新商品開発〜エイチメソッド〜 値決めの基本的な考え方

開発された新商品を売り出していくための、マーケティングを立案する際の留意点について書きたいと思います。

市場浸透を早めに実現するため、低価格路線を選択しがちですし、実際にどれくらいのローコストが実現できるかを立案しがちです。

ところが、ここに大きな落とし穴があります。

中小企業にこそ、ブランディング戦略が必要であり、基本的な考え方は「いいものをより高く!」です。

小生は、一貫して中小企業は、「高品質・高付加価値・高価格」戦略を実現することが基本だと主張しています。

極端に言えば、低価格は”いつでも”できます。値下げはいつでもできるのです。

真の商品は?と考えた場合、極端に言えば『企業努力」であるということができます。

つまり、そこに携わるスタッフ・幹部・経営者の”想い”なのです。

その”想い”は決して軽いものではありません。軽いのならば、努力の重さが不足していると考えましょう。

”こだわり”と”自信”をもって”一生懸命”作った(仕入れた)商品をできるだけ高価格でお届けする…これが基本的な値決め戦略の考え方です。

努力と汗・熱意、涙…その量が多ければ多いほど、その想いはお客様の心を捉えます。

高価格路線を推奨するのは、そういう理由からです。

投稿日: 2017年10月14日 | 8:40 pm

新規事業開発の留意点 軌道化のポイント−2

アンゾフの成長マトリクスを使って、新規事業構想をプロットした時、「新商品開発戦略」がプライオリティ1の取り組みであることは先述しました。

次に優先順位が高い戦略構想は、既存商品を新市場にぶつける「市場開拓戦略」と言えます。

この戦略は、マーケティング戦略の立案・実行が鍵です。マーケティング戦略と言っても、経営資源が乏しい中小企業が取れる戦略は限界があります。

コストが高いマスメディア広告戦略は、当然取れないでしょう。

中小企業が取れるマーケティング戦略については、後述します。

新規事業戦略を軌道化するには、ポイントがありますので列挙しておきます。

①ビジネスモデルを図式化する…全体像をつかむ

②ビジネスモデルの収益性を検証する…プロフィット(利益)創出が可能か?

③リスクファクターを列挙する…この際「QCDS」の切り口で検証します。「Q:品質」「C:コスト」「D:納期」「S:サービス」です。※これが大事です!

④リスクファクターの対策を検討する…リスクを想定内としてシミュレーションしておく。

⑤新事業を盛り上げるための企画を立案する…マーケティング戦略・仕掛けなどの立案。

構想段階では、以上の通りです。

全ては、成功というよりも「失敗しないため」です・

この後、具体的な事業計画アクションプラン・業績数値計画に入っていきます。

投稿日: 2017年10月12日 | 10:42 am

新規事業開発の留意点 軌道化のポイント−1

新規事業開発の需要が、高まりを見せています。

既存事業を継続していくことに対する不安や、不透明な経済環境を鑑みての傾向ではないかと思います。

新規事業を手がける場合、アンゾフの成長マトリクスで戦略考案すると便利です。

縦軸に商品を設置し、既存・新規で分割します。横軸には市場を設置、同じく既存・新規で分割します。

戦略として考案していいる事業が、既存商品・既存市場にプロットされたら「市場浸透戦略」。もっともリスクが低い戦略です。

また、新商品・既存市場にプロットされたら「新商品開発戦略」です。差別化されたオリジナル商品やサービスを開発して、既存市場の裾野を広げていくことが可能になります。

既存商品・新市場にプロットされたら「市場開拓戦略」。積極的なマーケティング戦略の実行がキーポイントです。

最後に、新商品・新市場にプロットされた場合。「多角化戦略」です。ハイリスクハイリターンの戦略です。

新規事業を企業戦略の一手として考えた場合、中小企業にオススメの戦略は何でしょうか?

もちろんそれぞれの戦略種によって打ち手も違いますし、一概には言えない部分もあります。

しかし、小生は中小企業の新規事業には明らかに「新商品開発戦略」をナンバーワンプライオリティとして推奨しています。

なぜなら、シナジー(相乗効果)が働きやすく、新商品の開発により収益の柱もできるからです。

 

