【激レアさん】手作りヨットで太平洋一周のヒデユキ氏の小説ができるまで

「激レアさんを連れてきた。」に出演のヒデユキさんは僕の小説のモデルです

2022年6月13日(月)放送のテレビ朝日の「激レアさんを連れてきた。」はご覧になりましたか?

 

なんと、この日の放送に、僕が書いた小説『彼方なる南十字星』の主人公のモデルとなった、ヨットマンであり経営者でもある安樂英行氏が出演されたのです!

(番組では「ヒデユキさん」と呼ばれていたので、本記事でも「ヒデユキさん」と書かせていただきます)

[激レアさん]ヒデユキさんこと安樂英行さん

 
 

番組タイトルは『高1の夏休みに「手作りヨットで太平洋一周します」とホラを吹いたら引くに引けない状況になってしまい10年がかりで実現した人』でした。笑

出演は、レギュラーのオードリーの若林正恭さんとテレビ朝日アナウンサーの弘中綾香さん、そしてゲストは、蛙亭のイワクラさんとSixTONESのジェシーさんでした。

 

バラエティーのため、若林さんと弘中アナからいじられたり、ツッコミがありましたが、当時の本人は極めて真面目に真剣に夢(手作りヨットで太平洋周航)に向き合った、海の男でした。

 

今日は、番組では語られなかった裏話や、僕が小説にしたいと思ったきっかけ、僕からみたヒデユキさんの魅力などをお伝えしたいと思います。

 
 

小説化や番組出演の裏話、ヒデユキさんの今後など

目次

  1. 「激レアさん」出演のヒデユキさんこと安樂氏の「手作りヨット太平洋一周」小説化のきっかけ
  2. 番組内でも紹介された、ヒデユキさんモデルの小説『彼方なる南十字星』とは?
  3. 「激レアさん」では語られなかった、私からみたヒデユキさんの魅力
  4. ヒデユキさんのヨット太平洋一周の旅を小説にすることで伝えたかった本当のこと
  5. 小説『彼方なる南十字星』の読みどころと共に伝えたい、番組でも取り上げられなかった裏話
  6. ヒデユキさんは今何をされているのか、そして是非とも応援したいこれからのヒデユキさんの活動とは

 
 

「激レアさん」出演のヒデユキさんこと安樂氏の「手作りヨット太平洋一周」小説化のきっかけ

主人公のヒデユキさん(安樂英行氏)は、僕の10年来の友人。ヨットクルージングに招待してもらったことがご縁でした。

 

それから、経営に関する相談や経営戦略を考えるお手伝いをさせてもらうようになり、友情を育んできました。

 

ちょうど1年半ほど前の秋。ヒデユキさんの愛艇「少年海援隊Ⅱ」に、我が息子と一緒にクルージング招待を受けました。前日からヨットに泊まり、鍋を囲んでヒデユキさんは息子に、手作りヨットで太平洋周航の旅を聞かせてくれます。

ヒデユキさんの愛艇_少年海援隊II

 
 

当時中3だった息子の目はキラキラと輝き、一心にヒデユキさんの話に傾聴しています。その姿をみて「この話は後世に残すべき話だ!」と思った訳です。

 
 

ただ旅の記録を回顧した「旅日記」では面白くない!僕が次に考えたことです。旅日記や回顧録よりも訴求力があり、読んでいて面白いもの…それは小説です。

 

そこで、僕はヒデユキさんに「実話を基に創作部分を含めて小説として書きます!」と宣言した訳です。

 
 

まずクリエイトサイト「note」に連載を開始しました。半年間で55話を書き上げ、さらに半年をかけて加筆修正。12万文字を超える大作として小説『彼方なる南十字星』の最終原稿が完成したのです。

 

自費出版にするか…。文芸賞に応募するか…。僕はどうしても実本化したかった。ネットでの投稿小説や電子図書では味わえないリアル感が実本にはあります。

 
 

そこで、友人でもありビジネスパートナーでもある山下正晃くん(本小説の編集協力者)に相談。彼から提案されたのが、当時リリースされたばかりのAmazonの「Kindle ダイレクト・パブリッシング」という紙書籍のセルフ出版サービスでした。このサービスを使い、実本化することに成功しました。

 
 
 

番組内でも紹介された、ヒデユキさんモデルの小説『彼方なる南十字星』とは?

