雇用する責任論

社員が辞めていく現象を、何とも思わない経営者を時々見ます。最初は鳴り物入りで入ってきた社員が、間も無く疎ましくなり、退社に導くような経営者。企業経営の目的を、業績(金儲け)に置いている方に多い傾向があります。

僕も15年にわたる診断士業務の中で、数人このような経営者を知っていますが、はっきり言って無責任すぎますよね。このブログで何度も主張していますが、中小企業経営は「一人でも」メンバーを雇用した場合、そのメンバーの人生を背負ったことになるのです。これは過言ではない。

つまり「雇用する責任」です。

経営者の皆様、あなたの会社は離職率が低いですか?

決算期の1年間の退職者数/期末の常用社員数(有期雇用者含む)を調べてみてください。ここでいう退職者は、転職的離職率のことです。やむ得ない事情での退職ではなく、他の会社(仕事)がいいな…そう思って退職する人たち。

本当の意味での”いい会社”とは、過去5年間の転職的離職率の平均が2%以下(情報:坂本光司先生)です。

当然ですが、このスコアは低い方が断然いい。

逆説的に言うと、「社員に愛されない会社は、顧客にも関係先にも愛されない。結果、業績結果を招く」のです。

我が社は、会社が好きで好きでたまらないという社員が何人いるだろうか?そんな問題意識を常に持ち、社員から愛される企業経営を実践していただきたいと願います。

そのためには、経営者が「雇用する責任」を背負い、社員を育て、社員の幸せを追求するマインドを持ち続けることが、何よりも大切なのです

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投稿日: 2021年12月28日 | 5:47 am

中小企業が最も儲かる戦略は?

コスト削減は限界がある…。これは中小企業経営の常識です。よほど、無駄遣いをしていない限り、コスト削減は難しいのが中小企業経営です。もちろん、資金管理(コストマネジメント)は必要でよ。

ときどき、我が社の業績状態から目を背けて、人任せ(税理士やコンサルタント依存)にする経営者を見ます。このような経営者に限って、自社の財務状態が火の車…という現象が少なくない。

そんな、資金管理姿勢がゼロの経営者は、社員の人生を背負う責任はありませんから、さっさと事業を畳んだ方がいいと断言できます。

さておき、販売費及び一般管理費(以下、販管費)削減は限界がありますから、利益を叩き出すための最も優先すべきは、「売上額を上げて、粗利益率を下げる)という戦略です。

売上を上げる手法は、「顧客数を増やす」戦術を立案・実行します。粗利益率を下げるには、高付加価値経営を実践します。

そう。これはブランディング戦略なのです。ブランディングに成功すれば、中小企業経営は「儲かる」ようになります。

なんだ?そういうことか…と簡単に思うなかれ。これは、とてもエネルギーや信念や、根気や団結力や絆や…いろいろな経営努力の要素が絡み合う、長期的な取り組みでのみ成功する究極の戦略といっても過言でありません。

そして、最も重要視すべき要素は「品質」であること。品質が伴わないブランディングは、はっきり言ってマヤカシです。

品質の正体は、企業努力や企業価値のこと。総合的な自社の「がんばり」なのです。ですから、がんばらない中小企業は儲からないのです。がんばり方を間違わないようしましょう。

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投稿日: 2021年12月27日 | 5:33 am

中小企業診断士として酒宴に呼ばれること

中小企業診断士をはじめとした、経営コンサルタントの商品(売り物)は、その人そのものです。間違っても、フレームワークやノウハウではありません。その人の人柄に裏付けされた「信頼感」や「安心感」あるいは「高揚感」を見られています。

ここ2年ほど、コロナにより酒宴にお呼ばれすることも少なかったのですが、今年は収束しているためか、お呼びいただくことが多い現状です。

診断士の皆様、あなたはクライアントの酒宴の席にお呼ばれしていますか?僕はこの時期、3日に1日のペース(週に二日)で酒宴の予定が入っています。

断言できますが、これは専門家として大変名誉なことです。そして、クライアントから喜ばれているバロメーターであると認識しましょう。

「いや〜なかなか呼ばれることはありませんね。」という方、十分な報酬をあげていますか?酒宴の席に呼ばれない中小企業診断士(経営コンサルタント)は、「あなたと飲食しても愉しくない…」と言われているようなものですよ。

