会計事務所の経営革新−3

今後、人工知能(AI)の急速な発展により、士業と呼ばれる”守らてた領域”をもつ専門家も生き残りをかけて革新しなければならない…そうです。

特に士業の中で、最も多い人口を誇る税理士は、今後のイノベーションが求められる最たる資格とえるでしょう。

同時に、税理士事務所(会計事務所)に勤めるスタッフも、AIに業務を代替されるリスクを負っています。

会計事務所に約7年間勤務した経験から、今後の会計事務所のあり方を考えてきました。

これからの会計事務所は、2つの生き残り戦略を取らざるを得ない環境だと考えています。

ひとつは、人工知能(AI)を活用して省力化し、スタッフ数をできるだけ減らして低価格で勝負する会計事務所。

もうひとつは、コンサルティング・ドメインに思い切って踏み込み、スキルを磨いて高付加価値で勝負する会計事務所です。

どちらも大きなメリットと、大きなリスクを伴います。ゆえに、覚悟と継続が必要と言えます。

どちらの戦略をとるかは自由ですが、これまでのような既得権益だけでは事業継続が困難な環境になることは間違いないようです。

コンサルティング・ドメインに踏み込む戦略をとる場合、スタッフのパラダイムシフト(常識を覆す革新的な考え方の踏襲)が必要です。

それには、コストと時間と忍耐と手間ひま…さまざまな負荷がかかるでしょう。

なぜならば、クリエイティブ力(価値を創造するスキル)やネットワーク力(人脈構築スキル)という、これまでの会計事務所が苦手とされているスキルを徹底的に身につけていく必要があるからです。

税理士に限らず、士業という専門家の業務を代替して行きそうな勢いのAIの脅威。

今後の動向に注意です。

投稿日: 2018年3月12日 | 10:48 pm

志の航跡 〜仲間たちへのエール〜

このブログでは、中小企業診断士やプロのコンサルタントを志す仲間たちのために、少しでも気持ちの糧となるよう、体験談を綴っていきたいと思います。

この仕事を通じて、困っている中小企業のお役に立つ仲間が増えていくことを祈念して、体験・経験・培った価値観・ノウハウを赤裸々に語っていきます。

 

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平成18年10月。初めて中小企業診断士第二次試験に挑戦しました。

科目は、経営戦略やマーケティングに関する事例や財務会計に関する事例など4科目です。

1科目80分の4科目で、正直終わったあとはクタクタでした。

会場は、福岡市天神の電気ビルでした。

17時過ぎに科目終了。手応えは…五分五分でした。

第二次試験は、今思い起こせば学習方法も試験対策も、なんとなく立案できますが、なんせ初めての挑戦です。

舞い上がりました…。

試験を終え、家路に着こうとした時、試験会場の入り口に置いてあったパンフレットを目にします。

「法政大学専門職大学院 中小企業診断士養成課程開設! 第1期生募集!」

「これだっ!!」と思いました。

パンフレットを手に帰り、帰宅。家内に「正直五分五分。法政大学が養成課程を創るらしいんだよね…行きたいんだけど…」と切り出したところ。

家内…「行けば。」

この時の会話のやり取りは、今でも鮮明に覚えています。

12月上旬。中小企業診断士第二次試験合格発表を待たずに、法政大学大学院の入学試験を受験するため上京しました。

その数日後、第二次試験結果の通知が届きます。結果は4科目すべてB判定の不合格。

大学院の合格発表は、そのまた数日後でインターネット内で発表されました。

大学院は合格でした。

運命の歯車というものがあるとすれば、小生にとってこの時が、歯車が勝手に動き出した瞬間だったかもしれません。

大学院進学を決心・決断した瞬間、さまざまなことが勝手に動き出していきます。

所属・勤務していた会社(ラジオ局:長崎放送佐賀放送局)を退職する決心をします。

しかし、最大の課題は、入学金・授業料・東京での生活費の確保でした。

実親や奨学金に頼ったことは、否めません。

今でも返済を続けていますが、資金が惜しかったと考えたこともありません。

なぜなら、入学した法政大学経営大学院では、お金以上の価値や貴重な経験、人脈、仲間を得ることができたからです。

ただ、最大の悲しみは家族と離れ離れになること。

2歳になろうとしている最愛の息子と離れて暮らすことは、本当につらいことでした。

 

〜to be continued〜

 

投稿日: 2018年3月11日 | 11:58 pm

経営改善計画書は何のためのものか?

金融機関が求める経営改善計画書。

貸し付けた先の企業が、経営悪化に陥った際、専門家が支援しながら策定して、返済金の再計画(リスケジューリング)を実施するための指針計画書です。

この経営改善計画書(以下、計画書)の目的は一体なんでしょうか?

何のための計画書でしょうか?