投稿日: 2017年10月11日 | 11:55 pm

経営者にオススメ!池井戸潤 著 『陸王(りくおう)』

秋は読書に最適なシーズンだと思います。小生も、休日の昼下がりにテラスに出て、外の空気を吸いながらひたすら好きな小説を読み耽ります。

今秋、おすすめの経済小説は断然、池井戸潤氏著作の「陸王」です。

この「陸王」。10月15日(日)からTBS系日曜劇場でドラマ化放映されます。

テレビドラマもいいけど、この話は断然、本で読んでください。

小さな中小企業(足袋製造メーカー)が、開発力と技術力を武器にランニングシューズ業界に進出。

試行錯誤と紆余曲折、関わる人たちの喜怒哀楽を描いています。

頑張る中小企業を応援している、小生のような仕事をする人。中小企業の経営者の方々。おすすめの一冊ですよ。

この小説で何が学べるか?…しょせんフィクションでしょう、とか言われる方も多いと思います。

フィクションでも、「ものづくりとは何か?」「お客様に寄り添うとはどういうことか?」「愛社精神とはどういうものか?」「関係先に応援される経営とは?」…様々な中小企業経営の原点を読み取ることができます。

ドラマは、役所広司さんが主演され、主人公「こはぜ屋」の四代目社長宮沢を演じています。

もちろんテレビドラマも観ます。楽しみです。

投稿日: 2017年10月8日 | 6:13 am

新商品開発〜エイチメソッド〜 販促戦略の立て方−3

中小企業ができる販促施策として、おすすめの手法をお伝えします。

それは、ニュースレターというものです。なんだ…それか?と思われるかもしれません。実はこの手法、古いようでロングエフェクト(長期間効果的)な施策なのです。

ニュースレターを制作する場合のコツをお伝えします。

いくつかあるのですが、数点挙げます。

①「役に立つ情報」を盛り込む…その商品を使用する(飲食する)ことによって得られる価値、愉しみを記載する。

②価格訴求をしない…価格に訴求して記載するのは、やめましょう。価格を前面に出してしまうと、お客様は品質よりも価格に気を向けます。

③絵や写真を盛り込む…文章よりも情報が多いものが写真や絵です。ニュースレターは、読み物でなく”眺めるもの”と心得ましょう。

④手書きがベター…手書きほど温かいものはありません。心のこもったニュースレターほど、お客様の心に刺さります。

⑤継続することに意義がある…ニュースレターは継続してこそ価値が上がっていきます。不連続の連続でも結構。断続的に続けましょう。

⑥ボリュームよりもクオリティ…多くの情報を記載する必要はありません。大事なのは、沢山の情報より楽しい情報です。

ニュースレターは、チラシとは確実に違います。

小さな企業だからこそできる、心温まるお客様への心遣いです。また、少々手間はかかりますが、コストはかかりません。

おすすめ施策です。

投稿日: 2017年10月7日 | 7:45 pm

新商品開発〜エイチメソッド〜 販促戦略の立て方−2

販促戦略を的確に立案することは、新商品のマーケティング活動に大きく影響していきます。

販促というと広告(いわゆるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌という四大広告)を思い浮かべますが、最近はHP、SNS、などを使用し個人が媒体を有する時代になりました。

特にインターネットを使った広報展開は、口コミを誘発する最適な媒体ではないかと思います。

とはいえ、日本人ほどテレビを見る民族はいないと言われます。

テレビ広告も、地方ではまだまだ威力を発揮していますが、高コストであることが一番のネックでしょう。

では、中小企業がとれる販促戦略は何か?