経営者に元気を与え、中小企業に活力をもたらすのが、中小企業診断士の仕事だと言っても過言ではない。

もちろん健康は大事です。酒宴の席は、人物像が浮き彫りになります。ユニークな専門家か?我が社に活力をもたらしてくれる人間性を持ち合わせているか?

お誘いはできるだけ受けて、出席するようにしましょう。

お酒の席で、新しいお仕事のヒントにつながる話を聞くチャンスもあります。「こいつは面白い。また酒宴に誘おう!」と思われるような立ち振る舞いも大事です

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投稿日: 2021年12月24日 | 5:34 am

ブランディングにおける真の狙い

企業ブランディングや商品のブランディング戦略を展開するとき、その目的をブラさないようにすることが重要です。つまり、何のためのブランディング戦略なのか?に照準を合わせて、全社的に共有することが大切なのです。

一部のブランディングを推奨する専門家は、ブランディングを「かっこよく、おしゃれな、お客様に刺さるデザイン、ロゴ、キャッチコピーを作ることがブランディングである」と考えている節があります。

経営(商売)におけるブランディングは、何のためにするのですか?おしゃれなデザイン、キャッチを付加することですか?それは手段であり、プロセスです。

商売におけるブランディングというのは、「高品質、高価格、高付加価値」経営を実現することに他なりません。つまり、儲かることにあります。

中小零細企業ならではの特徴(絶対的な強み)を抽出し、それを品質に反映させます。その上で、品質にこめられた想いを行言する…そして、情報発信する。結果として、ファン(顧客、リピーター)を獲得し、経営基盤を強固なものにしていく…。この一連のプロセスをブランディングと言うのです。

デザインやキャッチの勉強をするのもいいでしょう。否定はしません。それよりも、経営者ならば「高品質(お客様に感動されるようなハイクオリティ)」を実現するために奔走することが、俄然現実的です。

もっというならば、デザインやキャッチ、ロゴは専門家に任せましょう。それはやはりプロの仕事。

間違っても、デザイニングやコピーライティングだけがブランディングであると勘違いしないようにしてください

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投稿日: 2021年12月23日 | 5:18 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【60】

【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士のリサーチスキル〜】

中小企業診断士は、その名の通り「診断する専門家」です。この診断力ですが、実はかなりのスキルを要します。「稼ぐことができない診断士」に”あるある”なのが、この診断の裏付けとなる「調査力=リサーチスキル」ということができます。

このブログでも再三主張していることですが、調査力というのは机上の空論では成り立ちません。

同じ診断士が、クライアントの中小企業に対して「アンゾフの成長マトリクス」を持ち出し、事業構想を全否定する場面に遭遇したことがあります。しかもそのクライアントは、僕の支援先でした。あろうことか、その診断士は「川﨑さんには内緒ですよ…」と発言したとか…。怒

診断士としての振る舞いはさておき(実際、許すことはできませんが)、「アンゾフの成長マトリクス」を活用する事自体は否定しません。立派な先人のフレームワークですから。

問題なのは、リサーチ不足なままの情報をフレームワークに入力し、アウトプット(結論)を出したことでしょう。

その診断士は、オンライン(遠隔)でヒアリングし、情報収集したと言います。はっきり言いますが、オンラインで判明する情報は限界があります。限界がある以上、根本的な課題を解決するコンサルティングは不可能です。

オンラインで提供できる支援は、せいぜい研修支援くらいでしょう。しかも、座学研修のみ。

現場に入り込まないリサーチは、診断する際の情報を鈍らせ、的を外します。結果、正しい診断結果を導くことがない。そのため、クライアントに間違った課題解決を指南することになるのです