以前、共同で計画書を策定した診断士が言いました。

「早く策定しないと…。返済を止めなければならないんだから。」…。

なるほど、とても重要なファクターであることは間違いありません。

しかしながら、とても違和感を持ったことを覚えています。

経営改善計画書自体は、早急に策定する必要がありますが、目的は借入金返済のリスケ実行が目的ではありません。

計画書に策定している内容を、クライアントが心の中に落とし込み、実直に実行してもらうようになることが目的です。

ですので、「早急に策定」することだけが重要ではないのです。

策定を支援する専門家(税理士や中小企業診断士)は、経営改善計画書を策定するクライアントにできるだけ寄り添い、支援していく必要があります。

また、計画書にはもっとも大切な内容があります。

大切なのは、業績計画(数値計画)ではありません。業績数値はあくまでも結果です。

結果を達成するためのプロセス、つまり「アクションプラン(施策行動計画)」が重要です。

また、プロセスは常にクリエイティブ性が求められます。

業績を上げるためには、コストカットよりも収入(売上)アップを意図して、前向きで大胆な施策計画を実施します。

中小企業においては、経費削減は限界があるからです。もっともやってはならない禁じ手は「人件費の削減」です。

もし、止むを得ず人件費削減に踏み込まなければならない時は、まず役員報酬を大幅に下げましょう。

それよりも、できる範囲でどんなマーケティング施策を立案して実行してくかをじっくりと立案します。

とくに客数アップにつながる施策立案が、もっとも望ましい改善施策と言えます。

投稿日: 2018年3月10日 | 10:44 pm

第2回全九州マスターズ空手道選手権大会

3月21日(祝・水)春分の日。第2回全九州マスターズ空手道選手権大会に出場してきます。

会場は、宮崎市のKIRISHIMAツワブキ武道館です。

昨年9月の全国大会では、3回戦で敗退。悔しい思いをしました。

しかし、課題も多く見つけることができました。

残り2週間。見つけた課題を克服すべく練習に励んでいますが、なかなかカイゼンできない。

小生が出場するのは、45歳から49歳の組手第二部という種目です。

今日も、道場に行き子供達と汗を流しました。

 

ふと、思うのです。空手をしている目的ってなんだろうと…。

試合に出場して勝ちたい!とは思いますが、おそらくそれ自体は目的ではない。

 

練習から帰る車の中で、ふと考えると、答えは「愉しいから。」ということでした。

なるほど、同じ道場に通う中学生や小学校高学年の子供達と、楽しく練習する。

コミュケーションをとりながら、いっしょの目標に向かって汗まみれになる。

そんな単純な作業が、とても愉しいと思えます。

 

経営もいっしょ。仕事もいっしょ。”愉しい”と思えること。その仕事や経営が好きでたまらないと感じる気持ちが、人のエネルギーに火をつけます。

 

3月21日。決戦の日まであとわずか。

しっかり準備して、妻や息子の応援を”ありがたく”受けながら、試合の緊張感と技と気合のやりとりを、思い切り愉しみ、生きる喜びを感じたいと思っています。

投稿日: 2018年3月7日 | 9:42 pm

志の航跡 〜仲間たちへのエール〜

平成18年の4月頃になると、約3ヶ月後に控えた中小企業診断士第一次試験に向けて、追い込みの時期に入ります。

ひたすら、アウトプット(問題集を解く)の連続で、分厚い問題集を何度も何度も回しました。

今振り返ると、学習方法に大きな反省ポイントがあります。

それは、「満点を取らなくていいい。60点でいい。」という”開き直り”に基づいた学習方法をとらなかった点です。

あくまでも、満点をとるための学習方法に終始していました。

すると、1から10まで学習するという方法に陥ります。

ところが、60%でいいという学手法に切り替えると、苦手な問題は整理する(つまり捨てる)という時間的効率性を得ることができます。

今、中小企業診断士第一次試験に向けてがんばっている皆さんは、ぜひ参考にしてください。

 

さて、8月。3回目の第一次試験挑戦です。

この年、試験制度が大きく変わります。

当時は、「新規事業開発」という科目がありましたが、それが廃止されます。当然、試験科目は7科目になりました。

 

また、200点満点だった「企業経営理論」と「中小企業経営・政策」という科目も100点満点に統一され。全科目の満点が1000点から700点になります。

さらに、科目別合格制度が導入されました。つまり3年間で7科目合格すれば、一次試験は通過できるようになったのです。

3回目の挑戦。会場は西南学院大学。今回でカタを付ける覚悟で試験会場に乗り込みました。

試験が終わりました。その年から、翌日には中小企業診断協会のインターネットページに模範解答が掲載されるようになりました。

翌日、仕事をさぼり行きつけのカフェで自己採点。

経済学…52点。財務会計…50点。(やばいな…)企業経営理論・・・74点!(よし)。運営管理…62点(OK)。経営法務…66点(OK)。経営情報システム…82点!(よっしゃ!)。中小企業経営・政策…72点!(予想通り)。

合計458点(700点満点の60%:420点を38点オーバー)!

