ブランドコンサルタントが創る人事考課制度

俗に言う、人事考課制度は社会保険労務士などの法律家の専門分野と考えられがちです。しかし、僕は長年のコンサルティング経験の中で、法律家が作った人事考課制度の中で”唸るほど良くできた”仕組みというものを見たことがない。

法律家が作ると、得てして「血の通わない冷たい」印象の人事考課制度が出来上がりがちになります(すべての事例がそうではありませんよ。念のため)。

人事考課制度は、人材成長制度と言い換えてもいい。企業にとっての最大で最強、唯一の経営資源「ヒト」を磨き輝かせる未来指向型の仕組みであることを認識しましょう。

ですので、血の通った(使える)みとベーションが上がる制度を、丹念に精魂込めて作り上げるべきです。

もっとも使えない人事考課制度は「評価(過去の反省)」が中止になっている制度です。人が人を評価するというのは、とても難しい。

もしも、人格に問題のある経営幹部に評価される現場スタッフは悲劇です。僕は、サラリーマン時代に苦い経験があります。

「なんであんたに評価されなきゃならない?」と思うと、すこぶるモチベーションが下がるものです。まあ、その上司は部下を潰す名人のような幹部でしたが…。

したがって、人事考課(成長)制度は明らかに中小企業診断士や経営コンサルタントの登場領域です。

「人材が人財として成長し、企業ブランディングを経営していく…」この価値観を根底にした、未来志向型の人事考課制度。ブランドコンサルタントのなせる技を十二分に発揮して挑戦してもらいたいと願います。

今日も、あるクライアントで見ました。使えない人事考課制度。

考課項目自体が曖昧かつ総論すぎて、まったく成長プロセスが実感できませんでした。これで◯百万円のフィー(報酬)をもらっているから、始末に負えません。

クライアントには気の毒ですが、人事考課制度の制定は、パートナー(支援者)を含めてよくよく吟味して決定してください。

使えないものを作ってしまうと、捨て金になりかねません。

投稿日: 2021年6月9日 | 5:23 am

補助金申請で失敗しないために…

先日、地域密着経済団体の商工会のスタッフの方から相談を受けました。

曰く「補助金ありき(補助金をとるために)の事業計画書が、とても多い。その後の運営を危惧している。」と…。

僕のブログで主張していますが、補助金や助成金は「補助金ありきの考え方」では高い確率で失敗(事業が頓挫)します。

「新事業の計画を立案中に、たまたま補助金が適用された…。申請したら承諾されて運が良かった。」これこそが、健全な考え方です。

ちなみに現在、経済産業省のコロナ系事業用補助金「事業再構築補助金」第2回が公募中です(7月5日締め切り)。

僕のところにも、相談案件が3件ほど寄せられていますが、いずれも「補助金ありき」の事業ではありません。補助金は所詮、補助金です。

そして、補助金に依存した事業を継続的に運営している事業家がいるから困ったものです。

今回の事業再構築補助金も、補助率は2/3が基本。1/3は自主資金が必要なのです。

また、事業は事業計画や各種戦略が中心であり、柱です。「どれだけ補助金を申請して、ゲットしようか?」と目論むと大失敗します。

補助金申請を成功報酬で請け負うコンサルタント(中小企業診断士含む)の方々、後々のトラブルに充分注意して契約してください。

ちなみに僕は、絶対に成功報酬型契約は結びません。あくまでも、申請書策定料金の工数を割り出して固定報酬で仕事を受けます。

その方が健全ですし、その後の支援も気持ちよくできます。

千載一遇のチャンスとばかりに、補助金に群がるような愚行は避けたいものです。

投稿日: 2021年6月8日 | 5:27 am

ホームページをカスタマイズしました!