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投稿日: 2021年12月22日 | 5:12 am

ブランディングとモチベーション

昨日のブログで、「ブランディングと人材戦略」という内容を発信しました。今回は、もっと具体的なリンクをご説明いたします。中小企業はブランディング経営を目指す必要があります。いや、明確に言うと、ブランディングそのものの戦略が必要条件なのです。

ブランディング戦略を立案すること自体は、社内に高揚感をもたらします。そりゃそうです。儲かる仕組みそのものなのですから。会社が儲かると、社員は嬉しい(その仕組みや社風を作っていれば…の話ですが)。つまり、モチベーションが上がるわけです。

特に商品(サービス)開発戦略を展開すると、さらに相乗効果が期待できます。

例えば、プロジェクト型で商品開発を推敲する場合、参加社員のモチベーションは確実に上がります。

人間は自己実現を喜ぶ動物です。自己実現とは「小さな成功体験」「目標の達成」「事を成し遂げた充実感」などです。それも、所属会社のブランディングに携わるという高揚感は、計り知れません。

躍進中小企業の経営実態を研究すると、ブランディング戦略を確実にブレずに実行しているかが分かります。そこは、短期的な業績結果に一喜一憂するような社風はありません。

長期的な視野で永続発展を構想しながら、じっくりと腰を据えて取り組む経営の覚悟があります。

ローマは一日にして成らず…。

ブランディングというのはそれだけ、覚悟の必要な戦略であり、経営者の姿勢やマインドが試される究極の戦略といえるでしょう

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投稿日: 2021年12月21日 | 5:14 am

ブランディングと人財戦略

当初から、僕の主張は「中小企業経営はブランディング経営である」というものです。このブランディング経営は、実は極めて奥が深い。断言しますが、浅はかでチープな戦略ではありません。ましてや、簡単に構築できるような代物でもない。

一部のデザイナーが、ブランディング専門家として活動しています(それ自体は否定しませんよ。その人の勝手ですから…)。しかし、中小企業診断士が推奨するブランディングは、その目的・到達点が違います。

企業や商品のデザインイメージやロゴ、キャッチコピーの創出がゴールであるならば、デザイナーが展開するミッションで十分でしょう。ところが、企業全体のブランディングや商品自体のブランディングという点からすれば、「手法や戦略」がまるで違ってきます。

中小企業経営は、人財(ヒト)が全てを決しますから、ブランディング戦略も人材戦略と紐づけて展開する必要があります。ん?それって対極にあるんじゃないの?と思う方々。要注意です。

ブランディング戦略は、人財戦略と立派にリンクします。

企業ブランディングそのものは、全社的な取り組みであり、全スタッフのモチベーションがその成否を分けるからです。そう考えると、ロゴやイメージ、キャッチコピーは表層で、深層(本質)は別物だということがお分かりになるでしょう。

以前、自称コンサルタントが美容室のブランディングの依頼を受けて、「人財育成でブランディングを…」という切り口で提案しているところを見ました。結果、途中解約にいたりましたが、目の付け所は間違っていません。

ただ、この方に「伝え方(イメージやロゴ、デザイン、キャッチなど)」の創出が抜けていたことが残念だった訳です。

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投稿日: 2021年12月20日 | 5:08 am

中小企業経営者のARIKATA学【経営者の私生活】

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【経営者のプライベート】

経営者は小さいながらも、組織のトップである以上、さまざまな方面から見られています。特に見られているのは、まぎれもなく社員の方々です。

経営者がだらしないプライベートを送っていると、そのことはどこからか漏れて、尾鰭のついた情報が社内を駆け巡るのです。特に気をつけたいのは。「お金」と「異性問題」です。また、身分不相応な高級車を乗り回すのも、あまりお勧めしません。当然、経営者ですから「手本や見本」となるべく、言動にも気をつけましょう。

