経営コンサルティングの本質と定義

ITやAI(人工知能)の発展により、会計事務所(税理士・公認会計士)や社会保険労務士の方々が、今後生き残っていくためには、コンサルティングドメインへの進出がひとつの選択肢であることは、間違いないようです。

このことは、ずいぶん以前から叫ばれてきた警鐘なのですが、中小の会計事務所の現状を鑑みた場合、その進化はなかなか進んでいないように思われます。

そのひとつの要因として、「経営コンサルティングというサービスの捕まえ方の違い」があるような気がしています。

会計事務所が提唱しているコンサルティング・サービスは、「税務監査の延長による財務的視点からの提案・助言」ということが往々にしてあります。

多くの社会保険労務士の方々が提唱するコンサルティング・サービスは、「労務法規を根拠にした労働問題・課題の解決支援」でしょう。

 

一経営コンサルティングという領域は、もちろん広義の概念があります。しかし…。

小生が提唱するコンサルティングの本質は、「クライアントの未来を描き、示し、導き、創造すること」です。

また、経営コンサルタントの定義は…「価値と価値を合わせて、新たな価値(バリュー)を創る(あるいは創り出す支援をする)専門家」です。

ですので、その業務は、ありとあらゆる知識と人脈、情報を駆使してクリエイティブできるスキルが求められます。

企業理念を創出するお手伝いをすること、アクションプランが盛りだくさんの事業計画書を策定する支援をすること、事業戦略をクライアントに寄り添って立案し、実行支援をすること…どれも大切なコンサルティング・バリューです。

 

経営という人間の営みは、ありとあらゆる事態・課題が発生します。

その課題解決のための総合的・包括的・多面的な支援を約束することが、経営コンサルティングのあるべき姿です。

投稿日: 2018年3月30日 | 11:31 pm

人財が集まる会社

採用の売り手市場と言われる今日。

人財不足に悩む企業が多く、なかなか採用戦略がうまく行かない現状です。

しかし、このご時世においても、若い人財が集まる企業も存在しています。

”人財が集まりやすい会社”には、共通点があるのです。

よく「この業界は、人が集まりにくい」や「人気のない業種だから」など、外部環境に責任転嫁する経営者もおられます。

果たして、そうでしょうか?

 

人が集まる会社…共通点を以下に列挙します。

①経営理念をきちんと創出し、その実現に向けて真摯に取り組んでいる。

②企業の中・長期的ビジョンを明確にして、将来を差し示している。

③経営方針を定めて、メンバー・スタッフに公開している。

④企業の戦略を明らかにして、メンバーを参画させている。

⑤委員会制度などを創って、経営の課題解決にメンバーを巻き込んでいる。

⑥教育制度・育成制度が整備されている。

⑦人事考課制度・評価システムが構築されている。

⑧明るい、風通しの良い社風があり、情報発信されている。

⑨ワークライフバランスの推奨に取り組んでいる。

⑩結果として業績が良く、人件費と適正配分が実現している。

①〜⑩の条件のうち、7条件以上が満点近くクリアしているという企業は、人財が集まりやすい企業といえます。

 

つまり、”いい会社”には人が集まるのです。

また、給与が高くても上記条件に真摯に取り組んでいない企業は、すぐに人財に見透かされます。

結果、活躍する人財ほど、その会社から去っていく傾向にあります。

給与さえ高く払えば、”人財がそろう”というのは明らかに妄想です。

 

いい会社になるための取り組みは、長期的にじっくりと、諦めずに、ブレずに実行していくことが重要です。

 

投稿日: 2018年3月26日 | 11:17 pm

部下から見捨てられる上司 

経営コンサルタントとして活動していると、さまざまな人間模様に直面します。

コンサルティング活動というのは、ある意味人間観察・人間力診断といっても過言ではないかもしれません。

いや、経営そのものが人間の営みであり、人間を見つめることなのでしょう。

小生がお手伝いしている、中小企業の経営者・幹部の方々は総じて人格者であり、尊敬に値すべき方々です。

理由は簡単です。小生は”お客様を選んでいるから”です。

人格者・人間的魅力に溢れている方でないと、中小企業経営は困難だと思われます。

中小企業は、「支えられる経営」が必要であり、敵を作らないことがあるべき姿です。

一方で、以前所属していた企業では、どうしても部下から慕われない(どころか見捨てられる)幹部を多く見てきました。

 