中小企業診断士をはじめとした、経営コンサルタントを生業とする人は、何より自らのコンサルティング理念を発信していく必要があります。なぜなら、ご縁のあるクライアントに対し、価値観を共有することが何より大切だからです。

また、コンサルタントは約10万人ほどいると言われています。まさに玉石混合の状態です。

コンルティングはサービス業ですので、クライアント社長や社風とマッチするかがとても重要になるのです。

ホームページやSNSを活用して、情報を発信していくことが何よりオンリーワンの主張に結びつきます。

今回、僕のホームページをカスタマイズしました。「動画で語る」というサイトを付加して、中小企業診断士の実際や仕事とのご縁、姿勢やマインドのあり方について、語りました。

このシリーズは、一定の期間でコンテンツを増やしていこうと考えています。

ご興味ある方は、是非ご覧ください。

http://www.eichi-con.com/movies/

 

ここまで、ご協力いただいた友人の山下くん、野村さんに心から感謝します。ありがとう。

 

 

投稿日: 2021年6月7日 | 5:08 am

結果を評価される人々

以前勤めていた会社でのこと。経営者が言いました。「仕事は結果が全てである!」。う〜ん。ある意味かっこいい言葉に、納得するはずが、なんかモヤモヤ感があります。

その会社はセミナーとして、プロ野球選手を招聘したりしていましたから。何だか頷けます。

これは僕の主観ですが、結果を評価されるのは「経営者」だけです。一般の現場スタッフは、結果ばかりを評価されては、たまったものではありませんよ。

一般社員は、明らかにプロセス評価をされるべきです。

結果が全て…を宣う経営者は言いました。「結果とは業績、売上。働かざるのも食うべからず!」と。では聞きましょう。関節部門の方々「総務や事務職」などは、どんな結果評価をするのですか?

プロ野球の世界に生きる人々は、完全に結果を問われます。結果を評価される指標(数字)も明らかになりますから。

しかし、企業に勤める社員は、結果ばかりを評価されると疲弊していきます。何よりも、現場スタッフのモチベーションが大切です。

モチベーションが上がる瞬間は、成長プロセスを実感している時です。

ですので、評価は成長プロセスを辿っていることに焦点をあてるべきなのです。

人事考課で成長プロセスを、明確にして具体化した評価基準をつくることが重要です。

ちなみに、結果(業績や売上)が全て(その当時は、”水揚げ”と表現してました。仕事は漁ですか?笑)という組織・チームは、将来いいことがありません。それは歴史が証明しています。

投稿日: 2021年6月3日 | 5:02 am

中小企業診断士に営業をかけてくる輩

先日のこと。弊社のホームページからメールが届きました。ある、メディアからの営業メールです。最近、そのような営業電話やメールが多い…笑。

内容は「メディアを使って、クライアントを開拓してきませんか?クライアント獲得や開拓にお困りでしょう?」的な文言から始まります。

中小企業診断士がクライアントの獲得や市場開拓に困っているというのは、通説ですので、そのような営業案内が来るのも理解できます。

が…、どっこいこちらは経営コンサルタント。中小企業診断士ではありますが、14社のクライアントを現場で支援しているプロです。

よく考えてみてください。

マーケティング戦略を指南する専門家である診断士(プロコン)が、マーケティングで悩むなどあり得ますか?もしそうなら、とても恥ずかしい。

中小企業診断士は、中小企業経営の問題・課題解決に奔走する専門家です。そして、課題を抱える中小企業は無限にあります。それならば、お仕事で困るという事態はあり得ないでしょう。

つまり、クライアント獲得の仕方・やり方などをいくら試したところで、それはナンセンス。

仕事を獲得できないのは、”あり方=姿勢やマインド、ハート”に問題があるのです。「あり方を研究・追求」する勉強会などは、大いに参加・活用する価値があります。

最近、「ホームページを充実させてクライアントをもっと開拓しませんか?」「チャットボットを使って自動的に営業できるようにしませんか?」「メディアに出演して、価値をあげませんか?」などの営業が本当に多い。

僕に提案してもまったく検討の余地はありませんから、他をあたってください。といいたいですね。

 