経営者であるならば、クリーンで健康的な趣味や思考を持ちたい。

経営者のプライベートで、特に推奨するのが人的ネットワークを構築あるいは強化するための”人付き合い”です。さまざまな会合やイベント、そして社交的な趣味。

中小企業経営は支えられる経営ですから、人的ネットワークはとても重要です。

以前、年商が10億円にもなるような会社(経常利益1億円)が、社長の「金」と「女性」問題が主要因で組織がバラバラ。結果として、会社が精算された事例をみました。

初期症状として、患部(主任)以上の給与遅延が起きました。100人もいた社員の中で、給与未払いの憂き目に遭った人もいました。1億位円以上の使途不明金があったと聞いています。こうなればもはや、企業とは言えない。完全に経営者の私物化現象です。

中小企業経営は、組織の末端まで、同じ価値観で結束しないと戦い抜くことができません。社員が頼るのは、経営者です。そのため、社員からリスペクトされ、羨ましがられるようなプライベートを送っていただきたいものです。

投稿日: 2021年12月17日 | 5:50 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【59】

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【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士の基本的提案思考ー6〜】

「経営コンサルティングって、実際どんなことをするの?」この質問に答えられる中小企業診断士が、どれくらいいるでしょうか?

「経営コンサルタントに依頼する内容ってどんなこと?」この質問に答えられる経営者も、意外と少ないような気がします。

中小企業における経営コンサルティングとは、あえていうなら「中小企業の経営パフォーマンス向上のため、伴走型で課題解決にあたること」でしょう。

経営者の中には、研修をする専門家とか経営改善計画書を作る専門家…などとお考えの方々も多い。この原因は、僕は中小企業診断士にあると考えています。

中小企業診断士が、自身のコンサルティング手法について、的確に語ることができないことが原因だと思っています。

例えば、提案が総論的であったり、コスト削減策に終始していたり、書籍から引っ張ってきた情報であったりすること。

ましてやフレームワークだけで分析判断した提案であったりすると、もはやプロコンではありません。

中小企業診断士は、現場でコンサルティングをする場合、個別具体的な課題解決策を立案しなければなりません。総論的な助言・アドバイスは全くもってナンセンス。はっきり言って誰にでもできます。

何度も主張していますが、個別具体的な経営課題に、個別具体的な手法・戦略で、個別具体的に解決することが最も重要であり、「お金をいただける唯一のコンサルティングサービス」であることをしっかりと認識しましょう。

 

投稿日: 2021年12月17日 | 5:29 am

中小企業診断士のマインドセットーARIKATA【58】

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【中小企業診断士の成長プロセス 〜診断士の基本的提案思考ー5〜】

中小企業診断士は、経験を積むごとにノウハウが蓄積され「ウデを磨くことができる」職業だと言えます。それは、他の専門家「医者」や「弁護士」が経験値で名医や名法律家と言われるように…。

経験値の少ない中小企業診断士は、説得力がありません。なぜなら経験値が少なく、オリジナルノウハウが薄く、考え方もブレまくるからです。

クライアントに対して、自信を持ってコンサルティングサービスを提案する場合、経験値に裏付けされた仮説を立てる必要があります。

コンサルティングというのは、その仮説を地道に検証していく作業のことです。

クライアントに対するプレゼンテーションで、もっとも有効な内容は、「コンサルティング事例」です、つまち成功談や失敗談など。

経営の、あるべき論を並べ立てても、経営者の胸を打つことはありません。なぜなら、クライアントの方が経営のプロなのですから。

たまには仮説が外れる場合があります。しかも、外部環境によって外れる場合もあります。外れた場合のリスクや対処法も考慮しながら、コンサルティングを進めていくことが重要です。

「私は失敗したことがありません!」と高々と宣言するコンサルタントは要注意ですよ。

コンサルタント(中小企業診断士)は、万能ではない。しかも神様でも仏様でもない。経験と研究により、経営を俯瞰して診ることができる専門家なのです。

一緒に汗をかき、悩み、苦しみ、経営者と伴走して走り抜ける専門家なのです。

 

 

投稿日: 2021年12月15日 | 5:06 am