特に新商品開発のフェーズでお勧めしたいのが、パブリシティという方法です。

世の中にユニークな商品を開発・発売する(した)という情報を、マスコミあてにリークし、ニュース・記事として取り上げてもらう戦略です。

特にユニークな取り組みや新商品であればあるほど、取り上げてくれる確率は高まります。

リークの方法にも、有効な手段はあるのですが、それはノウハウです。

また、チラシなどの紙媒体広告を展開するという方法もあります。

販促展開エリアが限られていることや、絵や写真でインパクトを与えたいときに使用します。

気をつけたいのが、価格訴求のチラシにならないことです。

あくまでも見栄えや、インパクト性にこだわってください。

投稿日: 2017年10月5日 | 9:25 pm

新商品開発〜エイチメソッド〜 販促戦略の立て方−1

次々と企画開発・製造される商品は、出口(販売)戦略を考案していく必要があります。

新商品は”創れば売れる”というものでなく、あえていえば”良いものは売れる”という妄想をいだいている経営者も少なくありません。

そこで、適切な販売促進戦略立案が必要になります。

今回は、販売促進戦略の立て方を考察したいと思います。中小企業がとれる販売促進は、ハンドメイド(手作り)で立案することをお勧めしています。

例えば、会員ポイントカードなどを作って展開するお客様の”囲い込み”戦略を考えてみましょう。

メジャーな”TSU◯◯YAカード”に入会して使用するよりも、オリジナリティあふれるポイントカードをハンドメイドで考案したほうが明らかにお勧めです。

メジャーの会員システムを導入すると、手数料もかなりのコストがかかります。オンリーワン性が皆無で、中小企業が大切にしなければならない”温かみ”が薄れます。

他の販促ツールも同じ。

キーワードは”血の通った温かみ溢れる販促戦略”です。

また、戦略はできるだけ現場スタッフのアイデアを盛り込みましょう。販売の場合は、現場で店頭に立つスタッフの意見やアイデアです。

答えは現場にあり。お客様と直接対応している現場にこそ、そのヒントが隠されているのです。

投稿日: 2017年10月4日 | 9:02 am

本物は不変であり、生き続けるもの 〜しょう油の日イベントにて〜

10月1日は醤油業界が制定している”醤油の日”だそうです。

佐賀市内の老舗醤油・味噌メーカー「丸秀醤油」で、醤油蔵開きイベントが開催され、出かけてきました。

朝10時から始まるイベントも、スタートから大勢の来場客です。

この日は、普段見ることのできない醤油の蔵(工場)見学もあります。蔵は、昔ながらの製法で調味料(醤油、味噌)を創る、会社の財産となっています。

限定の生醤油販売もありました。

この日は、ワークショップも数々ありました。「味噌作り体験」「しょう油作り体験」「塩麹作り体験」などなど。写真は息子が作ったしょう油。

完成は1年後。いやはや長い道のりです。この日は、木桶を作るワークショップや大きな木桶の製作実演も開かれました。

丸秀醤油は、佐賀が誇る老舗の醤油・味噌メーカーです。共同製造にはあえて入らず、すべて自社製造のオリジナル製品を昔ながらの手法で作っています。

小生のクライアントでも、PB商品をOEMで委託しています。

その”ものづくり”への熱い想いは、商品に現れています。

最近では、OEMによるオリジナル調味料の相談案件が多く、真摯な対応が評価れているのだと思います。

しかし、チラシ配布だけで大盛況の来客。また、企画自体を社員の方々が主体的に組み立てられたそうです。

元気な企業は、人が集まります。

今回のイベントを皮切りに、小学生を対象にした商品開発ワークショップを企画されています。

企画から試作・試食、ブランディングから販売までが体験出来るユニークで価値ある取り組み。

これからも、本物づくりを続けて行く丸秀醤油を、これからも応援したいと思います。

投稿日: 2017年10月1日 | 10:51 pm

”人財を育てる”ブランディング

中小企業の唯一無二の経営資源は、”ヒト”です。カネもモノも人財が創る産物にすぎない。

今日も、福岡のクライアントにて人財育成のための勉強会を務めてきました。

人財を育てるということは、中小企業にとって最大のブランディングだと考えています。中小企業は、製品力では勝負できません。”商品力”で勝負します。

商品とは?中小企業にとっての最大で最強の商品は人財以外にありません。

優秀な人財さえいれば、製品(モノ)も売上(カネ)も産み出せます。

ですので、中小企業のブランディングは人財を育てることが、もっとも高いプライオリティだということが言えます。

差別化やオンリーワンが問われる中小企業経営において、何をUSP(Unique Selling Proposition):独自のウリとするか?それは人財力であろうと思われます。

ブランディングというと、商品ブランドや企業ブランドをイメージ化し、ロゴやキャッチを創造していく。

もちろんそのような活動は大切です。しかし基盤は、人財ブランディング以外にないのです。

投稿日: 2017年9月29日 | 11:44 pm

中小企業は何を売っていくか?

全方位型低価格路線の大企業戦略に対抗するには、中小企業は何を努力すべきでしょうか?

前にも述べましたが、中小企業の基本戦略は「集中型高価格・高品質・高付加価値」戦略です。価格競争は、絶対にやってはならない禁じ手…です。

では、中小企業が売っていくべき真の商品とは何でしょうか?

弊社では、中小企業の真の商品を「メンバー(構成員)も”想い”である!」と主張します。

その本質は、「メンバーの努力」「企業の努力」「企業の価値」です。

例えばアパレルセレクトショップの場合、「バイヤーのセレクトにかける想い」「販売スタッフの接客提案力」「店長やSV(スーパーバイザー)のVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)力」「経営者の働く環境整備力」…その全てが真の商品です。

ですから、高価格であたりまえ、高品質であたりまえ、高付加価値であたりまえ…なのです。

自信を持って、お客様に価値を提供していきましょう。

また、食品メーカーの場合、「商品開発部の企画開発力」「営業スタッフの販売プレゼン力」「製造部(製造部)の効率的な製造力」などその全てが商品と言えます。

低価格で売っては、メンバーに申し訳ない。お客様は、何にお金を払ってくれるか?

お客様は、”価値(バリュー)”を認めた時にお金を払ってくれます。

企業努力をひたすら、粛々と継続していく以上、必ず道は開けます。

投稿日: 2017年9月28日 | 11:46 pm