見捨てられる上司と慕われる上司の違いは…多くのファクターが存在します。

しかし、もっとも共通している要因は、「自己中心的な言動」です。

 

部下の手柄を我がものとする、部下を経営者の前で批判する、部下を育てるプランもなく運転手として酷使する、部下の知的財産を勝手に使用する…などなど、具体的な言動は数知れなく挙げられます。

 

しかし、こういう薄っぺらで人格無視の言動は、時を待たずに部下から見捨てられ、結果として自分が苦しむことになるとを気づかないのです。

 

部下から見捨てられ自分の元をさっても、自分の言動に向き合うことなく、去ってしまった部下に責任転嫁をする自己中上司は、幹部としての資質に欠け人財を育てるというミッションが遂行できない会社のガンとして早めの切除をオススメいたします。

投稿日: 2018年3月25日 | 1:00 am

第2回全九州マスターズ空手道選手権大会

去る3月21日(水・祝)に宮崎県KIRISHIMAツワブキ武道館で開かれた、第2回全九州マスターズ空手道選手権大会に出場してきました。

当日は、朝から雨天であり、宿泊先のANAホテルから見える日向灘の美しい風景を見ることができませんでしたが、家族旅行も兼ねての大会参加ということで、有意義な時間を過ごすことができました。

小生が出場したのは、45歳〜49歳が参加できる組手第二部というクラス。

九州から集まった、空手を学ぶ方々が集い、技を競います。

この大会は、いわば「大人の大会」です。

互いに健康であることに感謝し、空手を心ゆくまで愉しみましょうという、雰囲気にあふれた本当に素敵な大会でした。

試合自体は勝負事ですし、勝ち負けがあります。

なので、参加者は真剣勝負。しかし、試合終了と同時に、互いの健闘を讃え合う握手は、本当に感動します。

結果は第3位。

しかし、多くの課題を見つけた貴重な試合を経験できました。

 

参加者は、多くが社会で活躍されている方々です。勝って笑い、敗けても笑おうという会場の雰囲気はとても好きですし、これこそが空手を学ぶ目的なんだと改めて確認できました。

今年9月には、全国大会が札幌を会場として開催されます。

もちろん出場するつもりで、しっかりと準備をして、また人生の貴重な思い出を刻みたいと思います。

投稿日: 2018年3月24日 | 5:38 pm

中小企業の経営基盤とは?

中小企業の経営資源は、”ヒト”のみであるとは、恩師坂本光司先生の教示です。

では、強固な経営基盤とは何でしょうか?

潤沢なカネでしょうか?結果的にそうなるということはあっても、経営のスタートからナイナイづくしの中小企業経営にとって、カネは経営基盤とはいえません。

では、何でしょうか?

ヒト…人財もその一つであることは間違いありません。

しかし、最初から優秀な人財が確保できればいいのですが、人財は育てるという発想が必要ですし、中長期的な取り組みの中で、育成していくより良い方法はないと言えます。

 

小生は、”中小企業にとっての経営基盤(館骨)とは?”いう問いかけに対し、ある結論を持っています。

それは、”客数=顧客の絶対数”だということです。

 

売上は、公式があり、売上=客数×客単価です。

この公式は、至極有益なヒントを与えてくれ、業績計測の第一バロメーターたる”売上”を伸ばす(増収)方策は、第一優先順位として「客数を伸ばすこと」に他なりません。

客単価とは、一人のお客様が支払う金額のことですが、「お客様の財布の中身は限度がある」からです。

 