即、妻に電話連絡。合格点をクリアしていることを報告。その時のパートナーの喜びの声は、今でも忘れられません。

平成18年10月。第一次試験合格を知らせる通知が届きました。

~to be continued~

投稿日: 2018年3月4日 | 8:57 pm

経営計画書における目標数値(売上・利益)の立て方

単年度経営計画書(弊社では経営羅針盤と呼んでいます)の策定は、経営において必要不可欠だと主張しています。

計画書にすることで、想いの”見える化”が図れ、やるべきことが明確になるからです。

経営計画書が何のためにあるかというと、さまざまですが、第一には会社の構成員(経営者・幹部・スタッフ)のモチベーションを上げるためです。

経営計画書を策定し、日々振り返ることでモチベーションが下がってしまったら、全く意味がありません。

そんな計画書はカイゼン(改善)ならぬカイアク(改悪)活動になってしまいます。

業績数値というものは、あくまでも”目標”にすぎない。

目標は、過去になると”結果”になります。ですので、業績(売上・利益)は結果現象にすぎないということになります。

経営計画書には、プロセスを策定明記します。

プロセスとは、行動計画(アクションプラン)のことです。そのプロセスは、優先順位をつけて策定していきます。

”あれもこれも、どれもそれも”やるという行動は、かえって現場スタッフのモチベーションを下げてしまいます。

また、業績数値(売上や客数・客単価)の計画策定においては、到底無理な数値を羅列することだけはやめましょう。

コンサルタントには、計画数値を策定する際「目標は高ければ高いほどよい。低い目標では、結果として目標到達ができない。」と豪語・指導するする人がいます。

はっきり言います。そんなコンサルタントとは付き合わない方がいい。

目標設定は、モチベーションを掻き立てられるものでないと意味がありません。

高すぎる目標設定は、目標クリアの喜びを味わうことができず、モチベーションを下げます。

数値目標設定の考え方は、「ちょっと頑張れば到達できる。がんばり方も分かる。」です。

その頑張り方を、プロセスとしてアクションプラン化することが大切です。

投稿日: 2018年3月2日 | 8:13 am

敵をつくらない経営

「三方(さんぽう)よし」という言葉。近江商人が心得としたことを言葉にしたものです。

曰く「売り手(企業側)良し」「買い手(お客様)良し」「世間(地域社会)良し」の三つの「良し(満足)」のことで、売り手と買い手がともに満足する。かつ社会貢献もできる商売があるべき姿である…という主張です。

この「三方よし」という言葉は、至極名言だと思っています。

現在の企業経営のありかたに、そのまま直結すると感じているからです。

 

恩師、坂本光司先生から「企業経営とは、5人の幸せを追求・実現することである」と教わりました。

5人とは、「社員・スタッフとその家族」「関係先・仕入先とその家族」「お客さま」「地域社会」「株主」のことを言い、その優先順位に意味がある…と。

 

日々、中小企業経営の現場を駆け回っていると、その教えが正しいということを実感します。

つまり、「敵をつくらない経営」です。

特に、1・2番目の「社員・スタッフ」「関係先・仕入先」からよく思われない経営は、結果としてお客さまからよく思われず、業績も向上しない…という考えです。

 

まず目指すべきは、一番身近な「社員」「関係先」から、この会社が大好きだと思われるような企業経営を目指すべきです。

最大で最強で唯一無二の経営資源は、「ヒト」であり、人財最重視の経営こそが中小企業が目指すべき経営指針だからです。

投稿日: 2018年2月27日 | 11:47 pm

コンサルタントの選定方法−2

経営コンサルタントを職業としている人は、増加傾向にあると言われています。

高齢化社会に乗じ、定年退職後に培ってきた専門スキルを活かす場として、コンサルティング業界に活躍の場を求める方もおられます。

経営者の方々が、経営コンサルタントを選定する際に、気をつけてほしいポイントがいくつかありますのでご紹介しましょう。

こんなコンサルタントは限りなく怪しいのでご注意を…。

 

① やたらと「損得勘定戦略」を提案するコンサルタント

…こういう人は、「売上市場主義型コンサルタント」や「コストカッター型コンサルタント」に多いです。

売上や利益などは、あくまでも短期的結果現象にすぎません。

経営は長期的視野が絶対に必要です。

いくら儲けたかが大切なのではなく、「どんな価値を生み出して、どれだけ多くの人に支持され、どれだけ長く経営できたか?(永続発展といいます)」が大切なのです。

 

