けて)ナンボ」という価値観が横行しています。

利益というのは、「頑張った運営の結果現象」にしか過ぎなませんし、バロメーターにしか過ぎません。

常に「経営のあり方」を省みて、「お客様から選ばれる経営」をしているか?を検証することが重要なのです。

正しい経営(経営理念に向かってブレない経営)をしている会社は、結果として利益が上がっていく…ただそれだけのことです。

ただし、その年だけ利益を上げても一時的現象にしか過ぎない。利益を出し続けることが重要です。

投稿日: 2021年4月29日 | 11:37 am