少人数私募債という資金調達手法

コロナという凄まじいまでの逆風に晒された特定業界においては、金融機関の融資に頼らない、独自の調達手法を検討するのもひとつです。

先日のブログで、昨今の地方金融機関のあり方(賛否両論含めて)を書きましたが、極めて深刻な業界に”落ちた”なあと心底思います。

特にコロナ禍においては、経営にとって血液たる資金の調達は、生と死を分ける深刻な問題です。そこに寄り添おうとしない、地方の金融機関のレベル…。中小企業経営は、今後格差が拡大していくことは、どうやら間違いないようです。

さて、独自の資金調達手法はいくつかあるのですが、中小零細企業にマッチしたものといえば「少人数私募債(しょうにんずうしぼさい)」というものがあります。

例えばこんな企業にマッチしています。

1 コロナ禍以前は、業績躍進が好調だったが、コロナ逆風で失速した企業

2 新規性の高い新商品開発を構想しているが、コロナ融資を受けたために開発資金融資を断られた企業

3 経営者の人的ネットワークが広く、深く、友人も多い企業

私募債は、社債ですから負債ということになります。したがって、増資ではないために会社買収のリスクがありません。

年利、償還期間を自由に決めることができるので、中小企業向けです。

ただ、私募債を引き受けてくれる人数を50人未満。発行総額は1億円未満。一口あたりの最低発行額を1/50以上にするなどの条件があります。

中小企業にとって1億円もの私募債を発行するのは現実的でなく、せいぜい数千万円ですむのではないでしょうか?

 

投稿日: 2021年10月7日 | 5:03 am

10月3日…書斎にて…

先日10月3日。秋晴れの爽やかな1日。呼子にイカ釣り(エギング)でも行こうかと迷いましたが、ひとり自宅の書斎にこもって「ものづくり」に励んでおりました。

20年前。放送局スタッフ時代。放送制作に携わった経験から、ものづくりの愉しさ、難しさは骨の髄まで染み込んでいます。つくづく、過去は今日につながる全てのプロセス…そんなことを考えます。

さておき、今回取り組んでいるのは「子供(小学生低中学年)向け・ビジネス知育ゲーム」というべきでしょうか?

これが実に楽しい。

こういうとき、ふとした瞬間に思いつくアイデア。頭の中に”湧いてくる瞬間”があります。その時には、さっと携帯やメモ帳に書き留める。

後々それが”形”になるわけです。

中小企業診断士は、クリエイトスキルを身につけた方がいい…これはぼくの変わらない持論です。

調査票、プレゼンシート、企画書。レポート(報告書)、ワークシート…その他のユニークなツール。これらは自ら考え、考案して生み出した方が断然いいのです。

商品(サービス)開発のプロセスは、中小企業診断士(プロコン)として、クライアント支援に外せない領域です。そのため、ノウハウは自らのオリジナル性を追求し、作り上げるべきなのです。

文章力もそうです。中小企業診断士は「調べる」「書ける」「話せる」「取れる」スキルが必須です。

書斎にこもり、コンサルティングツールの開発を試行錯誤しながら、この仕事に出会えた縁というものを、噛み締めていたひとときでした。

投稿日: 2021年10月6日 | 5:32 am

金融機関は「ただの金貸しか?」

金融機関のあり方を、中小企業診断士として痛切に考える今日この頃。コロナ禍における、あまりにの理不尽な金融機関の対応を、身近に経験することが連続してありました。

金融庁も柔軟な対応を、地方の金融機関には求めているにもかかわらずです。

地方の金融機関は、その使命感を忘れているのではないかとさえ考えてしまいます。そんな出来事が続いたわけです。

成熟した社会の今日、金融機関の本分は「事業家と寄り添いながら、融資を通じて応援・支援する」ことではないでしょうか?