少年時代。大抵の人が壮大な夢を持ったものです。特に今40代以上の人間であればなおさら。情報化社会の今日。壮大で魅力ある夢を描いている若者はどれほどいるでしょう?

 
 

時代は高度成長期の1970年代〜80年代。舞台は九州熊本。普通の高校生の何気ない会話から物語は始まります。

夏休み。部活動も辞めてしまい、目的もなく集まる友人の部屋で、主人公(英希)が発する言葉。「南太平洋に行きたいなあ…」

 

相棒の一人(悠太)の「行こうか!」という言葉。「船で!」「ヨットで!」「アルバイトでお金を貯めてヨットを造ろう!」

 
 

次々と重なるポジティブな言葉に、誰も止めることができない高揚感。

そんなたわいもない会話から、物語が始まるのです。

 

「手作りヨットで太平洋1周!」という壮大で魅力的な夢!

それから10年。主人公たちは、本当に手造りヨット「ホライズン号」を完成させ、太平洋周航の旅に出港します。

 
 

航海の途中で次々と起こる事件やハプニング。これは、実在の人物、ヒデユキさんこと安樂英行氏が体験した実話がモデルとなっています。ヒデユキさんと一緒に冒険したクルー二人(悠太と翔一、のちにトニー)の、壮大な夢を実現する高揚感あふれる冒険物語です。

 

命のやりとりや人とのご縁を繰り返しながら、主人公たちは手造りヨットを必死で操り、太平洋周航を目指します。臨場感あふれる物語に、きっと元気と勇気をもらえるはずです。

彼方なる南十字星

 
 
 

「激レアさん」では語られなかった、私からみたヒデユキさんの魅力

海の男とは?ヨットマンとは?そんな言葉がぴったりの紳士…。

 

ヒデユキさんを一言で表現するフレーズです。小説にも出てきますが、ヨットを操る姿は実にかっこいい。そして、実に愉しげ…。心の底からヨットを、海を愛していることが分かります。

 

ご自身の子育てにおける経験から、ヒデユキさんは少年の教育活動に参加していきます。しがない高校生だった自分でも、夢を描き、夢を叶えることで愉しく生きていける…。そんな想いを後世に伝えたい…。そうヒデユキさんは話してくれます。子供好きで、おおらかなヨットマン。ヒデユキさんはそんな男です。

 
 

いつもポジティブで、前向き。逆風でも風を読み、風を味方につけて少しずつ前に進んでいく…ヨットの航海そのもののような人柄なのです。

ヒデユキさんのルーツは鹿児島県にあるそうです。鹿児島といえば、西郷隆盛。隆盛の座右の銘「敬天愛人」(天を敬い、人を愛する)を地で行くヒデユキさんの生き方は、周囲に安心感をくれます。

今も愛艇「少年海援隊Ⅱ」を操り、どこかの海を駆け回っているのかもしれませんね。

ヒデユキさん愛艇とクルージング

 
 
 

ヒデユキさんのヨット太平洋一周の旅を小説にすることで伝えたかった本当のこと

小説『彼方なる南十字星』は冒険小説ですが、伝えたいことはヨットの魅力もさることながら、「夢を持ち育み、叶えるすばらしさ」です。

 

夢に向かって一生懸命努力すること。その努力を愉しむポジティブ思考。叶えた時の達成感。そんなことを、まずこの小説で伝えたい。

 

懸命に努力する姿は、周囲の人たちに勇気と元気を与える。そして支えられる。

 
 

しかし夢を育み、実現することはさまざまな困難や障壁が立ちはだかるもの。その障壁を乗り越える不屈の精神によって、夢の価値は無限大に拡大していきます。

 

人は何のために生きるのか?何のために生まれてくるのか?懸命に生きるという意味をこの小説で感じていただけると僕は確信しています。

 
 

手造りヨットで太平洋一周!という旅。この旅も主人公たちはさまざまな事件やハプニングに見舞われます。友情と信頼で乗り越える主人公隊の活躍。友情とは?信頼とは?令和の時代に忘れがちな価値観を、考えさせてくれると思っています。

 
 
 

小説『彼方なる南十字星』の読みどころと共に伝えたい、番組でも取り上げられなかった裏話

 

