2026年中小企業経営の展望とあり方…
2026年という未来が、すぐそこまで見えてきました。激動の時代を経て、私たち中小企業を取り巻く環境はますます複雑さを増しています。人手不足、物価高騰、予測不能な市場の変化……。経営者の皆さんの悩みは尽きないことでしょう。
しかし、どんなに外部環境が荒れ狂おうとも、経営の本質は変わりません。むしろ、混迷を極める今だからこそ、小手先の「やり方」ではなく、揺るぎない「あり方」を確立することが求められています。
今回は、2026年を見据え、中小企業が持続的に成長し、関わるすべての人を幸せにするための「4つの経営の柱」について、私の持論を語りたいと思います。
1. 粗利重視経営:付加価値こそが「命」
まず、絶対に忘れてはならないのが「粗利(付加価値)」を追求することです。売上規模を追う「規模の経済」は、中小企業にとっては命取りになりかねません。私たちが目指すべきは「小さくてもキラリと光る、筋肉質な経営」です。
自社の提供する商品やサービスが、お客様にどれだけの喜びや解決をもたらしているか。その対価としての粗利をしっかり確保すること。これが、社員の給与を上げ、次への投資を行うための原資となります。
2. 人本経営:社員の幸せがすべての起点
私の経営哲学の根幹にあるのが「人本主義」です。会社は、株主のためにあるのでも、社長一人のためにあるのでもありません。社員とその家族、そして協力会社の皆さんの幸せを実現するための公器です。
「企業づくりは、人づくり」。社員が安心して働け、誇りを持てる環境を整えること。経営者が社員をリスペクトし、心からの「ありがとう」を伝えること。この温かな人間関係こそが、最強の経営基盤になります。
3. 知的財産経営:見えない資産に光を当てる
「うちは町工場だから、知財なんて関係ない」と思っていませんか? それは大きな間違いです。御社にしかない技術、長年培ってきたノウハウ、顧客との信頼関係……これらすべてが立派な「知的財産」です。
この「見えない資産」を言語化し、磨き上げ、独自の強みとして戦略的に活用していくこと。これが、競合他社との不毛な価格競争から脱却するための唯一の道です。
4. ブランディング経営:選ばれる「必然」を創る
最後に、これらすべてを統合するのが「ブランディング」です。ブランディングとは、単なるロゴやデザインの話ではありません。自社の「志(理念)」を社内外に一貫して伝え、ファンを創ることです。
「この会社だから買いたい」「この会社で働きたい」と思われる存在になること。2026年、情報が溢れかえる中で、お客様から指名される「必然」を創り出す努力を怠ってはなりません。
2026年、本質を問い直す旅へ
「粗利・人本・知財・ブランディング」。この4点はバラバラにあるのではありません。すべてが密接にリンクし、一つの「経営のあり方」を形作ります。
時代が変われば、手法(やり方)は変わるでしょう。しかし、関わる人を幸せにし、社会に価値を提供するという「あり方」は、2026年も、その先も変わることはありません。
皆さんは、2026年にどんな会社でありたいですか? そのための「第一歩」として、明日、社員にどんな言葉をかけますか?
未来を創るのは、今のあなたの決断と行動です。

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