もちろん、使命感に燃えたバンカーもいるでしょう。しかし、この緊急事態にもかかわらず、旧態依然とした「金貸し体質」の金融機関が何と多いことか…。

特に「がんばっている将来性豊かな事業を展開中の中小企業」には、心ある融資支援を心がけて欲しいものです。

いつまで経っても「金貸し根性」ばかりでは、いつの日かその価値が疑われ、社会から淘汰されることは間違い無いでしょう。

今この時期こそ、中小企業経営に寄り添った金融支援を、ぜひお願いしたいと願います。

アフターコロナが見えてきた、今こそ…です。

リレーションシップ・バンキングという言葉があります。中小企業が、普段から地域の金融機関と密接なリレーション(関係性)を構築し、スムーズかつ柔軟な支援をもらうようにする取り組みのこと。

最近のリレーションシップ・バンキングとは、金融機関のための言葉となった…のかも知れませんね。

投稿日: 2021年10月5日 | 5:37 am

金融機関の使命感に思う…

コロナ禍の収束が予想され始めた今日ですが、およそ2年にわたるコロナ情勢は、中小企業経営に多大な影響を及ぼしました。完全な外部環境としてのコロナ禍において、金融機関(特に地方銀行や信金、信用組合)はより企業に寄り添った財務的な支援が求められます。

ところが…です。このご時世においても、杓子定規な対応しかできない金融機関が何と多いことか…。

金融機関の本分は何でしょうか?特に法人営業においては、融資という支援を通じて、「企業や事業を育成支援する」ことではないでしょうか?

先日、僕のクライアントでの出来事。長年にわたり定期預金をしているにもかかわらず、融資を断られました。その時の対応といったら…。

何の提案も対案の提示もなく、「この財務状況では融資できかねる」の一点張りだったそうです。

対応も杓子定規の極み。さっさと手続きを済ませ、担当は無愛想に帰って行ったとか。

金融機関の実名をあげてもいいのですが、クライアントに迷惑がかかりますので、留めておきます。

僕のような中小企業診断士からすれば「なめるなよ!今に見ておれ!」という”怒り”が原動力となります。

はっきり言っておきますが、資金調達の方法は融資だけではありません。ましてや、本クライアントの事業は将来性豊かな夢のあるビジネスです。

利益が上がっても、今回邪険な対応しかしなかった金融機関とはお付き合いしないことを決定しました。

しかし…こんな対応では、金融機関業界自体の衰退も致し方ないですね…お気の毒…

投稿日: 2021年10月4日 | 5:12 am

ブランディング戦略でアフターコロナに備えるー3

「ブランディング戦略って、よく聞く(言う)けど、結局のところ何なの?」

この質問は、新しくご縁のあった経営者から実際に尋ねられた内容です。

う〜〜む。こういう質問を受ける度に、「僭越ながら僕のブログを読んでくだされば解りますが…」と言いたくなります…が、言わない方がお互いの幸福ですね。笑。

結局、中小企業企業経営にとってブランディング戦略といえば、「さすが◯◯と言ってもらえる、種々様々な取り組み」のことなのです。

この「さすが!」という評価を世の中から受けるようになれば、一定のブランディング戦略が成功していると観ます。

この取り組みは、全社あげての「長期的な、覚悟を持った、地道で辛抱強い」取り組みが必要です。

当然、お金で買えるようなシロモノではありません。絶対に!

ブランディングを、広告やキャッチコピーなどで実現できると思ったら大間違いです。そんなコンサルタントは、信用してはなりません。

さておき、アフターコロナに備えるために「さすが◯◯!」と言われる、取り組みをしていきましょう。

具体的には、

1 自社の現在の商品(サービス)における品質診断をする

2 診断の結果、求める品質と格差があれば(結構ありますよ)、品質向上戦略を立案・実行する

3 新商品・新サービスを開発し、セカンドブランドを立ち上げる(時と場合によります)

4 人財教育・育成に着手する(優秀なメンバーを育てる)

