目標管理コンサルティングへの警鐘

人事考課制度は、ある一定の規模に会社が成長した時、是非とも取り入れたい制度です。

小職のメルマガでも、何度も主張しているところですが、社員数が10人を超えたあたりから導入の必要性は高まると考えています。

先日、クライアントの社長がこんな話をしてきました。

「知り合いのコンサルタントに、人事考課制度(評価制度と言ったようです)の参考になるようなものはないか聞いたら、“目標管理制度(MBO)”を出してきたんだよね。戸惑ったよ」(概略)

う〜ん。目標管理制度は、大手のコンサルティングファームを中心として一時期流行した制度です。

ところが、一向に定着しない。なぜか?

それは、人本経営(人財を大切にする経営)を基本とする中小企業経営には、そぐわないからであると小職は考えています。

基本的には、できるだけ高い目標を設定して、そこに向き合い、企業側(上司)が管理して達成を目指す…という手法(ドラッガーが最初に提唱したMBOとは、違う内容で普及しているのが残念ですが…)。

ここには、人財のモチベーションという発想が抜けています。

そもそも、目標って管理するものですか?

目標は、達成の愉しみを味わい、次に成長するためのマイルストーンであるべき。

人間は「できなかったことができるようになった」「目指していたものが、少しだけクリアできた」…という達成感でモチベーションを上げます。

最初から無理な目標を設定し、できるだけ肉薄するよう管理していくMBO(目標管理制度)は、中小企業経営には不向きであることを警鐘しておきます。

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