投稿日: 2021年6月2日 | 5:38 am

いまどきの営業戦略会議

およそ25年前に遡ります。当時コンサルティング会社に勤務していた僕は、先輩コンサルタントと一緒にあるクライアントの営業会議に参加しました。

クライアントは、地元の工務店でした。社員数は50人ほどの会社でした。念のため…ですが佐賀の会社ではありません。

ある営業マンが、営業部長に吊し上げられます。まったく営業成績が上がらないその営業マンは、結婚したばかりの30歳くらいでした。

営業部長「◯◯くん。今月も実績ゼロだねえ。一体どうするの?」

営業マン「すみません。一生懸命訪問して説明しているのですが…。」

営業部長「今月は見込みどうなんだ?」

営業マン「見込みはあるのですが、決定まではまだ…。」突然のことでした。営業部長が突然キレて。「売れないなら、てめえで買え!」

このあとのやりとりは伏せますが。この時の風景を僕は忘れることができません。ただ、経営コンサルタントとして大変勉強になった出来事でした。

以前は、精神論で販売や営業に圧をかける会議が主流でした。ある意味、本当に平気でパワハラが横行していました。

本来営業戦略会議は、科学的にマーケティングを展開する建設的な会議であるべきです。そして、営業スタッフが燃えるようなモチベーションを上げる会議が望ましい。

中小企業診断士として「人幸福の企業経営」を追求していくことを信念としている現在、25年前のような。悲劇的な営業戦略会議を撲滅してきたいと、心から思います。

 

投稿日: 2021年6月1日 | 5:24 am

金融機関のレベルを考える…

クライアントでの経営会議での話。

「この前、新店舗情報案件を金融機関が持ってきた。内容は、ビルの1Fでテナントをやりませんか?という内容。◯◯銀行には、いい土地があれば購入して、上物を建てる相談をしていたのに…。まったくもって見当違いの情報ばかり持ってくるよ。」

この発言は、実際にあった経営者の発言です。

念のため、銀行名は伏せていきますが、金融機関のレベルを疑います。このような事例は、昨今本当に増えている気がします。

金融機関であれば、融資先の真の要望をヒアリングし、それに見合った投資案件情報を持ってくるべきでしょう。

顧客目線ではなく、自社目線であるが故のこの愚行です。

そして、担当はこう続けたそうです。

「土地の購入はハイリスクでしょう。賃貸でテナントの方がローリスクです。」一見、ごもっともな言葉です。

しかし、提案案件は家賃40万円の高額案件です。年間480万円。10年間で4800万円になりますよね。これも、立派なハイリスクでしょう!

4800万円の土地購入とほぼ金額的には同等です。しかも、購入すれば資産にもなります。

もはや呆れてものが言えません。

本当に融資先、関与先のことを考えるならば、要望や構想を叶えるような提案をすべきです。

これからAIの急速な発展により、金融機関自体が危ない時代に入ります。こんな的外れな提案を平気でしてくる、金融機関の将来を憂います。

このような銀行の的外れな提案を、整理することも中小企業診断士の仕事です。

 

投稿日: 2021年5月31日 | 5:37 am

”お付き合いするなら…貧乏なイケメンか?金持ちのブ◯イクか?”

これは、昨日実施したニューフェイス(新人)研修でのディベートテーマです。チームワークや論理的思考と発言力、プレゼン力を養成するのに、ディベートはとても有効で、僕は新入社員研修で取り入れています。

テーマは、その都度セレクトしますが、何より参加者が取り組みやすいテーマをチョイスするようにしています。

あまり難しいテーマだと盛り上がりに欠けます。またディベートが初めてという参加者が多いと、簡単なテーマの方がモチベーションが上がります。

今回も内容はともかく、本当に愉しい研修になりました。全員が若い女性スタッフだったためか、このテーマはヒットしたようです。

さて新入社員研修について、このブログで再三主張していますが、集合研修はあまりお勧めしません。接遇や基本動作の研修なら分かりますが、入社したてのスタッフに研修を実施する場合、経営理念の理解度を中心に企画すべきだからです。