主人公ヒデユキさんたちが、初めてヨットの魅力に触れるシーン

その日の天候はとても穏やかで、夏の暑さも幾分か緩んでいた。いや、海上ゆえの涼しさがそうさせていたのか。

風もほとんどなく、いわゆる凪だった。英希たち四人は期待通り、船上で音羽家の特上弁当に舌鼓をうった。

特上弁当の美味しさに、ヨットの上と、そこから眺める海の風景という最高の味付けが、英希たちの感情を高まらせる。

ヨットはデリケートでソフトな乗り物。

セラピー効果もあります。ヨットセラピーという分野も研究されているとか…。

とてもいい風を掴んだ時、風の音の中をヨットは進んでいきます。何とも表現できない感覚と空気。風と波の音の中で静かに進むヨットクルージングの魅力を書きました。

 
 

夢のため、主人公が故郷・熊本を離れるシーン

英希には、これからの生活と夢の実現のことしか頭になかった。夜行列車に乗り込み、一路兵庫県高砂市に向けて旅立った。二万三千円の現金とジーンズにシャツと数枚の下着を入れたバッグ。それだけを持って。

さよなら皆さん。さよならドルフィン号。さよなら城田先生……。さよなら熊本の海……。夜行列車B席寝台の中でとめどなくあふれる涙。なぜだろう?夢を叶えるために、愉しみしかあろうはずがないじゃないか——。

夢の実現にかけて遠方への就職を決めた若者。家族や故郷、恩師や愛艇との別れを書きました。

人はいつか親元を離れ、独り立ちしていく…。ひとりで旅立つ若者の夢だけが頼りの旅立ちは、きっとこんな心情でしょう。

 
 

出港まもなく見舞われる本物の時化のシーン

波は、まだまだ高くなる様相を見せていた。勝負はどこまで続くのか——。

「負けるものか」

英希ははっきりと言った。自分自身を励ますように……。

セールは張れる状況ではない。シーアンカーを流しているため、操船はほぼ不可能。辛うじて、大波でヨットが横を向かないように足掻いているという表現が相応しい。

時化のシーン

迫り来る山のような高波。命のやりとりをしながら、諦めない不屈の闘志を描きました。

巨大な波に比べたら、人間の悩みなど小さなもの。不屈の精神があれば乗り越えられないものはないでしょう。

読んでいて高揚感あふれるシーンが盛りだくさんです。

 
 
 

ヒデユキさんは今何をされているのか、そして是非とも応援したいこれからのヒデユキさんの活動とは

 

小説『彼方なる南十字星』の主人公のモデルヒデユキさん(安樂英行氏)は、現在熊本市内で中小企業を経営されています。

 

社長業の傍ら、昨年から若者の成長や夢を応援する活動をスタートさせました。これはヨットの師でもあった町医者の願いが影響しているそうです。

 
 

詳細は明かせませんが、とても社会的意義の高い取り組み。

現在65歳のヒデユキさん(安樂英行氏)の、残りの人生をかけた新しい闘いがスタートしています。

 
 

人生が80年だと仮定すれば、残りの15年。くたばるまで闘い続ける決意のヒデユキさんの活躍を、友人としてこれからの応援し、もう一つの物語をいつか小説にして残したいと思っています。笑

以上、今回は「激レアさんを連れてきた。」に出演されたヒデユキさんこと、僕の小説のモデルとなった安樂英行氏についてや、手作りヨット太平洋一周の旅を綴った小説「彼方なる南十字星」について詳しく書いてみました。

投稿日: 2022年6月13日 | 10:20 pm

『激レアさんを連れてきた。』に安樂英行さん(主人公のモデル)登場!

【『激レアさんを連れてきた。』に安樂さん登場!】

僕が精魂込めて書き上げた小説『彼方なる南十字星』。

そのモデルとなった安樂英行氏が、テレビ朝日『激レアさんを連れてきた』に出演されます。

小説がきっかけとなって実現したこの話。きっと必然だったのでしょう。

オードリーの若林と弘中アナからの、するどいツッコミが見どころ…笑

航海の裏話や感動話も必見です。

放送日時は 6月13日(月)23:15〜 30分番組で。

 


 

[追記]

そして、2022年6月13日11:15、ついに、テレビ朝日「激レアさんを連れてきた。」に、この小説のモデルになった、ヒデユキさんこと安樂英行さんが出演されました!
 