中小企業経営の基盤の最重要ファクターは、”客数”であると主張するのは、こういう理由があるのです。

多くのファンから支えられる中小企業は、多少の好不況の影響は受けても、その基盤が揺らぐことはありません。

我が社の経営基盤を強固なものにしたいというお考えの経営者は、まず”客数を伸ばす=顧客づくり”の方策を立案・実行するとをお勧めいたします。

投稿日: 2018年3月23日 | 11:42 pm

志の航跡 〜仲間たちへのエール〜

このブログでは、中小企業診断士やプロのコンサルタントを志す仲間たちのために、少しでも気持ちの糧となるよう、体験談を綴っていきたいと思います。

この仕事を通じて、困っている中小企業のお役に立つ仲間が増えていくことを祈念して、体験・経験・培った価値観・ノウハウを赤裸々に語っていきます。

 

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平成18年3月末。法政大学経営大学院入学のため、単身上京しました。

その前に、勤めていた放送局(長崎放送佐賀放送局)を退職しました。

約11年間勤務した会社から去ることは、とても辛いことでしたし、送別会では号泣してしまったのを覚えています。

また、ラジオの仕事がとても好きでした。

ただ、いったん退職すると、次のステップに想いを馳せていたのも事実です。

出発当日、最愛の息子に別れを告げて、家内と義母がJR佐賀駅まで送ってくれました。

その時のつらさは、今思い出しても胸が熱くなってきます。

 

上京して向かった先は、都内早稲田にある「上田寮」という学生寮でした。

寮費は、朝夕のまかない付きで7万3千円です。この寮費も、月額13万円支給される奨学金を当てました。

 

4月某日。法政大学の入学式が日本武道館で開催されます。

さっそく知り合いになった同僚と一緒に参加。その日は、ささやかな入学祝いと決意高揚のため、同じ佐賀出身の片山くんと一緒に飲みにいったような気がします。

 

法政大学経営大学院は、新一口坂校舎という建物内にあります。

上田寮から、東西線に乗り飯田橋で下車。堀沿いの並木道を通って通います。

とても素敵なところでした。堀端の並木道は、季節によって色合いを変えてくれました。

 

入学式が終わり、翌日。シラバスの説明会が開かれ、学生たちの顔見せがありました。

都内からの通学組が多かったのですが、九州から来ているのは、佐賀から二人(小生と片山くん)です。

 

不安などはさらさらなく、これからスタートする研究内容と人的交流にワクワクしていたことだけ覚えています。

 

入寮後、寮母さんからは本当によくしてもらいました。寮費を3千円まけてくれて、「おいしいものでも食べなさい。」と言ってくれる、本当に暖かい人でした。

今でも元気にしていてほいいと心から思います。

 

〜to be continued〜

投稿日: 2018年3月20日 | 1:00 am

企業理念を組織浸透させるという意義

企業理念の創出と浸透を、主張し続けていますが、なかなかその価値を理解してもらうには時間が必要だと感じています。

何度も言いますが、企業理念の創出と浸透が基盤強化の第一歩です。

 

とあるコンサルタントの話。

「社長、企業理念はまだ創られていませんね。インターネットで検索すると出てきますから、参考にして創ってください。」

本当にうすっぺらな提案・コンサルティング助言です。

 

企業理念というものは、人まねや模造で創出するものではありません。

なぜなら、企業理念そのものの”言葉”が重要ではないからです。

重要なのは、そのフレーズに込められた”想い”です。

その想いが、組織やチーム構成員(スタッフ)の心の中に浸透して、その会社で働く目的を共通価値観として共有することが大切です。

したがって、インターネットを参考にして、ただ創るなどという行為は全くの無駄。

何の価値もありません。

 

企業理念をアウトプット型(スタッフ参画による研修・会議形式)で創出すると、組織・チームが明らかに変わってきます。

目的の共有が、モチベーションアップや主体的人財の育成に、大きく寄与するからです。

投稿日: 2018年3月19日 | 1:00 am

クレイジージャーニーという番組

TBS系テレビ「クレイジージャーニー」という番組をご存知でしょうか?