したがって、新入社員研修会は企業独自のプログラムを立案し、ユニークで愉しい研修に仕上げましょう。

以前は、苦痛こそ美学!のような研修もありました。しかし、現在は全くもって時代遅れ。

今でも、このような研修を推奨し、平気で実施しているインストラクターもいます。判断するのは経営者ですが、社員を徹底的に鍛えて圧をかけるような会社には、ぴったりでしょうね。

新入社員が、「この会社に縁があって良かった。自分の成長のため、会社の躍進のためにがんばろう!」と思ってもらえるような研修こそ、”いい研修”というべきでしょう。

投稿日: 2021年5月29日 | 6:03 am

商品開発力が試される時!

ワクチンの浸透まで、一進一退の攻防が続きそうなコロナ禍。観光宿泊業(旅館、観光ホテル)や飲食店は打撃を受け、お客様を迎え入れたくてもできないもどかしさで、忸怩たる思いをされている経営者も多いことでしょう。

とはいえ、来客ないからと言って手をこまねいている場合ではありません。

時間的余裕があるときには、その時の”打つべき戦略”があります。

僕が、この時期に推奨している戦略は「新商品開発(新メニュー開発)」です。コロナ禍が未来永久に継続するはずはなく、来るべき収束時に備えて、着々と準備を進めておきましょう。

また、販促戦略を立案しておくこともお勧めします。ホームページを制作したり、SNSを活用した情報発信をしたり…。

つまり、お客の囲い込みを図ることです。来客を”顧客”に変える施策。

時間的余裕がある時こそ、やるべき戦略があるのです。今は、コストをかけずに販促戦略が展開できる時代。手間暇はかかりますが。この時期だからこそ試行錯誤できるものです。

また、新商品戦略はブランディングに直結します。すなわり、自社ならではの特徴を前面に出した、”トンガリ”を打ち出しやすくなるのです。

アフターコロナは、「セレクト時代」の到来が予想されます。「選ばれる企業」として生き残れるか?それとも、「見向きもされない企業」として淘汰されるか?

企業努力は必ず報われます。

この時期しかできない戦略を着々と立案、実行していきましょう。

 

投稿日: 2021年5月28日 | 5:14 am

社員を信じる…ということ。

中小企業経営者と触れ合っていると、中には我が社の社員を”全く信用していない”経営者に直面することがあります。断言しますが、社員を信用していない経営者は、よくありません。結果現象としての業績も、よくない傾向があります。

「あの社員はダメだ!」とか「あいつは、全く信用できない」という自社社員を誹謗する経営者を見ると、「じゃあ、なんで採用したのですか?」と聞きたくなります。

経営者は社員の、ひいては社員とその家族の運命を握っていると言っても過言でありません。運命を握っている以上、覚悟を持って採用し。教育を施す責任があるのです。

経営はある意味、”人間を見つめる営み”と言えます。自社社員を信用していない経営者が、社員から信頼されるでしょうか?信用されていない社員が、社長を信頼するでしょうか?

社員は”お金=給与”に固執して、その会社に属している訳ではないのです。

社員のモチベーションは、「社長が好き」とか「仕事が好き」とか「仲間・会社が好き」などといった単純な感情で左右されます。

逆に信頼されない経営者の元では、社員のモチベーションは著しく下がります。

重要なのは、採用活動です。採用は、「経営理念の理解に対する期待度」を測定しましょう。経営理念こそが、会社の大切な価値観を表すフレーズです。決してスキルや知識…例えば「稼ぐ」や「できる」など。それだけで採用を判断すると、後々困ったことになります。

大企業と違い、結束力が試される中小企業経営は、自社社員に対する信用・信頼…そして経営者がリスペクトされることがとても大切なのです。

投稿日: 2021年5月27日 | 5:27 am