 
それについて詳しく書いたこちらの記事もせひご覧ください。↓

【激レアさん】手作りヨットで太平洋一周のヒデユキ氏の小説ができるまで

投稿日: 2022年6月13日 | 6:36 am

脱下請を意図するブランディング戦略

先日佐賀県内のある地域でセミナーの機会があり、ブランディング戦略について登壇しました。そこで、ある中小企業の経営車から「我が社は、決まった仕様を決まった規格で製造し、納品する企業だから、ブランディングはピンとこない」と言われました(悪意はまったく感じませんでしたよ。笑)。

僕が「それは、元請け企業からの下請け業務が中心ということですか?」とお尋ねしました。

すると経営者「そうだね。今は受注も安定しているし、業績もいいから」と言われました。

僕は「ん?」と思いましたが、セミナー開始の時間になったため、議論は深めませんでした。

たしかに下請け企業(完全下請け)なら、受注は安定します。ただし、外部環境が安定しているときなら…です。

元請け企業を取り巻く環境が激変した時、皺寄せが来るのは下請け企業なのです。恐ろしいのは受注減、低価格要求、超短納期要求…多岐に渡ります。

つまり、緊急事態になればなるほど要求は厳しくなるし、元請け企業の経営方針に翻弄される訳です。その時!完全下請け企業はどうしますか?

考えたら恐ろしい…。今回の2年半に及ぶコロナ禍が教訓となるでしょう。

完全下請け企業こそブランディング戦略で、脱下請を!

自らの戦略で自らの価値を、自ら開拓したお客様に提供したビジネスモデルを長期的視野で確立することを推奨します。

経営はあくまでも「永続発展」が理想です。元請け企業と一緒に連鎖倒産…などという不幸を招かないためにも。

投稿日: 2022年6月8日 | 9:58 am

事業承継問題の中のM&Aの位置付け

今や中小零細企業を取り巻く環境の中で、最大の問題と言っていいい事業承継問題。せっかく育ててきた我が社の後継者がいない…などという事態はできるだけ避けたいと願うのが、経営者の普通の感情と言えます。

事業承継問題を解決する方法に、M&A(企業の合併・買収)というのがあります。

ところが、近年の傾向として事業承継=M&Aという風潮になりつつある懸念を持っています。

会計事務所系のM&A推進会社も、積極的にM&Aを提案する傾向にありますし、M&Aコンサルティング会社においては多額の利益を上げている事実もあるのです。

ところが、僕はあえて警鐘を鳴らしたい。

M&Aありきでの事業承継は、かなりのリスクを伴うことを…。

企業は「想いの集合体」です。想いというのか目に見えないもの…つまり経営理念です。

そのため、目に見える経営資源「ヒト・モノ・カネ」の売買で成立するM&Aを推奨する場合は、理念や価値観・社風の承継を想定しないとうまくいかないのです。

簡単にM&Aを語り、実行することはできません。あくまでも事業承継問題の解決方法のひとつ(ごく一部)がM&Aだということを認識しましょう。

僕は優先順位は極めて低く、まずは社内の人財を後継者として育てる。この戦略は第一のプライオリティであることを認識しましょう。

そのためには早期の事業承継計画を立案(10年単位)し、計画に沿った準備を進めていくことが重要です。

魂を込めて育てた自社を平気で売り飛ばし、キャッシュを得たいと思う拝金主義経営者なら話は別ですが…。

投稿日: 2022年6月6日 | 5:36 am

ブランディング戦略と企業業績の関係性ー2

ブランディング戦略と企業業績の関係性…詳細に説明していきます。

前回、ブランディング経営の内容とは「高品質・高価格・高付加価値」経営であると主張しました。ブランディングにより、顧客化が実現するということも説明しました。

では具体的に業績数値に与える影響を説明します。

まず「損益計算書(P/L)」から。損益計算書の一番上にある経営指標は?「売上」ですよね。この売上というのは、「客数×客単価」という分解式で表されます。当たり前ですが、他にもあります。「販売商品点数×販売商品平均単価」でも同じ売上高が計算されます。