5 幹部・リーダーを育てる

主にこの5点です。

DXに取り組むのもひとつですが、中小企業経営は過度の効率化は不幸を招く場合がありますので、あくまでも慎重に…。

投稿日: 2021年10月1日 | 5:52 am

ブランディング戦略でアフターコロナに備えるー2

昨日、ブランディングが企業経営に様々な良い効果・成果をもたらす…と書きました。ブログを読んだ経営者から、「何となく分かるけど、具体的にどんな効果・成果なの?」と聞かれたので、お答えしたいと思います。

まず、ブランディングは「高価格で売り上げでき、高付加価値を実現することができる」戦略です。

収入の源は「売上」ですが、利益の源は「粗利益=付加価値」です。売上は膨張係数(膨らますことができる係数)ですから、大切なのはどちかかというと「粗利益=付加価値」ということになります。

価格主導権を握ることができるブランディング戦略に成功した場合、高付加価値(高粗利)経営を実現できるのです。平たくいうと、「儲かる」ということになります。

また、ブランディングは「ロゴなどを通じたインパクト・販促力」が備わるため、いい人財が集まりやすくなります。いい人財が集まると、企業の成長スピードが早まります。

人材の成長(人財化)が、企業の成長に直結しますから、ブランディングによって企業が自然成長していき易くなるのです。

まだまだありますが、具体的には僕のブログに散々書いていますので、ご一読ください。笑

どんなに小さな企業、どんな業種・業態においても「ブランディング戦略展開」は可能です。

ただし、中長期的な取り組みなので、じっくり時間とコストをかけて取り組むことや、経営者の覚悟が必要です。

極端に飽きっぽい経営者や社員・スタッフに任せられない経営者、投資をケチる経営者には不向きな戦略でしょうね。

投稿日: 2021年9月30日 | 5:58 am

ブランディング戦略でアフターコロナに備える

先日も書きましたが、アフターコロナが見えてきた今日この頃。中小企業企業経営も、新しい局面を迎えています。

コロナという、近年まれに見る経済的な逆風外部環境に見舞われた昨今ですが、今後ますます「企業間格差」が拡大することは明白です。

「企業間格差」であり「業種間格差」ではありません。

つまり、同じ業種の中において、格差がさらに拡大するということです。当然ですが、この逆風を乗り切らなければなりません。そして、勝ち組として、アフターコロナ時代を生き残っていかなければならないのです。

アフターコロナに、どう備えるか?これは、ブランディング戦略の立案と実行しかありません。

ブランディングの本質は「高品質、高価格、高付加価値」ですから、まずは自社の商品・サービスを検証し、間違いのない(※リピートをもらうことのできる)品質かどうかを見極めます。

ここで、目指すべき品質に届いていない場合は、即刻高品質実現を図るように手立てをするべきです。

新しい商品を開発するのもいいでしょう。新商品は、企業に活力をもたらしてくれます。

新しい商品群をつくり、セカンドブランドとしてプロデュースしていくこともオススメです。

中小企業経営の最大のタブーは、価格競争戦略です。価格競争を回避して、「選ばれる」企業になるためにも、是非ともブランディングを推進していきましょう。

ブランディング戦略は、様々な良い効果・成果を企業にもたらしてくれます。

投稿日: 2021年9月29日 | 5:23 am

怪しげな経営ツール推進(営業)に注意しましょう

最近のコンサルタントのブログやホームページを見ると、「稼ぎ方」とか「儲け方」とかそんなキーワードがなんと多いことか…。コンサルタントが稼ぎ方が分かれば、自分ですればいいのです。

以前から明言していますが、「稼ぎ方のテッパン方策」などこの世に存在しません。

「稼ぎ方のヒント」ならいくらでもありますが…。経営者の皆様、怪しげなコンサルタントの、怪しげな誘い文句に乗ってはいけませんよ。

言葉巧みな誘い文句に乗せられて、結局コストばかり高くなって全然使えない…などという経営ツールを時々(かなりの確率で)見ます。

特に注意して欲しいのは、リース契約というものです。リースは、途中解約が原則としてできません。リース会社が、依頼主に一括して、まず全額を支払います。依頼主は、毎月毎月リース会社に(基本的には月賦で)支払いをしていくシステムだからです。