② 上から目線で提案するコンサルタント

…コンサルタントは先生ではありません。あくまでもサポーターであり応援団であり、旗振り役です。

コンサルタントにとって、中小企業の経営者は尊敬すべき方々です。

ですので、その業務・ミッションを限りなくリスペクトし、寄り添う必要があります。

 

③ 「私は失敗したことがありません。」と断言するコンサルタント

…スーパードクターのドラマではないんですから。こう断言できるコンサルタントは限りなく怪しいです。

以前、こんなコンサルタントと一緒に仕事をした経験がありますが、同じ業界にいることが恥ずかしい。

もし、そのようなコンサルタントを見かけたら、「だったら、あなたがその商売をすればいいじゃないですか?」と提案してみてください。

きっと返事に困窮しますよ。

 

④ コンサルタント経験が10年もないのに、関与実績300社!などと断言するコンサルタント

…たまにいます。これも以前、見かけたことがあります。

そのコンサルタントは、自らにプロフィールに堂々と掲げていました。

はっきり言って、経験10年のコンサルタントが、関与実績300社なんてありえません。

あえて、「すごい実績数ですね。1年で何社のコンサルティング顧問をされているんですか?」と半分皮肉を込めて指摘したところ、「関与実績300社!」から「関与実績多数」と書き換えられていました。

はったりもいい加減にしてほしいですね。

 

このように、このコンサルタント業界は「怪しい自称コンサルタント」がはびこっている業界でもあります。

①〜④に掲げたコンサルタントは、あまり付き合わない方が…いいと思いますよ。

 

 

投稿日: 2018年2月26日 | 11:47 pm

中小企業経営戦略の基本 〜バリュー・マネジメント〜

中小企業がとるべき経営戦略の中で、最大のタブー(禁じ手)は「低価格競争戦略」です。

このことは以前、ブログにも書きました。

価格競争を回避するため、中小企業経営は知恵を結集する必要があるのです。

では、価格競争を回避するにはどうすればいいか?

「製品で勝負をしない!商品で勝負をする。」ということだと主張します。なんのことか??

製品と商品というふたつの概念には、根本的な違いがあると考えています。

「製品」…製造された品物  「商品」…商いをする品物  という具合に。

 

商いとは何か?  「価値を提供して、対価(お金)をもらう」という行為です。

この価値というものが問題なのです。

 

製造された品物、つまり「製品」に付加価値(企業努力)を加えて、「商品」化し、それをお客様に提供してお金をいただく。

これを「バリューマネジメント」といいます。

 

中小企業は、バリューマネジメントに対して日夜努力をしなければなりません。

 

大企業は、低価格戦略を大量仕入れや大量製造により実現させます。

そして、全方位型のターゲッティングで君臨します。

 

中小企業は、ニッチ市場に対して注力し、戦略立案・実行していく努力が求められます。

 

投稿日: 2018年2月25日 | 9:19 pm

冒険者たち−6 〜若きチャレンジャーたちの旅路〜

今日2018年2月24日(土)は、PRESSのメンバーにとって忘れられない日になったでしょう。

構想から約2年。カフェ事業「LIFT COFEE」が佐賀市呉服元町に出現しました。

今日は、そのプレオープンの日だったのです。

LIFT COFEEは、佐賀市内では見かけないテイストで、店内の空間を演出しています。

かなり、クールでスタイリッシュです。

マネジメントは、田中君というこれまたナイスガイの頑張り屋。彼が入れたコーヒーの味は、本当に癒されます。

中小企業診断士として、代表の菊池君と知り合って約2年。経営革新計画を共に策定し、構想を練り、メンバー会議を実施して、じっくりと準備してきました。

構想からお手伝いしてきた計画が、形になっていく喜びや楽しみを味わうことができました。

本当にありがとう。

中小企業診断士、経営コンサルタントとしてクライアントの未来創造ほど嬉しいものはありません。

 

今日は、家族でプレオープンに伺いました。

写真は、チョコスムージー。

容器やスプーンもこだわっています。とてもオシャレでかっこいい。

PRESSのメンバーが乗り込んだ船は、まだまだ本格出航していません。

3月には、ダンスタジオ「CARPE DIEM(カルペディエム)」がオープンします。

ダンススタジオ事業の基幹スタッフは、北御門はるかさん。こちらの事業もとても楽しみ。

佐賀のダンスシーンに新風を巻き起こすスタジオとして、乞うご期待ください。

 

彼らの旅路を支援し、記録していくとき、「企業経営は人財が全て」というコンサルタントとしての価値観が間違いないとこを再確認します。

代表の菊池くんのもとに、本当に素晴らしい仲間たちが集い、起業仲間として楽しく仕事をしていく姿は、本当にすがすがしい。

 

彼らの足跡をしっかりと見届けて、これからもずっと応援していきたいと思います。

投稿日: 2018年2月24日 | 11:30 pm