売上を上げていくためには、「客数」を増やす(客数は横ばい)、「客単価」を増やす(客数横ばい)、「客数」「客単価」両方増やす…。この3つの方策しかありません。

この「客」の正体は?これこそ「顧客(ファン、リピーター)」であること。これに尽きるのです。

けっして「たまたま客」ではない「わざわざ客」。この顧客(取引先)を一人(1社)でも増やしていくこと。これがブランディング経営の売上に与える最大の影響です。

中小企業経営において、最大のリスクは何か?それは「客離れ」という現象です。

お客様(取引先)の数が減少していけば、「客単価」を増やすしかありません。「客単価」というのはとどのつまり「予算(財布の中身)」のことですから限界がある訳です。

結果的に客数現象は、最大の減収要因として認識しましょう。また、客離れを起こす要因は「内部環境にある」ということをお忘れなく。

景気や社会現象に要因があるわけではないのです。

投稿日: 2022年6月1日 | 5:51 am

ブランディング戦略と企業業績の関係性ー1

先日、佐賀県中小企業診断協会が受託する「佐賀県プロ人財戦略拠点事業」の一環で、セミナー登壇しました。テーマは「業績向上に直結する中小企業ブランディング戦略」というもの。

実例や事例、研究・取材結果を交えた机上の空論でないブランディング戦略を紹介しました。このセミナーは2部構成でして、来週(6月2日)に2回目を実施します。

県内4ヶ所をめぐるセミナーで、先日は鹿島商工会議所で登壇したのです。

ブランディングが業績に及ぼす影響…。診断士としては当たり前に考えるテーマなのですが、経営者からすればピンと来ない課題なのかもしれません。

あえて断言しますが、中小企業経営は須く「ブランディング経営を目指すべき」ということ。

ブランディング経営は、結果的に高業績をもたらします。

ブランディングをもっと分かりやすく表現すると「高品質・高価格・高付加価値」経営のことです。

この順番には意味があり。「高品質が高価格の裏付けとなり、高付加価値を実現する」とうわけです。ここで…。

最も大切なのは「高品質」であるということ。高品質でなければ、高価格を設定できません。もし低品質で高価格を設定したら、それは「ぼったくり」ということになります。

当然、顧客化には繋がらないのです。マーケティング戦略の最大の目的は「顧客化(ファン化)」すること。

顧客の絶対数というのが、中小零細企業における経営基盤の実態なのです。

これから数回に渡り、ブランディングが実際の業績に与える影響について解説したいと思います。

 

 

 

投稿日: 2022年5月30日 | 5:36 am

関節部門は効率的に…直接部門は手間暇かけて…

DX(デジタルトランスフォーメーション)ろいう概念が、中小企業経営に与える影響について考察したいと思います。IT技術を駆使して(使いこなして)、経営をスムーズに運営するという考え方です。しかし、これは経営資源に乏しい中小企業にとって、全肯定する考え方ではありません。というのが僕の所見です。

結論を言うと、中小企業の関節部門(総務や経理、事務関係)は、DXを駆使して効率化を図るほうが断然いい。一方で、直接部門に対して無理に導入すると、ともすればUSP(絶対的な強み)を失ってしまうことになりかねないのです。

デジタルの良さは、圧倒的に効率性です。アナログと違って、手間暇がかからない管理・戦略が可能になること。

しかし、中小零細企業の良さは実のところ「手間暇かけたお客様との繋がりや絆」にあると言えます。

つまり関節部門にはDXが効果を発揮しますが、直接部門にはDXは諸刃の剣となりかねないリスクもあるということ。

中小企業経営のブランディングを推奨する立場から主張しますが、中小零細企業のブランディングの源は「めんどうくさい」「手間がかかる」「時間が必要」「非効率的」…こういうポイントに眠っています。

オンリーワン戦略を目指すべき中小企業経営においては、大企業戦略とまったく違うステージで勝負しなければなりません。

価格競争を回避し、逆に価格主導権を握る…これが中小企業経営の理想ですから。

お客様との接点に立つ直接部門は、過度に効率性を追及するのでなく、アナログ的な「心と心のつながり」で勝負したいものです。

投稿日: 2022年5月23日 | 5:53 am

業績マネジメントの考え方

日々刻々と上下する業績は、経営者が最も気になるファクターでしょう。しかし、業績というのは所詮結果現象にしか過ぎません。「がんばった結果」「経営理念に向き合って日々努力した結果」「人を大切にする経営にに向き合った結果」なのです。

業績は管理するものでなく、マネジメントするもの…これは僕の主張です。マネジメントという文言には「モチベーション」の概念が含まれ、管理よりもマネジメントを推奨することが基本となります。