もちろん、リースにもメリットはあります。

ただ、このガチガチの仕組みを利用して、高額(総額)な経営ツールの提案をする業者もいます。

I T関係の経営ツールに多いですね(たまたまかもしれませんが)。リースを検討する場合、冷静に判断できる相談者(顧問コンサルなど)を同席させた方がいい。毎月の支払い額(年間の支払額)や支払い期間、そして何よりサービスの中身です。

使えないシステムや、メンテナンス、不具合の場合の即対応など…総合的かつ冷静に検討して、導入決定してください。

信頼のおける協力会社ならまだしも、付き合い期間が短い会社が提案してくるITツールなどを検討する時は、他社と比較検討することをオススメします。

投稿日: 2021年9月28日 | 5:59 am

いい社風の会社には、いい人財が集う

先週の金曜日は、福岡市のクライアントでニューフェイス研修会(正確にはフォローアップ研修)を実施してきました。この会社は、僕のブログにも度々登場する、本当に素敵な会社です…が、あえて社名は避けます。笑

3ヶ月にわたるニューフェイス研修会(4月・5月・6月実施)を経て、9月にフォローアップ研修として実施したのです。現場に出て体験したこと、想い、振り返り…そして今後の成長プロセス計画をじっくりと考察してもらいました。

やっぱり「いい社風の会社には、いい人財が集う」ものですね。引き寄せの法則は、企業経営でも普遍です・

今回のメインプログラムは、長崎の店舗の店長によるゲストスピークでした。

入社したきっかけ、販売現場の出来事、お客様との感動的なやりとり…。

チーフに昇進したときのエピソード。挫けそうになったときの、仲間からの励まし…。

店長になり、低迷していた業績に苦しんだ日々。そして、回復した時の喜び…。

およそ60分間にわたって、たっぷりと語ってくれました。本当に感動的でした。

中小企業診断士として、プロコンとして、この会社の支援に携わって早6年。あらためてご縁のありがたさに感動し、経営理念を創出してブレない運営を主張して、組織づくりをお手伝いした思い出が、走馬灯のように駆け巡ました。

本当にご縁に感謝です。診断士として最高に感激した瞬間でした。

やはり、いい会社は人財を育みます。メンバーの成長が企業の成長!この価値観は、絶対に間違っていないことを確認できた1日でした。

投稿日: 2021年9月27日 | 5:41 am

企業を拡大していく最高の戦略とは?

中小企業経営者の中には、拡大志向の方が意外と多いことに気づきます。もちろん、拡大戦略を全く否定しませんし、そこに価値がある取り組みなら拡大路線も立派な経営方針です。

企業の成長には節目があります。節目というか、壁と言ってもいいでしょう。例えば、年商1億円の壁、社員数10人・30人…といった壁です。

いい会社と言われる企業の代表、伊那食品工業の塚越会長は「年輪経営」を主張され、無理なき成長を推奨されています。僕も、中小企業はしかるべきと考えています。が、拡大路線を思考される気持ちも分かります。

中小企業診断士として、経験上確実に言えることは、企業の柱となってくれる「幹部人財・リーダー」を育成していくこと…。これが拡大戦略の最強方策です。

優秀な幹部人財が在籍する会社は、自然と拡大していきます。つまり、人が集まってl来て”成長していく”のです。

ここで、勘違いを避けるためにあえて言いますが、「優秀な幹部が、いい技術をもっている幹部、稼げる幹部ではない!」ということ。

優秀な幹部人財とは、「すばらしいマネジメントができる幹部」のことです。

したがって、現在の幹部人財を一度再考課してみてください。間違った人財登用は悲劇を生みます。「人間味に溢れ、人から慕われ、ブレない信念と、真摯に仕事に打ち込む幹部人財」を育てていきましょう。

育てる責務は、経営者にあります。もちろんコンサルタントなどの力を借りるのもいいでしょう。

結果として、自社は拡大プロセスを経ていくはずです。

投稿日: 2021年9月22日 | 5:55 am