毎週水曜日、夜11時56分から放送される、かなりセンセーショナルな番組です。

日本人の冒険家、写真家、ジャーナリストが世界中のさまざまな地域に赴き、映像を届けてくれます。

その映像がかなり衝撃的。

時に、スラム街であったり、少数民族住む地域であったり、極寒の北極圏であったり。

司会は、松本人志、小池栄子、バナナマンの設楽です。

出演するクレイジージャーニー(旅人)たちとのやりとりも面白い。

DVDも発売されています。

小生が好きな、クレイジージャーニーは「丸山ゴンザレス」です。

丸山ゴンザレス…フリーのジャーナリストとして、日本の裏社会や海外危険地帯の取材を重ねていることから「犯罪ジャーナリスト」と呼ばれています(出典:ウィキペディア)。

 

この番組は、経営コンサルタントの小生に大切な教訓を与えてくれるのです。

それは、「常に現地現場に赴き、事実確認をすること」です。

また、「経営の現場に”肉薄”し、人間の営みとしての経営を観察する」ことです。

コンサルタントは、常時、現地現場・現時を意識したスキルを向上させなければ、クライアントに寄り添うことはできません。

 

クレイジージャーニー。かなり衝撃的な映像が出てきますが、一度ご覧になってください。

投稿日: 2018年3月18日 | 1:00 am

新入社員研修会のプログラム方法

この時期、様々なコンサルタント会社が、新入社員研修会を企画運営しています。

中小企業経営者の方々の手元には、種々様々な社員教育機関・コンサルティング会社からの企画書や案内書が届いていることと察します。

では、どんな機関のどんな研修が有効であり、参加させる価値があるか?を提言しましょう。

まず、あるべき姿の研修は、クライアント企業様限定の”オリジナル・プログラム研修”です。

研修内容は、業種業態によって様々ですし、何より基本的な思考基準の”企業理念”に沿ったプログラムが望まれるからです。

あまりお勧めしない研修をご紹介します。

①業種業態が様々な集合研修…公的機関や比較的大手の研修機関・コンサル機関が実施する研修です。利点もあります。それは、様々業種・会社の新入社員が集まるため、人脈が構築されやすい点です。また、比較的低価格(5,000円〜10,000円/一人)な場合が多いです。

ただ、この研修はあまりにも総論的内容になりやすく、費用対効果でいうと、?です。

②体訓や特訓が中心の精神論型研修…今どき、大声を出して声をからせるまで挨拶訓練をしたりする研修は、時代にそぐわないと言えます。情報化時代の今日は、精神論で仕事を乗り切れるほど、ある意味あまくはありません(ハート=心は大切ですが)。

 

新入社員の心に、刻み込んで欲しい内容は、「自社の素晴らしさ」「働くという行為の価値」「企業目的(経営理念)の意義」…そして何より、我が社で働くということの愉しさです。

 

投稿日: 2018年3月17日 | 4:08 pm

新入社員の迎え入れ方

3月。新入社員を迎え入れる時期です。

新卒新入社員の場合、”自分の人生”をかけて入社してきます。

入ってきた新卒新入社員が、「ここで一生働きたい」と思ってもらえるような企業づくりが理想と言えます。

一方で、中途入社の新入社員(比較的若い:30歳未満)の場合は、以前の会社を何らかの理由で退社してきています。

その際、次の会社では「前の会社以上!」という期待感があります。

採用した企業は、できるだけその期待に応えるような環境づくりに、配慮する必要があります。

 

採用した新入社員は、”責任を持って人財に育て上げる”という覚悟が企業側には不可欠です。

特に、人財経営・人本経営を目指すべき中小企業においてはなおさら。

経営者のエゴやワガママで、せっかく入ってきた人材を潰すような経営は失格です。

 

企業経営というのは、関わる人たちの幸せの実現こそが目的だからです。

 

採用した企業側にも、責任と覚悟が必要なのです。

せっかく入ってきた貴重な人材を、社長のパワハラまがいの言動で退社させるような企業をこれまで、散見してきました。

そこにあるのは、業績・売上至上主義の経営者のエゴ。

業績(=お金)が目的なので、育てる・教育という発想は皆無です。

もし、あってもすぐに結果を求めます。

 

人財育成というのは、特に新卒入社スタッフの場合、長期的視野でじっくりと育てるプランとプログラムが必要です。

それができないならば、人財を採用して雇用する資格なき企業と心得ましょう。

 

投稿日: 2018年3月15日 | 11:40 pm