営業会議などで業績のPDCAを回していくとき、メンバーのモチベーションを抜きにしては不可能です。特に企業経営の血液たる「金=カネ」の厳選である営業・販売に関するサイクルならなおさら。

では、スタッフのモチベーションが下がる時はどんな時か…。様々ありますが、大きな要因のひとつに「高すぎる業績目標」というものがあります。これは百害あって一利なし!まさに愚策とも言うべき戦略です。

このブログで時々紹介しますが、目標管理制度という名の下、「高い目標をあえて設置し、それに向き合うPDCAを回す。結果的に目標に届かなくても、肉薄することが大事」とする戦略がありますが、全くのナンセンス。

そもそも目標というのは、管理するものではなく「向き合うもの」なのです。

ですので、「がんばれば現実的に届く」目標が妥当です。モチベーションは「小さな成功体験」により上がっていくもの。

業績マネジメントは、最前線メンバーのモチベーション重視。高揚感あふれるマネジメントを実行していただきたいものです。

投稿日: 2022年5月9日 | 5:28 am

値引き戦略は愚策である!

中小企業経営における様々な会議に参加していると、業績向上のための販促戦略を考案する場面に直面します。そこで大きく勝敗を分けるのが、価格に関する議論です。

中小企業経営における最大のタブーは価格戦略である…これは僕の普遍の主張ですが、様々な中小企業経営において未だに議論されていることが多いです。価格戦略そのものは、例えると麻薬のようなもの。これでしか打ち手のない市場…これがあるとしたら、その商売は終わっているということになります。

それこそ、中小零細企業にとってレッドオーシャンであると言えます。

残念ながら、士業をはじめとする中小企業経営支援の専門家の中にも、値引き戦略を推奨する輩もいます。

値引きという愚策は、利益の源泉である「粗利益(売上総利益)」を圧迫します。そのため、「いくら稼いでも儲からない」という現象に陥ります。これは、中小企業経営にとって大きなリスクとなります。

また値引きを柱とした販促戦略は、販売(営業)スタッフのプレゼン力を阻害します。

値引きしか打ち手がない商品は、そもそも中小企業が揃える商品ではない…とも言えるのです。

中小企業経営は、オンリーワン戦略である…。オンリーワンとは「差別化」のことであり、商品政策においては「他社にはない、こだわった素敵商品を揃える」ということになります。

中小企業経営者の皆さん。御社の商品政策は間違いないですか?

まちがっても、販売(営業)スタッフの「口八丁手八丁」による販売戦術にたよった販促戦略を立ててはいけません。

チームの疲弊を招くだけです。

投稿日: 2022年5月2日 | 5:06 am

ハートで勝負する中小企業、仕組みで勝負する大企業

先日のこと。小生がお手伝いしているクライアントで営業戦略会議を実施していました。販促企画について議論していましたが、「それは手間がかかる」とか「ん〜それは時間が必要」とか「面倒くさい」などというネガティブな発言が出ていました。

すかさず小生は、「中小企業は、面倒くさいとか手間がかかるとか、そういう取り組みこそ戦略として実行すべき。そこにチャンスがある!」と助言したわけです。

例えばCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を考えた時、中小企業は「お客様ひとりひとり(一社一社)との心のつながりを大切にすべき」なのです。まさに、中小企業はハートで勝負すもの。

逆に大企業は「仕組み」で勝負をかけてきます。仕組みを整えて、効率化し、最終的に価格で勝負してくるわけです。

中小企業が生き残るためには、価格競争を回避しなければなりません。つまり「多少価格が高いけど、いいものだし、あなたから売ってもらいたい」とお客様から思われる関係性づくりこそ重要なのです。

中小企業が、さまざまな仕組みに依存すると、細やかな対応力や暖かい(人間味のある)接客・接遇などが薄れていく傾向にあります。

価格競争できない中小企業経営は、「商品・サービス」「情報・ノウハウ」「人財・メンバー」「企業そのものの希少な取り組み」この4ファクターでブランディングします。

そして心の通った、お客様との関係性構築を目指す必要があります。

ついつい人間は「面倒くさい」ことを回避する傾向にあります。「面倒くさい、手間がかかる」…だからこそ中小企業のチャンスが生まれるのだということを認識しましょう。

投稿日: 2022年4月27日 | 8:27 am